第38回エレクトロニクスショー '99のプロダクツゾーンでは、各社ともDVD-RAMやDVD-Rを使ったレコーダーを参考出品した。しかし、いずれもデジタル入力端子は備えずBS/CSチューナーを内蔵したり、アナログ入力を設けるだけにとどまっている。
●松下電器産業
松下電器産業は、容量4.7GBと9.4GBのDVD-RAMドライブを参考出品。従来の2.6GB DVD-RAMは、DVD-RAMとPDで別のピックアップを使用していたが、4.7GBメディアは2.6GBメディアとも異なるピックアップを使用するため、PD用のピックアップを外して、2.6GB/4.7GB両対応にしたという。このため、PDの読み書きには対応しない。
また、4.7GB/9.4GBのDVD-RAMを利用し、「ビデオレコーディング規格」に準拠したDVD-RAMレコーダーを参考出品した。BSチューナーを内蔵するほか、アナログ入力を備え、リアルタイムにMPEG-2圧縮を行ないながら、DVD-RAMメディアに書き込む事ができる。入力ソースは、BSチューナーか外部アナログ入力のため、音声はドルビーデジタル形式で記録されるものの、2チャンネルのみの対応となる。書き込み速度は従来製品の2倍程度としている。
DVDレコーダー(左)と背面(右) |
同社はNTT DoCoMoのiモードに対応したDVDナビ「CN-DV2520IXD」(11月発売、26万円)と、DVD-Audioが再生可能なDVDカーナビ「CQ-DVR9009D」(12月下旬発売、166,000円)も展示。CN-DV2520IXDは、iモードで受信したメールなどを接続した液晶ディスプレイに表示できるという。なお、同社ではCN-DV2520IXD対応iモード端末を2000年4月に発売するという。CQ-DVR9009Dは、DVD-Video/DVD-Audio、VideoCDに対応し、192kHz2ch/96kHz6ch再生ができる。
CN-DV2520IXD iモードに対応し、受信したメールを液晶ディスプレイで見ることができる |
CQ-DVR9009D DVD-Videoに加えDVD-Audioの再生にも対応する |
5インチDVD-RAMと3.5インチDVD-RAM | 同社が開発した1チップMPEG-2エンコーダチップ。チップサイズは世界最小としている |
日立製DVD-RAMドライブ | 3.5インチDVD-RAMメディアと1チップMPEG-2エンコーダを内蔵したDVDビデオカメラ。同時に分解モデルも展示された |
また、日立も5インチDVD-RAMを採用し、ビデオレコーディング規格に準拠したDVDレコーダーと、3.5インチのメディアを含むDVD-RAM再生機能を持つDVD-Videoプレーヤーを参考出品。共に価格は未定だが、2000年以降の発売を予定しているという。
左は完全なモックアップで、実際に動作していたDVDレコーダーは右側。液晶パネルもなくボタンもシンプルで、いかにも試作品という雰囲気だ | DVD-RAMメディアの再生に対応したDVDプレーヤー。5インチに加え、3.5インチメディアにも対応するという |
●パイオニア
パイオニアは、DVD-RWメディアを使用したDVDレコーダーを参考出品。他社がアクリル越しの展示や、係員に許可を貰ってからでないと実機に触れられなかったのに対し、パイオニアは、5~6台のレコーダーを展示し、来場者は自由に触ることができる。DVD-RAM陣営と同じく、入力はアナログのみでデジタル端子は備えない。録画時間は標準モードで2時間、マニュアルモードでビットレートを1.7Mbps~10.08Mbpsまで32段間に切り替え可能で、最大6時間録画できる。また、単体で編集機能を持ち、映像を見ながら部分的な消去やコピー、移動ができる。
価格は20万円~25万円で、12月末の発売を予定しているという。
また、電子デバイスゾーンでは、片面2層で27.4GBの容量を持つ高密度DVDを参考出品した。405nmの波長を持つ青紫色レーザーを使用し、最大転送レート32.24Mbpsに対応する。
●ソニー
ソニーは、電子デバイスゾーンでDVD+RWドライブを参考出品した。DVD-RAM/DVD-Rとは異なり、容量は片面3GBで、MPEG-2で最大102分記録できるという。インターフェイスにはSCSI-2が採用されている。
●シャープ
シャープもDVD-RAMを採用したDVDレコーダーを参考出品。やはりデジタル入力端子は備えず、デジタルBSチューナーをアナログ入力を持つ。なお、展示パネルには、RWディスクと書かれているが、使用するメディアはDVD-RAM。DVD-RAMエンジンは他社からOEM供給を受けているという。
●ビクター
ビクターは、DVD Audio/Video両対応プレーヤーを参考出品。24bit192kHzのサンプリングレートに対応する。価格は30万円~40万円で、年内発売の予定という。
デジタル記録メディアとしては、11月上旬に発売するD-VHSデッキ「HM-DR10000」(198,000円)を展示。新たにLS-3モードを搭載し、最大24時間の連続録画ができる。また、i.Link端子も備え、DVから直接デジタルでダビングできる。
□エレクトロニクスショー '99のホームページ
http://jes99.jesa.or.jp/
('99年10月5日)
[Reported by taira@impress.co.jp]