会場:Las Vegas Convention Center
Sands Expo and Convention Center
Las Vegas Hilton
■面白い弁護士ネタのジョークは?
ステージに登場したゲイツ氏は、開口一番に「最近、面白い弁護士ネタのジョークを聞かなかったかい?」と語り、会場を大きく沸かせた。同氏は、「この(コンピュータ)業界は、次々に新たな企業、新たな製品を生み出してきた。全米中で、多数の起業家が自宅のガレージで働いているなか、弁護士は(高層ビルの)20階のオフィスで働いている。このどちらも、懸命に働いているのだ」と語り、同社が反トラスト法違反で米司法省(DOJ)から訴えられている訴訟を皮肉った。最近、この訴訟でMicrosoftがモノポリーだという事実認定が下されたことに関して、同氏は電子メールや手紙で支えてくれた多数の人々に対して感謝の意を表し、「人々は、我々がコンシューマに利益を与えていると考えている。(事実認定を受けたことで)Windowsの開発を抑えるのではなく、さらに革新を続けるべきだ」と強く主張した。
■「パーソナル・コンピュータ」から「パーソナルWeb」へ
ゲイツ氏と投資家のWarren Buffet氏が法廷で争うシーン |
左の写真だけではマイク・マイヤーズ役を誰がやっているかはイマイチわかりにくいが、右の写真を見るとビル・ゲイツが担当していることがわかる |
■Personal Webのカギを握るXML
それでは、Personal Webとは一体何なのだろうか? ゲイツ氏は「コンピュータが、ユーザーの行為をすべて記録することで、インターネットを使用しやすくする。たとえばあるWebサイトで本を買った場合、コンピュータが購入履歴を記憶しているので、次にそのWebサイトに戻るのが簡単になる」と説明する。そして、Personal Webを実現するために必要不可欠な要素が、XMLだという。
ゲイツ氏は「将来、XMLが標準になれば、これを使ってPersonal Webが実現する。現在、人々は様々なサービスを使いたいが、たとえば違うECサイトで買い物をすると、同じ情報を何度も入力しなければならない。これは、インターネットの大きな問題だ。ユーザーは、ファイル、連絡リストなどの個人情報をひとつのサイトから他のデバイスへ物理的に転送したり、再入力したりする必要はない。あなたのPersonal Webサービスが、これらのことをすべてやってくれるのだ。TV、携帯電話、セットトップボックス、自動車でも自動的に自分の情報が得られる。また、ユーザーがどのような情報を送ればいいかを管理できる」と語る。
現在、既存の言語拡張だけでなく新しい言語拡張やXML向けに構築された新たな言語を含んだ多数のツールが登場している。XMLに対するMicrosoftのイニシアチブが、BizTalkであるとするゲイツ氏は「これにより、特定のコンピュータ言語やアプリケーションに限定されることなしに、異なるWebサイトが、情報を作成したり交換するなど、ひとつのビジネスプロセスに簡単に参加できるようになる」と語る。
■Windows 2000のスケーラビリティをデモ
ゲイツ氏はまた、来年2月に発売される予定の「Windows 2000」を紹介、「我々は3年間もの歳月を費やして、ユーザーが最も求めている機能を最優先させた。これらは、リライアブルで、管理がしやすく、インターネットに簡単に接続できるというものだ。ラップトップでNTが実現できる」と語った。また、Windows 2000は「ビッグボックス」モデルに匹敵するスケーラビリティを持つと語った。
スケーラビリティを示すため、同氏は自動車メーカー、FordのWebサイトから自動車をオンライン購入するデモを行なった。このWebサイトでは、自動車のモデル、色、カーステレオやシートなどを細かく設定することができる他、最寄りのFordディーラーのデータも提供しているので、自分の欲しい車の在庫の有無をリアルタイムで確認できる。このサイトでは、毎日2万人のユーザー、同時に5億件のヒット数に対応することができる。また、ネットワークロードバランス調整と、アドオン製品の「Application Center」が提供するアドオン管理機能のデモも行なった。
■「Myjourney.com」と「Web Companion」を披露
会場を埋め尽くした聴講者 |
ゲイツ氏は講演の終わり近くに、大きなトレンドとなっているASP市場での同社の取り組みをアピールするかのように、「Office Online」のデモを行なった。これは、自分のIDとパスワードを入力するだけで、オフィスのPCからでも、ラップトップやPDAからでもOfficeアプリケーションにアクセスでき、しかも自分の作業プロセスをそのまま続行できるというもの。「コードは、PC上でも、インターネットデバイス上でも、PCサーバー上でも、サービスとして走らせることができる」と語った。
□Microsoftのホームページ(英文)
http://www.microsoft.com/
□ニュースリリース(英文)
http://www.microsoft.com/misc/features/comdex99_billg.htm
□COMDEX/Fall '99のホームページ(英文)
http://www.zdevents.com/comdex/fall99/
□関連記事
【11月15日】COMDEX/Fall '99開幕前日レポート~ 着々と準備が進む展示会場 ~
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/991115/comdex01.htm
('99年11月15日)
[Reported by HIROKO NAGANO,NV]