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レーザー5、Laser5 Linuxの詳細を発表

'99年9月17日 発売

標準価格:
サポートあり有償版 12,800円
サポートなし有償版 6,800円


 株式会社レーザーファイブは、自社ブランドのLinuxディストリビューション「LASER5 Linux 6.0」の詳細を発表した。LASER5 Linux 6.0は、株式会社五橋研究所によりRed Hat Linux 6.0日本語版として開発が進められていたもので、米Red Hatとの契約打ち切りに伴い、五橋研究所のディストリビューション部門として独立したレーザーファイブの自社ブランドで発売される。

 出荷は9月17日。有償バージョンはサポート付きが12,800円、サポートなしが6,800円。雑誌付録などの収録用に商用ソフトを除いた無償バージョンも用意される。既存ユーザーのアップグレードは4,000円から6,000円の見込み。また、Alpha版も10月上旬に予定されている。

 LASER5 Linux 6.0は、Red Hat Linux 6.0をベースに、日本語処理機能を拡張したもので、99%コンパチブルでさらに機能が上回る“スーパークローン”としている。対応機種は486以上のPC/AT互換機。日本語環境用にATOK12 SE for Linux、Wnn 6.0 Ver.3.0 for Linux、一太郎 Arkなどのアプリケーションと日本語フォントが収録され、IMEの切り替えもGUI操作で可能。

 システムはKernel 2.2.5、Glibc 2.1.1、Xfree86 3.3.3.1-XTT、GNOME 1.0.11、KDE1.1.1などで構成され、Kernel 2.2.11などの最新版を収録したコントリビューションCDも同梱される。パッケージはCD-ROM6枚、FD2枚、日本語マニュアル9冊などを含む。

 また記者発表会では、窪田代表取締役よりRed Hatとの契約破棄に至る経緯が説明された。「Linux Worldで来日した際に、日本市場の活況ぶりが認識されたことや、海外市場の担当者が変わったことなどから、Red Hatの海外戦略が自分自身でやりたいという方向に変わった。当社としても、ダブルバイトの対応などをめぐって不満もあり、今回のような形となった」と述べた。また、「各国の情勢でもすべてRed Hatという状態から、その国の事情に合ったディストリビューションへと流れが変わり始めている」とし、ドイツのSuSE、ブラジルのConectivaなどの例が紹介された。

 「オープンソースがベースなので、Red Hatが持っているのは赤い帽子のキャラクターと“redhat”のロゴの権利だけだ。キティちゃんではないのでキャラクターだけでは売れない」と述べる一方で、「Red Hatは技術的な基盤はしっかりしており、自社で開発した技術についてもオープンソースとして公開する姿勢がよい」と評価するなど、別れたばかりのパートナーに対する複雑な感情が発言にも感じられた。

 今後の展開については「PC/AT技術に対するCompaqのように、ベースに留まることなく、独自に発展させるスーパークローンを目指したい。すでにサーバーエディションなどでは独自の技術を盛り込んでおり、オリジナルに比べて、インストールが容易になっている」と述べた。

 昨日発表された「Red Hat Linux 6.0 日本語版」については、「どのように開発するのかわからないし、発売日も明らかになっていない。やろうと思えばオープンソースなウチの製品をベースにして作ることもできるだろうが、その場合2、3カ月の遅れはでるので怖くない」とした。また、日本IBMなどIT系メーカーとの提携については「まだ煮詰まっていない状態なので、これからお願いにあがる」と述べるに留まった。

□レーザーファイブのホームページ
http://www.cdrom.co.jp/~redhat/
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('99年9月1日)

[Reported by date@impress.co.jp]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp