イベントレポート

AMD、NAVIこと「Radeon RX 5000」シリーズGPUを7月出荷

~新設計のRDNAアーキテクチャ採用、GCN比で性能1.25倍/電力効率1.5倍に

AMDが公開したNAVI

 AMDは5月28日~6月1日まで台湾・台北市で開催されるCOMPUTEX TAIPEI 2019の「2019 COMPUTEX International Press Conference & CEO Keynote.」にて、同社CEO リサ・スー氏が登壇し、サーバー製品、グラフィックス製品、CPU製品の3製品に関しての説明を行なった。

 このなかでスー氏は同社が「NAVI」の開発コードネームで開発した、次世代GPUの詳細を明らかにした。NAVIは新GPUアーキテクチャ「RDNA」に基づいており、7nmプロセスルールで製造される。

新しいRDNAアーキテクチャを採用した「NAVI」、GCNに比べて性能は1.25倍、電力効率1.5倍

RDNAを発表するAMD CEO リサ・スー氏

 AMD CEO リサ・スー氏は、「2019年はRadeonにとって重要な年になる。すでにPC、ノートブック、ソニーやMicrosoftのゲームコンソールに、そしてGoogleのクラウドゲーミングもAMDのソリューションに基づいている。そして1月のCESでは世界初の7nmで製造されるGPUとなるRadeon VIIを発表し発売している。

 そしてこれから発表するNAVIは未来のゲーミングを作っていく製品となる。すでにソニーが次世代PlayStationにNAVIのセミカスタムを搭載することを明らかにしており、PC向けにも強力な製品を投入していく」と述べ、AMDにとってNAVIが非常に重要な製品になっていくと説明した。

Radeonはさまざまなプラットフォームで利用されている
現行のVega GPU
NAVI GPU
次世代のPlayStationに採用予定

 スー氏は、「NAVIの最大の特徴は、従来までの製品で採用されていた『GCN』ではない、完全に新しいアーキテクチャを採用していること、そしてPCI Express Gen 4に対応していることだ」と述べ、NAVIが完全に新しいアーキテクチャの製品になることを強調した。

NAVIの特徴
RDNA

 また、「われわれはRyzenでZenという完全に新しいアーキテクチャをゼロから設計した。それがコンピューティングの未来にとって重要だと考えている。NAVIもそれと同じように、完全に新しいアーキテクチャをゼロから設計した」と述べ、AMDがZenで成功したような新アーキテクチャの採用をGPUでも繰り返していくとした。

RDNAの特徴
GCNに比べての1.25倍の性能、1.5倍の電力効率

 NAVIで採用された新アーキテクチャの名前は「RDNA」で、“Radeon DNA”の略だという。RDNAでは、新設計のコンピュートユニット、マルチレベルのキャッシュ階層、ストリームラインドグラフィックスパイプラインなどの新しいアーキテクチャを採用する。

 その上でスー氏は、「従来世代に比較してクロック周波数あたりの性能は1.25倍になり、電力効率は1.5倍になっている」と述べ、GCNに比べて性能が向上し、かつ電力効率も向上していると述べた。

最初の製品はRadeon RX 5000シリーズ、7月から出荷開始、GeForce RTX 2070比で10%高性能

NAVIのダイを公開するリサ・スー氏

 NAVIの搭載製品は「Radeon RX 5000」シリーズという製品名になり、そのなかでもRadeon RX 5700シリーズを紹介。Radeon RX 5700シリーズとNVIDIAのGeForce RTX 2070を、Strange Bridgeというゲームのフレームレートで比較し、ほぼ同等から10%程度上回る性能を実現していると説明した。

NAVIのダイとパッケージ
GeForceとの比較

 Radeon RX 5700シリーズは7月に出荷予定で、6月10日(米国時間)にロサンゼルスで行なわれる「E3 2019」に合わせ開催予定のイベントで詳細が明らかにされる見込み。

Radeon RX 5700は7月に出荷予定
E3で詳細が明らかにされる予定