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前述のとおり、現在のところPentium
4をサポートしたチップセットは、Intelのi850しか存在していない。そのため、マザーボードのバリエーションは増えてきたと言っても、チップセットはすべて同じである。チップセットが同じで、CPUも同じ、メインメモリもDRDRAMしか利用できないとなると、PCメーカー各社はオリジナル性を打ち出すのに苦労することになる。そうなると、選択ポイントはビデオカードやストレージデバイス、ケース、そしてコストパフォーマンスといった部分に集約されることになる。
今回紹介したPentium 4 1.7GHz搭載マシンを見ると、価格が低く設定されている製品は、HDDの容量が小さかったり、ビデオカードに世代の古い製品が採用されていたりするものが多くなっている。それに対し、価格が高めに設定されている製品は、その多くが大容量HDDを採用していたり、CD-R/RWドライブやDVD-ROM・CD-R/RWコンボドライブを搭載したり、メインメモリ容量が多かったりと、優れるポイントが必ず存在する。 フェイスの「INSPIRE 4170G/RW」ではALL-IN-WONDER RADEONによるテレビ録画などが可能であるが、SSE2に対応しているビデオ編集ソフト「ユーリードシステムズ Ulead VideoStudio5」などを使用した場合には、すぐにでもPentium 4の能力を体感できることだろう。また、5月以降の登場が予定されているnVIDIAの最新ビデオチップ、GeForce3搭載ビデオカードを採用したマシンでは、1.7GHzのクロックはもちろんのこと、今後多くのSSE2に対応した3Dゲームが登場してくることを考えれば、そのパフォーマンスが最強のものとなるのは間違いない。こういった点も考慮に入れて、まずは自分の使用用途をしっかりと把握しておくことも、Pentium 4搭載マシンを購入する際には必要だ。 だたし、フロンティア神代の「GB-P17CDR」のように、OSなしモデルとはいえ、いきなり十分手の届く低価格なマシンも登場しており、今後長く付き合っていくためにも、エントリーモデルとしてPentium 4マシンを選択しておくのも悪くない。 ちなみに、デルコンピュータなど、直販大手メーカーからもPentium 4 1.7GHz搭載モデルが登場することになっているが、それらもやはり今回紹介したマシンと基本部分はほとんど変えようがない。BTOに対応しているマシンもあるが、メーカーによらず、性能と価格で比較して選択すればよいだろう。 ここまで述べてきたように、映像処理や音声処理を扱うアプリケーションを利用する場合に、今後Pentium 4マシンがメインの選択肢になるのは間違いない。また、動作クロックが上昇したことで、SSE2に対応していないアプリケーションでもPentium IIIやAMD Athlonに引け目を取ることはなくなっており、いずれにせよ、これからマシンを購入する場合には、今回紹介した1.7GHz搭載マシンも含め、Pentium 4搭載モデルを中心に考えても、選択に失敗することはないはずだ。 |
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