会場内は、肩から下げた鞄や袋がぶつかって謝り疲れるくらいに混雑している |
会場:Las Vegas Convention Center
Sands Expo and Convention Center
Las Vegas Hilton
COMDEX/Fall '99が開幕して2日目の16日(現地時間)、相変わらずラスベガスは快晴だ。Las Vegas Convention Center(LVCC)、Sands Expo and Convention Center(SECC)では開場と同時に多くの人が詰めかけた。
今回はLVCCとSECCの全体を見渡した、会場の概況をレポートする。
■目玉は一般公開されず
そもそも、COMDEX/Fallは展示会およびカンファレンスがメインなのだが、企業と世界中のメディアや顧客が顔を会わせる絶好の機会という側面もある。そのため、開催期間にあわせて、発表会を開催する企業も多い。さらに、発表会だけではなく、独自にメディアや特定の顧客向けに新製品を見せたり、今後の取り組みについて説明会を催すこともある。
今回では、3dfxがVoodoo4/Voodoo5などをSECC近くのベネチアンホテルで発表したのがそれにあたる。発表会では実際にカードを動作させてその性能を体感できるようになっていたが、展示会場のブースやミーテイングルームでは、それらのカードを見ることすらできなかった。そういった意味では、せっかくCOMDEX/Fallに足を運んだ一般の参加者が情報を得る手段としては、同社のWebサイトやニュースサイトを見るしかない。
3dfxの発表会では、実際にVoodoo4/Voodoo5の威力を試すことができた |
Kaplan Career Faireの一角に3dfxの資料がおかれているものの、係員が1人いるだけ。おかれている資料も、Vodoo3 3500 TV AGPなど発売済みのものだけだった | 行った時間が遅かったためか、ミーテイングルームには誰もおらず、張り紙だけが残っていた |
VIA-Cyrixブースには、新しいロードマップは公開されていなかった |
Rambusのブースでは、先週発表になったメルコの製品を含め、各社のRIMMが展示されている | |
実際にRIMMを搭載したマシンを用意して、その速さをアピールしていた |
上記のようにCOMDEX/Fallシーズンを利用して、個別に発表会や展示会を行なう企業は多い。企業にとっては、数多くの一般入場者を相手にするよりは、その人たちの情報入手元であるメディアや、資金源である投資家、お得意さまにお披露目する方が、効率がいいという判断だろう。
しかし、一般の入場者にしてみれば、せっかく展示会に来たのになんだか拍子抜けの感じがあることも確か。そのため、会場内では、これだという大きな流れを感じられるような出展は少なく、どちらかという小粒なものが多かった。
■ブースの広さはMSが、ステージの派手さはナショセミが、観客数ならPalmが1番
米国では9月に発売されたばかりのDreamcastを使ったゲーム大会も行なわれていた |
このように展示では新味が少ないCOMDEX/Fall '99で、巨大な場所を占めているのはやはり今年もMicrosoftだ。同社単独のブースも他の企業に比べると大きい上、「Partner Pavilion」として同社の協力企業が多数展示を行なっている。さらに「Windows 2000 HANDS-ON PAVILION」も設けており、全部を足すとかなりの面積になる。
展示内容はやはりWindows 2000がメインとなっているが、今回とくに新しい情報が加わったということはなかった。それでも、単独のブースで行なっている「Windows 2000」や「Office 2000」のプレゼンテーションは立ち見がでるほどの盛況で、Windows 2000 HANDS-ON PAVILIONで行なっているWindows 2000のセミナーも満員となっており、米国でもWindows 2000への関心が高いことがうかがえる。
Windows 2000とOiffce 2000のプレゼンテーションには、立ち見がでるほどの盛況 | |
Partner Pavilionには数多くの企業が参加。専用の検索用PCが用意されるほどだ |
Windows 2000 HANDS-ON PAVILIONには、発表されたばかりのコンパックのiPAQが展示されていたのが目を引いた | Windows 2000 HANDS-ON PAVILIONのゲート。展示内容自体はサーバーなどが多いため人影はまばら | しかし、セミナーには開始を待つ列ができていた |
ステージの派手さでは負けていないのがNational Semiconductor。情報家電向けの機能を1チップにした「Geode」をアピールするため、そのチップを搭載した自社のコンセプトモデルのWebPADや、各社のインターネット端末など一同に会して展示している。
しかし、観客のお目当ては「THE DEVICE GIRLS」だ。このTHE DEVICE GIRLSの4人が、ブース内の一段高くなったステージ上でNational Semiconductorと、その製品の有用性を織り込んだ歌を唄い、踊る。日本のイベントと異なりこういって派手な演出がめずらしいCOMDEX/Fallでは、その場所だけ違った空気が流れていた。
このステージは定期的に行なわれているのだが、ショーが始まると観客がどんどん集まり(主に男性だが……)、人気の高さ(?)を見せつけた。
去年もあった、中に人が入ったしゃべる看板 | その看板にはTHE DEVICE GIRLSのポスターが貼られている |
ステージが始まると、毎回黒山の人だかりができた | |
もちろん、Geodeを搭載した端末を多数展示していた |
また、人の集まり具合でいうなら、3ComのPalmブースも負けてはいない。ブース全体も混み合っているが、一角に設けられたステージでプレゼンテーションが始まると、他のブースに迷惑をかけんばかりの黒山の人だかりとなっていた。
■USBは安定期へ
LVCCにはUSB製品を集めた「USB Pavilion」が設けられている。しかし、展示されているものはポートリプリケータや、USBコントローラチップなどあまり注目するものがなかった。USB製品はすでに、かなりの製品が市場に出回っており、すでに特別なものでなくなった証拠ともいえる。また、10月12日に仕様書ドラフトが発表されたUSB 2.0については、KAWASAKI LSIが開発表明を出している程度にとどまった。
USB Pavilion。USB製品が集められている。部品レベルの製品も展示されている | KAWASAKI LSIがUSB 2.0製品の開発表明をしている |
そんなUSB Pavilionの中で、もっとも目を引いたのはUSBで操作できるロボットアームだ。といっても、「USBコントロールのロボットアーム」が商品というわけではなく、USB-16ビットパラレル変換ボード「ActiveWire USB」に、ドータボードとしてモータコントローラを接続。そのデモストレーションのために、エレキットのロボットアームを接続しただけだ。ちなみに、価格はActiveWire USBが59ドル、モータコントローラ49~59ドル程度とのことだ。
USBロボットアーム。といっても、ロボットアームではなく、あくまでコントローラボードがメイン |
□ロボットアーム(エレキット)
http://www.elekit.co.jp/Catalogue/japanese/MR/index.html#999
□COMDEX/Fall '99のホームページ(英文)
http://www.zdevents.com/comdex/fall99/
□関連記事
【11月17日】COMDEX/Fall '99 レポートインデックス
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/991117/comdex_i.htm
('99年11月17日)
[Reported by furukawa@impress.co.jp]