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東芝、1チップ1TBを実現したTSV技術採用フラッシュメモリ「BiCS FLASH」

 東芝は、世界で初めてTSV技術を用いた3bit/セル(TLC)の3次元フラッシュメモリ「BiCS FLASH」を試作し、6月より開発用に試作品の提供を開始したと発表した。サンプル出荷は2017年中を予定しているほか、8月7日~10日に米国サンタクララで開催される「Flash Memory Summit 2017」で展示する。

 TSVは、複数のチップの内部を垂直に貫通する電極を用いることで、データ入出力の高速化と低消費電力を実現するもの。2次元型NANDフラッシュメモリで既に適用実績がある。

 今回、48層積層プロセスを用いた3次元フラッシュメモリに適用することで、書き込みバンド幅の向上と消費電力の低減を実現し、ワイヤボンディング製品と比較して電力効率を2倍に向上。また、512Gbitのチップを1つのパッケージ内に16段積層することで、総容量1TBを実現した。

 今後は、アクセス遅延時間の低減や転送速度の高速化などにより、単位消費電力あたりの高いIOPSが必要なエンタープライズSSDやフラッシュストレージでの実用化を目指す。

 製品のパッケージはNAND Dual x8 BGA-152で、容量は512GB(8層)または1TB(16層)、フットプリントは14×18mm(幅×奥行き)、高さは512GBモデルが1.35mm、1TBモデルが1.85mm。インターフェイスはToggle DDRで、最大速度は1,066Mbps。