タブレット端末の登場は、ビジネスの世界に大きな変革をもたらした。バッグからタブレット端末をスッと取り出し、多彩なグラフや表組、ときには動画まで駆使してのプレゼンテーションやオペレーションは、圧倒的な説得力を持つ。紙の資料を必死に印刷・製本して重たい思いで持ち運び、クライアントのいきなりな注文には「申しわけありません、用意して参りませんでした」と頭を下げ、ときには「あとで読むからそこに置いといて~」と早々に追い返される。そんな辛さや紙の無駄遣いはもはや旧時代の思い出話、笑い話だ。
さらに、各種のリサーチや店舗管理、在庫管理などの場面でタブレットを小脇に抱え、現場で適宜データをハンドリングする、スピーディなビジネススタイルにも、タブレットはバツグンの威力を発揮する。デジタルデータを「持ち運んで使える」「即座に提示できる」メリットには計り知れないものがある。
いままでノートPCを愛用していたビジネスパーソンの中にも、タブレット端末へ移行した人も少なくないはずだ。また、オフィスはもちろんプライベートでも、タブレット端末が主役になりつつある人もいるだろう。いわゆる「ノートPC」の存在感は、以前より薄れていると感じる人すら珍しくないかもしれない。しかし、その認識は正しいのだろうか。それで本当に100%のビジネスワークが可能なのだろうか。
たしかに、ビジネスバッグの重さから解放され、場所を問わずに使用できるタブレットは、ビジネスパーソンにとって必携のツールだ。プレゼンなどの「見せる」シーンはもちろん、メールのチェックやネットでの調べ物などの「見る」シーンにもバツグンに強く、使いやすい。
しかし、ビジネスの最前線ではさまざまなことが起こる。プレゼンの直前に別資料を急遽作成したい。出張先のホテルで今日のブレスト内容を分析しレポートを仕上げたい。クライアントから手渡されたデータディスクをその場で取り込み、またディスクを作成して会議の参加者に配布したい。こうした「創る」スキルが必要になることも珍しくないのだ。では、こんなシーンに遭遇した際、タブレット端末は? ちょっと物足りない。これもまた見逃しようのない事実だ。
タブレット端末だけでもなんとか仕事はできる。しかし、「ライバルに勝つ、デキるビジネスパーソン」を目指すなら、やはりその手にノートPCも携えるべきだ。とはいえ、ノートPCとタブレットの2台持ちでは手間もサイズも重さもコストもかさむ。両者の魅力を余すところなく集積し、両者それぞれの機能に引けをとらず、あらゆるビジネスシーンを最先端でリードできるノートPCはないものか。
じつは、ある。それがビジネス最強ノートとして誉れ高い「レッツノート」の最新モデルだ。今回は、2014年春モデルの発売からさほど時間をおかずにさらなる「ビジネス力アップ」を果たした、「レッツノート MX3」(CF-MX3、以下MX3と表記)の仕事適性を探っていこう。
まず、MX3シリーズがどんなノートPCなのか、春モデルに比べてどこが進化したのかを見ていこう。
MX3は、視認性の高いIPS液晶12.5型のフルHD・タッチスクリーンを搭載し、タブレットスタイルでもノートPCスタイルでも使用できる2in1 の変形型ノートPCだ。2in1といっても、タブレットスタイルで使用する際に、ディスプレイ部を分離する必要は一切ない。ノートPCの状態から画面を開いていくと、180度開きを通り越してキーボードの裏側へ、ピッタリ密着する位置まで開くからだ。タブレット端末の筐体背面にキーボードがある姿を思い浮かべてもらえればイメージしやすいだろう。もちろん、画面を一定以上の角度まで開くとキーボードやタッチパッドの動作がカットされる設計で誤操作の心配はないし、キーボードが見えて違和感があるというなら、オプションでコンパクトなキーボードカバーも用意されている。
この状態でもタブレット端末に負けないハンドリングを実現した理由は「軽さ」にある。 MX3は伝統である強靭な筐体にフル機能を搭載しながらも、重量を約1.198kgに抑え込んでいる。しかも光学ドライブを搭載しての数字だから、人気となっているのも頷ける。夏モデルで新しく加わったドライブレスモデルは、さらに軽量の約1.118kg。これなら、1kgを切るタブレット端末と比べても、実際の携帯時に重さがずっしり堪えることはないはずだ。
搭載CPUは、最新のモバイルCPUアーキテクチャである、Haswellコアのインテル® Core i7-4500U プロセッサーまたはi5-4310U プロセッサー。レッツノートには店頭販売モデルと直販サイトのパナソニックストア販売モデルが用意されるが、店頭販売モデルのうちインテル® Core i5搭載機では、CPUが春モデルのインテル® Core i5-4200Uからi5-4310Uへとパワーアップしている。また、インテル® Core i5モデルには光学ドライブレス仕様が追加され、インテル® Core i7モデルはDVDスーパーマルチドライブに代わりブルーレイディスクドライブが搭載された。
さてここからは、実際のビジネスシーンを想定しながら、MX3がビジネス最強ノートと呼ばれる所以を探っていこう。
まず実感できたのは「説得力」だ。プロモーションの上手下手によって、同じ商材でも売り上げに天と地ほどの差が出ることは、ビジネスに携わる人なら誰もが実感しているはず。プレゼンなどもまったく同じで、たとえ同じ資料を提示するにしても、見せ方ひとつでクライアントへの訴求力がまったく変わってくる。
MX3が搭載するCPUは、多くのタブレット端末が採用するCPUに比べ、パワフルさに定評があるインテル® Core i5/i7。画像や映像を駆使したプレゼンテーションや重い資料のスピーディな活用が可能なうえに、画面を270度程度まで開けば見やすいスタンディングディスプレイが出現する。手に持ちながら、あるいはデスクトップに画面をペタッと寝かせながらのプレゼンとは異なり、クライアントが正面から静止画面を注視できるため、細かな部分までしっかり確認可能。長時間のプレゼンでも目や姿勢に負担がかからない。さらに、筐体の下にキーボードが来る形になっても光学ディスクが再生可能な点も心強い。内蔵HDMI出力端子を活用し、資料を大画面テレビやプロジェクターに大画面で映し出せば、プレゼン力はさらに高まる。また、別売の小型ビューアーと組み合わせれば、クライアント側の機材を選ばず印象的なプレゼンが行える。
タブレットスタイルと手書きペン入力の活用法も魅力だ。筐体サイドにカチッと収納できるスタイラスペンは、先端が細く手書き文字やチャートなどが自在に描けるうえに、反応が過敏でないため線が震えたり細切れになったりの失敗入力も少ない。画面を囲んでのブレストやミーティングでは、くっきりと高精細で視野角が広い高品質液晶の見やすさが光るし、標準搭載されている手書きツールの使いやすさも見逃せない。試しにアウトドアでも使用してみたが、絶妙なノングレア処理のおかげか、晴天の明るい屋外でも画面が沈んだように見えにくくなってしまうことはなかった。
プロジェクターを利用しての多人数プレゼンや全体会議などでは、この夏モデルからiPhoneにも対応するようになった無料アプリ「スマートアーチ for iOS」(後日公開予定)による、PowerPoint連携プレゼンサポート機能の出来栄えが出色だ。プロジェクターに投影されたスライドをiPhoneでコントロールする機能で、ネット上からレッツノート用とiPhone用のアプリをダウンロードし、Wi-Fi接続の設定をするだけで利用可能。アプリ起動後にiPhoneの画面にタッチすればスライド上にポインターが出現し、iPhoneを軽く振るだけで、ポインターの移動やスワイプによるページ移動が行える。スライド画面はプロジェクター、PC、iPhone上で共有するため、PCの置き場所から離れた位置からでも軽快なプレゼンが可能になるというわけだ。
「ビジネスの効率化」も、MX3の得意分野だ。出張先のホテルで資料作成、クライアント先ではプレゼンテーションなど、シーンに応じた使い分けができる1台2役のコンバーチブルPCだから、1日24時間という限られた時間から無駄なくワークタイムを捻出できるし、プライベート時間の捻出にも役立つ。ONもOFFもともに充実すること間違いなしだ。
ここでも「スマートアーチ」が威力を発揮する。ジャイロによるプレゼンサポート機能を搭載し、ジャイロモードを設定すると、ポインターの速度や大きさなどが変更可能。実際の動きは下記の動画でご確認いただきたいが、ポインターの移動やスワイプのほかにも、タイマー設定やプレゼンでスピーチするシナリオ表示の機能もある。プレゼン力をより高めたいビジネスパーソンにはうってつけの機能だろう。
※スマートアーチのテスト環境:レッツノート MX3 ブルーレイディスクドライブモデル、iPhone 5(iOS 7.1)、スマートアーチ for iOS Version 1.0.1、Microsoft PowerPoint 2013日本語版
時間の効率的な利用という面では、バッテリーの持続時間も見逃せない。MX3は、1回の充電で約10時間(JEITA2.0)/約15時間(JEITA1.0)の長時間駆動が可能。一般的な実務ならまる1日、屋外イベントの管理業務や1泊2日の出張程度なら、バッテリー切れを心配せずにすべての時間を作業に費やせる。
PCを稼動させたままバッテリーの脱着が可能なホットスワップ機能も便利だ。4セルの脱着式バッテリーに加え、筺体内にも2セルのバッテリーを内蔵するという発想で実現したこの機能、別売のバッテリーパックをもう1本持参すれば、まる1日を越える約16.5時間(JEITA2.0)/約25時間(JEITA1.0)のノンストップ駆動が可能になる。
オフィスワークのメインマシンと強力なモバイルツールを1台で兼ねる高性能っぷりも、ビジネスの効率化に大きく貢献する。データの同期や端末の使いわけなどという手間を気にすることなく、オフィス環境をそのまま持ち出せるからだ。サーバとのデータのやり取りやネットワークを駆使しての情報収集には、受信最大28Mbps※2、送信最大8Mbps※2のWiMAX対応無線LAN機能が威力を発揮。モバイル運用中でも大容量データの送受信が素早く行える。パナソニックストアからの購入なら、ドコモのXi対応モデルも選択できる。
※2表記の通信速度は、内蔵のWiMAXアダプターでの通信速度で、実利用速度を示すものではありません。実際の通信速度は電波状況や回線の混雑状況によって異なります。
レッツノートと外部ディスプレイの2画面を連続した作業スペースとして利用できる機能も、オフィスワークの作業効率アップに大きく貢献する。アイコンをクリックするだけでディスプレイ間のウィンドウ移動などが瞬時に行える「ディスプレイヘルパー」※3や、画面を手軽に2~4分割し、作業内容に合わせて縦割りや横割りなど10種類のウィンドウレイアウトを選べる「画面分割ユーティリティ」※3など、作業効率を高めるためのユーティリティが搭載されているのも、さすが最強ビジネスPC、レッツノートの面目躍如といったところだ。
※3 セットアップが必要です。
オフィスの一員として社内全体の効率運用を目指すという視点では、標準搭載されたピークシフト制御ユーティリティが役立つ。電力需要がピークの時間帯は自動的にバッテリー駆動に切り替わり、夜間などそれ以外の時に充電する仕組みで、バッテリー残量が減れば自動的にAC駆動(充電はしない)を開始するため安心だ。
「信頼」。この2文字は、あらゆるビジネスにとってもっとも大切な原則だ。ミスのない仕事、確実な納期、クライアントの要望を100%採り入れた提案、個人情報や社外秘情報の厳重な管理。たったひとつの信頼が欠けただけで、ビジネスの価値は一瞬のうちに無に帰してしまう。ビジネスパーソンの相棒となるノートPCは「安心」でなくてはならない。PCが原因で業務に支障が出るような事態は絶対に避けなくてはならない。MX3は、この「信頼性」において、圧倒的なアドバンテージを備えている。
最大の魅力は「タフネスさ」だ。ノートPCをある程度使いこなすビジネスパーソンなら、「レッツノート=頑丈」の方程式は誰もが知っているはず。プレゼン先でPCが動かなくなり、集まったクライアントに低頭平身して詫びる。出張中にPCを落としてしまい全日程の成果が無駄になる。こんな失態はもう起こさせない。この1点だけでも、MX3を選択する意義は十二分だ。
頑丈さの秘密は、発泡材を含んだ新しいカーボン構造による軽量・強靭な複合素材と、ボンネット構造の最適化によって厚みをアップしたボディの採用。基板やドライブ、液晶などの主要部品はフローティングされ、圧力やねじれが主要部品に伝わりにくい設計となっている。
モバイルユースでは、タブレットを手から取り落としたり、机の上から床に落下させたりの事故が頻繁に起きる。満員電車を利用するなら、身動きが取れないほどの人混みに潰されそうになることもあるはずだ。MX3は、PCの故障に直結するこれらのシーンに対処すべく、一般的な机の高さである76cmからの落下試験や※4通勤ラッシュ時の混雑を想定した100kgf加圧振動試験※5、液晶の開け閉めを膨大な回数繰り返すヒンジ耐久試験などを実施し、圧倒的な耐久性と信頼性を実現している。
※4 パナソニック技術実験室にて。底面方向、動作時。タブレットスタイル時を除く。落下した場合は、点検(有償)に出してください。
※5 パナソニック技術実験室にて、非動作時。タブレットスタイル時を除く。天面と底面全体に均等に980N{100kgf}で圧迫した状態で振動実験を実施。
キーボートやタッチパッドなど入力デバイスの使いやすさも、ある意味信頼性向上のための大切な要素といえる。ミスが多い書類はビジネスの信頼性を大きく損ねるし、数字の入力ミスなどが重大な損失を招く可能性もあるからだ。MX3のキーボードは、コンパクトな筐体にもかかわらず19mmの横方向キーピッチを確保し、キーストロークもたっぷり2mm確保されているためキー入力がスムーズで確実。長文入力時の疲労が少ないため凡ミスが防げるし、キートップ左上と右下が丸くカットされ、ミスタッチを起こしにくいのも親切だ。
また、MX3のインターフェースや詳細についても、あらためて写真で紹介しておこう。
もちろん、情報漏洩の防止や個人情報保護といった、いまのビジネスにとって必須となるセキュリティ機能にも抜かりはない。起動制御やログイン制御、メモリーカードスロットの利用制限といった各種のセキュリティ機能を一括して管理できるセキュリティ設定ユーティリティの搭載で、常に最新・最強のセキュリティを保てる。
服装や持ち物を見れば、その人となりがわかる。上質なアイテムを着こなし使いこなす人は、生き方もまた上質だ。ビジネスパーソンも例外ではない。相手がどんなPCやビジネスギアを使っているか、どれだけスマートに確実に仕事をこなしてくれるかが、凡百のビジネスパーソンとデキるビジネスパーソンを如実に分ける。
MX3は、間違いなく「デキるビジネスパーソン」のためのギアだ。説得力、効率性、信頼性、ビジネスに要求される要素のすべてを高い次元で実現してくれる。タブレットでも仕事はできる。しかし……とは本記事の前段で投げかけた言葉だが、同様に、どんなノートPCでも仕事はできる。ただし、その仕事の価値は、選択したノートPCによって変わる。コスト削減要求が幅を利かせがちな昨今のビジネス環境だが、ノートPCの価格は「仕事の価値」「ビジネスパーソンの価値」そのものなのだと考えたい。少々割高と誤解されがちなMX3だが、本機はその価格以上のビジネス価値をもたらしてくれる。強力なライバルとの競合を勝ち抜いて成果をつかみ取りたいなら、MX3の高度なビジネスパフォーマンスは絶対の強みになることだろう。
【スペック表】
※PDFはこちら
(辻村多佳志)