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東京ゲームショウ '99秋 レポート

TGS会場レポ:次世代機を体感できる!
SCEが「プレイステーション2」を大量展示

会場写真

会場:幕張メッセ Hall 1~8

開催期間:9月17日~19日(17日は特別招待日)

 ゲームメーカーで構成している「社団法人コンピュータエンターテイメントソフトウェア協会」(CESA)が毎年2回、春と秋に企画、開催しているゲーム関連の展示会「東京ゲームショウ '99秋」が9月17日から幕張メッセで開幕した。初日の17日は特別招待日で、2日目の18日から一般へ公開される。今回はプレイステーション2の一般公開、「ドラゴンクエスト7」ついに登場、ワンダースワンの多方向への展開など楽しみな展示が目白押しだ。


●すべての来場者がプレイステーション2に釘付け! 混雑で人があふれ出すSCEブース

 今回の東京ゲームショウ一番の話題は誰が何といおうとプレイステーション2の一般公開だろう。13日に行なわれたデベロッパ各社や記者会見もごく限られた人へのお披露目で、TVや雑誌で写真を見ていてもピンとこない。やはり自分の目で確かめたときのインパクトは違う。

展示されていたプレイステーション2。電源ボタンの電気がついているだけでなく配線もそれらしくされているため、実際に稼働している物もあるようだ 本体正面左。縦置きにしたら下になる、端子やメモリカードなどインターフェイスが集まっているところ 本体裏面。特になにもないが、上の方にポチッとボタンがある。これがPCカードスロット部だ。裏にあるのは通信で使うだけで、つけっぱなしを想定しているのか?
互換性デモンストレーション。何でコントローラだけが出ているのかと触っていると、上のモニター内のゲームが反応していた グランツーリスモ2000のデモ。太陽光などの表現はすばらしいが、まだ雲が描き込まれていない。その下には実機があるが…… 同時に参考出品されていた現行プレイステーション……だが色が違い、表記によればミッドナイトブルーバージョンとなっている。10ミリオンの記念と書かれているがこれから商品展開されることはないのだろうか?

 そんな想いの人で溢れかえったのがソニー・コンピュータエンタテインメント(以下SCE)のブースだ。この東京ゲームショウで一番大きなブース面積をとり、大々的にプロモーション展開をはかっている。ブースは全体的に若干暗めに設定されており、黒とブルーというプレイステーション2のカラーリングに似せた雰囲気だ。
 中央では巨大なステージが設置され、スクリーン上ではハードウェアのスペックや、ソフトウェアのムービーをひっきりなしに流している。その両端とブース横には、プレイステーション2本体、プレイステーション2開発ツール、DVDを使った媒体とパッケージ(グランツーリスモ2000)、コントローラなどが展示されている。これらはクルクルとまわる台座に乗せられており、マシン全体を見ることができる。
 マシンの横には2つの特別展示物がある。1つはDVD-Videoの再生機能の実演。もう1つは現行ソフトとのコンパチビリティを示すため、「みんなのゴルフ2」をプレイステーション2でプレイできるという展示。こちらは実際に来場者が触れ(コントローラだけだが)、遊ぶこともできる。

 ステージを挟んでその反対側には現在開発中のソフトがずらりと並んでいる。それもナムコの「鉄拳 TAG TOURNAMENT(仮)」、SCEの「グランツーリスモ2000(仮)」などが実際に遊べるほか、スクウェアの「ザ・バウンサー(仮)」もテクニカルデモとしていくぶん操作することができる(キャラクターが自動で動いているところを拡大縮小、カメラアングルの変更などを操作できる)。このほかにもアートディンクの「A列車で行こう6」などが展示されていた。これらの多くはプレイステーション2開発ツール上で動作していたが、グランツーリスモ2000など一部ソフトは実機で動作しているようにも見えた(というのは、ゲームの下に実機がおかれていたからで、配線などは確認できなかった)。

 とにかく、SCEのブースの混雑ぶりは尋常ではなく、開幕当初からその勢いは止まることはない。“足の踏み場もない”とはまさにこのこと。開発中のゲームを遊ぶことは不可能と思えるほどで、この混雑は明日になればいっそうひどくなるだろう。それでもプレイステーション2の衝撃的な映像をその目で確かめるために、ぜひ1度はブースに足を運んでほしい。


● 久夛良木健SCE社長の講演も大盛況

会場写真
ジェスチャーを交えながらこれからの展開を語る久夛良木代表取締役社長
 東京ゲームショウは基本的にはトレードショウではなくコンシューマユーザーを対象としたイベントであるため、基調講演などは行なわれない。ただし今回はプレイステーション2の発表ということもあってかイベントステージで“特別講演”が開催された。もちろん講演者はSCEの久夛良木代表取締役社長で、題目は「次世代コンピュータエンタテインメント」だ。

 スライドなどを提示しながら、次世代ゲームの骨子を熱く語ったが、その要旨としては「映画や音楽とゲームの融合」であり、映画などの他業種からアイディアを持ったクリエイターが入ることで、ゲームはより活性化するというものだ。そのクリエイターが「スターウォーズ」のジョージ・ルーカスであり、スティーブン・スピルバーグなのだという。
 また、そのユーザー層の変化にも触れた。「これまでは若い男の子がユーザーターゲットだったが、(プレイステーションのユーザーデータを見ると)年代の広がり、そしてなにより女性が増えた。それは国境や文化、性別などを越えた新しいソフトが登場したからだ」とし、「我々はこれからもそういったソフトを作るクリエイターを支援していく」と発言。

 このほかプレイステーション2の仕様に関して触れたが、すでに発表済みの内容なので、それほど深くは述べられなかった。ただ、その中で、メモリカードについては色々とユーザーの不満が耳に届いていたようで、改善点を強調。「速く、大容量になったことで簡単なパラメータ以上のものを記録することができるようになった。そして、ユーザーのデータが大切ということを考えて、セキュリティを強化した」ただそのことにより現行プレイステーションでは使えなくなってしまったことについては「許してほしい」と頭を下げた。

 また、プレイステーション2開発ツールについては、「これまでの開発ツールはプレイステーションのボードと、アプリケーション、ライブラリで提供してきたが、プレイステーション2になり現行のPCの性能を追い越してしまった。このため専用のワークステーションとして開発ツールを提供することにした」と語り「プレイステーション2はこれから4年から5年間はこの仕様で変わりないが、開発ツールは違う。年々パワーアップしたものをクリエイターに提供していく。2000年にはプレイステーション2の10倍、2002年には100倍の性能を持った開発ツールを順次投入するつもりだ。ここまでくれば、映画とゲームの制作が融合するときがくるだろう」と衝撃的な製品計画を発表した。


●会場のあちこちでプレイステーション2を体験!

 SCEのブースだけでなく会場のあちらこちらでプレイステーション2対応の新作ソフトを遊ぶことができる。

 たとえばエレクトロニック・アーツ・スクウェアのブース。「XFIRE(クロスファイア)」というアクションゲームを出展しているが、ここに試遊台が3台ほど用意されている。また、イマジニアのブースではたった1台だが「ワイルド ワイルド レーシング」というバギーもののレースゲームがおかれている。また、コーエーもプレイステーション2の初期タイトルとしては唯一のDVD-ROMになると言われている「決戦」を出展している。動きのあるシミュレーションゲームなので、体験したい方はぜひどうぞ。あと、SCEブースの目の前にはコナミのブースがあり、ドラムマニアが体験できる。

イマジニアのブース。通路側にデーンと大きく「ワイルド ワイルド レーシング」がディスプレイされている エレクトロニック・アーツ・スクウェアのブース。アクションゲームとして期待が高い

 このほかにもムービーを流しているところはタイトー(電車でGO!の次回作)を始めいくつかあるが、その中でももっとも集客力が高かったのがナムコだ。なにせ、通路が通れなくなってしまうほどの混雑。というのも、プレイステーション2用の「リッジレーサー」のムービーを流しているからだ。これがなかなか長時間流されており、たっぷり楽しめる。プレイステーション2には「グランツーリスモ2000」もタイトルラインナップにあがっているだけに、どれほどのクオリティを実現できるかが楽しみだ。

とにかく人、人、人のナムコのプレイステーション2コーナー。ムービーだけなのに常に人で溢れている。それだけナムコへの期待が高いということか コーエーの「決戦」。なかなかの期待作で注目度も上々

□CESAのページ
http://www.cesa.or.jp/
□東京ゲームショウ '99秋のページ
http://www.cesa.or.jp/cesa/tgs/index.html
□ソニー・コンピュータエンタテインメントのページ
http://www.scei.co.jp/
□関連記事
【9月13日】「プレイステーション2」DVD-Videoも再生できて39,800円
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990913/ps2.htm

('99年9月17日)

[Reported by funatsu@impress.co.jp/tanigawa]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp