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NEC、日英通訳ソフトを開発、2000年には製品化

デモ画面
デモ画面
左に英訳、右に日本語訳が表示される
'99年9月21日 発表

 日本電気株式会社(NEC)は、日英、英日翻訳 ソフトの開発を発表した。音声認識、翻訳、音声合成を統合したソフトで、ノートPC上でも使用可能。日本語話者と英語話者の間の会話を、翻訳し、音声にして出力する。2000年中には製品化の予定という。

 翻訳方式に、同社独自の、翻訳方法と処理方法を単語個別に記述した「語彙規則型文法」を開発し、それに基づき会話や利用場面表現の辞書、文法を構築したという。日本語に多い主語の省略など会話表現も自然に翻訳できる。語彙数は日本語5万語、英語1万語となっており、日常会話に必要な語彙はほぼすべてカバーしている。
 従来の翻訳システムでは、ボキャブラリが数千語に限定されていたり、使用前に特定の状況を選択する必要があったが、今回のソフトでは音声を入力するだけで、状況を判断し、通訳を開始するという。

NEC
デモ、二人の話者がマイクを持って音声入力している
NEC
レストランでの注文を想定したデモ、パエリアとワインを注文している。

 会場では、レストランでのオーダー場面などを想定したデモが行なわれたが、誤認は一度もなく、認識制度の高さがうかがえた。
 なお、デモ時には話者が一人一人、マイクを持って入力していたが、製品時には一本のマイクで入力できるようになるとのこと。また、会場では雑音対策として、入力用のマイクのほか、別のマイクで会場の音を拾い、その音をマイクで入力した音と相殺し雑音を消すという手法を取っていた。

 プログラムのサイズは、翻訳エンジンが数MBで、辞書や音声認識、音声合成などをあわせて、数百MBになるという。また、デモ用に用意されたノートPCは、Pentium II 400MHz、メモリ192MBと、かなり高スペックなものだったが、リアルタイムで通訳するにはこれぐらいのスペックが必要とのこと。ただし、機能を削り、よりコンパクトなCE版などの開発も考えているという。またPC用の通訳ソフトとしてだけでなく、携帯通訳機としての製品化も考えているという。

 方言への対応は、日本語ではアクセントの違いや、簡単な関西弁の一部などには対応できるが、英語はAmerican Englishを基本に作られており、British Englishなどへの対応は難しく「ほとんど別の言語と考えている」とのこと。

□NECのホームページ
http://www.nec.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.nec.co.jp/japanese/today/newsrel/9909/2103.html

('99年9月21日)

[Reported by usuda@impress.co.jp]


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