絶対に紹介していきたい!!
|
パイオニア カロッツェリア AVIC-D9000 19万8000円。8.5GB2層DVD搭載、VICS/D-GPS/FM文字多重放送用FM多重チューナー搭載でPCカードスロットも装備。別売りキットでDVDビデオにも対応する。DVDカーナビは価格的にはまだ高めだが、機能を考えればナットクか? |
で、モノはパイオニアはカロッツェリアのDVDナビゲーションシステム、カーコンピュータAVIC-D9000である。
これまで俺は、同社の同シリーズDVDナビを新機種が登場するごとに買い、結果的に2台(AVIC-D909とAVIC-D919)連続して使ってきた。まあ2台連続して同社の同シリーズを使うってからには、ソレが非常に良かったということなのだが、その一方でほんの少し不満もあった。かいつまんで言えば、過去の2台については、スクロールやメニュー表示などのレスポンスが少々遅いこと、それから本体サイズがデカいことが、不満だった。がっ!! 今度の最新型はその2点が完全に解消されているうえに!! 各機能がグググッとブラッシュアップされている!! と、パイオニアの発表会の時に感じた。こりゃ良さそうだ、いやこりゃイイに違いない、そう思った。
で、案の定俺の物欲は爆発寸前まで肥大したかと思ったらどぐわ~んと爆発したと思ったらその直後の記憶を消失していて気づいたらD9000が机上に置いてあるどころか既に俺のクルマに取り付けられていたのだった!! 「のだった!! 」じゃねえよやっぱ結局ゲットして自分で9時間もかけて取り付けてたじゃねえかよ真夜中の駐車場でよォ>俺。そうなんです>わし。だったら手短にそう書けってんだよ>拙者。はい>まろ。ていうかひとり突っ込みは虚しいと思った。
ともかく、それから早1カ月半、約2,000kmをD9000とともに走り、その性能の高さを確信しまくった。と同時に、ここにきてD9000をよりおもしろくするハードウェアやソフトウェアが揃ってきたので、やっぱコレ絶対PC Watchでも紹介しよ~っと、と思ったのである。
まず、サイバーナビのD9000は、俺がこれまで使ったり触れたりした中で最も高い自車位置表示精度を実現しているということ。まあ俺はカーナビについてはあんまし多数いじってないのだが、それでもD9000を除いて合計7台のカーナビを使った。そのうち自分で所有したカーナビは5台で、残りの2台は1日程度仕事で使った程度だけど、店頭でいじくり倒したのを入れれば何台使ったことか……ってそういうコトではなく、ともかく、そんな感じでカーナビに接してきた俺は、D9000を「すっげぇ精度高いぜぇ~」と思ったのだ。
この精度の高さは、例えば前後左右の振れに加えて上下の振れも検出する新型3Dハイブリッドセンサー(Gセンサーですな)や、GPSとD-GPS、光ビーコン受信器(ビーコン位置補正)、それから道の高度差等まで考慮に入れたマップマッチングなど、いろいろな自車位置認識テクノロジーを凝縮させたモンなのダ~みたいなコトがパイオニアのカタログには書いてあるわけだが、そーゆー蘊蓄を抜きにして、ただボーッとしたひとりのユーザーとして、驚くほどの自車位置表示精度を出している感じがする。交差点の停止線で止まれば矢印の先端(自車位置)がしっかり交差点の最前列に来るし、ウチの反対側の空き地に止まれば矢印マークと俺んちマークが道路をはさんでキッチリ並ぶし、地元民でさえ迷うと言われている茶畑内農道をクネクネ走り回ってもこの矢印マークはビシッと俺のドライビングに追従してくる。夜になってもまだなお明るい大都会を走っても、夜になったら真の闇っつーモンを体験できる僻地を走っていても、たいていピタリと自分のいる位置を画面上に表示している。
もっと現実的なコトを言えば、螺旋状の通路を上っていくような立体駐車場(GPSは使用不能)に入っても、ほとんど自車の向いている方向を失わないし、マップ上でもしっかり自車位置をキープしている。GPS衛星からの電波が遮られるような、例えば都内のビルの谷間でも、やっぱり自車位置を正確に保持する。何かの拍子でたまには自車位置がズレたりすることが希にあるのだが、それでも500mと走らないうちに、再度正確な自車位置を表示するから大したモンだ。実際、これまで約2,000km、D9000を使って走ってきたのだが、一般のカーナビにありがちな「ナンだよこのナビ嘘つきやがって今走ってんのは一本横の道だってんだよ」とか「あ~も~全然違う方向走って……あっ川の中横切っ……ゲゲッ山を登っていくのかコイツは~」みたいなトンチンカンなナビゲーションはほぼない。また、旧型のAVIC-D909やD919で指摘されがちだった、自車位置マークが実際の位置より後ろにあるいわゆる“遅走り”もない。凄い精度としか言いようがない正確さが出ている。
それから、旧機種と比べるとまったく別物のような感じで、非常にスムーズでクイックに動く。例えばマップのスクロールは微妙な位置指定もスピーディーなスクロールも快適。リモコンを押した瞬間スクロールが始まり、リモコンを離せばピタリと止まる。スケールのアップダウンも快適なので、目とリモコンを使って目的地を探していくような使い方でもストレスを感じない。同時に、メニュー表示や画面の切替などもクイック。そう言えば起動もクイックになった。それから6条件のルート同時検索するルート検索や、走行中のリルート(ルートを引き直す処理)などもクイック。なので、かなり使っているのだが、これまで速度的なイライラを感じたことはない。
あと、細かい点を挙げれば、良くなった部分はまだまだたくさんあるのだが、まあそれは旧型と比べてブラッシュアップされているという感じなので、初見の人にはピンとこない内容が多い。ともあれ、前の機種でも十分便利でナイスでグレートだったナビが、最新型になって一皮むけて生まれ変わった感じだ。シリーズ3世代目ということもあり、トータルバランスにも非常に優れている。興味のある方は、ぜひショップなどで一度触れてみていただきたい。
このコンセプトは前の前の機種のAVIC-D909の時からあったもの。D909の次に新型のD919が発売されたが、D909はナンとアップグレードDVD-ROMを挿すだけで最新型のD919に生まれ変わったのであった。じゃあD919にアップグレードDVD-ROMを挿せば!? と一瞬思ったが、サイバーナビシリーズは、それ以前のカロッツェリアDVDナビとは別系統の製品ということで、残念ながらアップグレードはできない。でも、サイバーナビシリーズとして今後のアップグレードが期待できること、それからそれ以前のカロッツェリアDVDナビは別路線でアップグレードが続けられるらしい(ていうか続けられている)。
で、単にコンピュータっぽい動作をするというだけなら、ここまでで話はおしまいだ。実はこのサイバーナビ、ナビにしてはずいぶんコンピュータと親和性が高い装置なのである。そして、その最大の理由となっているのが、D9000やD9500に搭載されているPCカードスロットだ。
俺が使っているD9000(やディスプレイ付きモデルのD9500:本体はD9000と同じ製品)には、Type2のPCカードスロットが搭載されている。ココには主にフラッシュメモリカードを挿すことになる。フラッシュメモリカードに、マップの登録地点や画像等のデータを入れて、D9000上で扱ったり、あるいはパソコン上で編集したりするのだ。あるいは、パイオニア純正のDVDビデオ再生用カード(8月下旬発売予定/標準価格39,800円)を挿して、ナビのディスプレイ上でDVDビデオを観ることもできる。
俺は(恐らく多くの人と同様に)PCカードスロットをパソコンとのデータのやり取りのために使っている。つまりフラッシュメモリカードをメディアとし、D9000とパソコンでデータ交換をするのだ。
やりとりできるデータは、D9000上の登録地点データとJPEG画像である。登録地点データは、言うなれば電子地図上に付ける目印のようなもので、例えば覚えておきたい場所や再度訪れるであろう地点をマーク表示させておく機能だ。地点を登録すると、マップ上に小さなアイコンが表示される。登録地点データとして電話番号や名称を入力したり、意味を持つアイコンを割り振ったりできる。登録地点は、通常はD9000上にリモコンを使って登録するのだが、フラッシュメモリカードを使うと、パソコン上で効率的に登録作業ができたり、あるいはD9000で登録したデータをパソコン上で編集することができる。この登録・編集作業に使うためのソフトは、インクリメントPの電子地図ソフト「MapFanⅣ 2nd Edition」だ。
「MapFanⅣ 2nd Edition」を使っての地点登録・編集作業は、カーナビユーザーならおわかりいただけると思うが、マジでホントに非常に快適。マウスで画面上にマークを付けたり移動したりし、キーボードで地点の名称や電話番号を入力する。データをパソコン上で扱えないナビを使った場合、これらの作業を全部専用リモコンのみで行なうのだからたまらないっていうか、最初からそーゆー作業をしようとさえ思わないだろう。
それから、フラッシュメモリカードにJPEG静止画を入れておけば、その画像をD9000上で閲覧することができる。なので、例えばデジカメを旅行に持っていって、撮った写真入りのスマートメディアなりコンパクトフラッシュなりをPCカードアダプタに入れてD9000に挿せば、クルマの中で気楽に画像閲覧を楽しめるのだ。
また、フラッシュメモリカード内のJPEG静止画は、D9000のマップ上の特定の位置にリンクさせることができる。例えばカノジョの家の地点にカノジョの顔写真JPEGをリンクさせておく。すると、カノジョの家の付近を通ると、自動的にカノジョの顔が画面上に表示されるようになるのだ。だから、ムカつくアイツの家の地点にムカついてしょうがねえアイツの顔写真JPEGをリンクさせておくと、ムカっ腹が立つアイツの家の付近を通るたびにアイツのムカつきを禁じ得ないツラが表示されやがるのでムカッとなってアイツの家へ突っ込みたくなると言えるが、ともあれ、地点とJPEG画像をリンクさせられることは、いろいろ楽しかったり便利だったりする利用法が考えられる。
利用法は簡単で、まず「MapFanⅣ 2nd Edition」で特定の区域の地図を表示・スマートメディアに(特定のフォーマットで)保存する。そのスマートメディアをFinePix1500か2900Zに入れ、マップビューワー機能を使って表示させれば、あら不思議、デジカメなのに縮小拡大自由自在の電子地図が表示できるじゃありませんか!! なんかもしかしたらこれって実用性高いかも!! と感じる新技術だ。
で、そこまでならカロッツェリアのD9000はなーんも関係ないのだが、「MapFanⅣ 2nd Edition」とFinePix1500や2900Zを組み合わせると“位置情報付きの画像”というモンを撮影でき、その画像をD9000で利用すると、ちょっと便利なコトができるのである。
位置情報付きの画像というのは、まさにそのまんま、経度や緯度のような地上の位置を示す情報を内包した画像ファイルだ。つまり、写真(や絵)のデータであると同時に、位置を示すデータでもある。このちょっと風変わりなデータファイルは、例えば撮影場所データを内蔵した写真として使えるし、写真の意味する内容が特定の場所と強い関連があるなんてことを表現するのにも使える。考えようによっていろいろ使い道のあるデータなのだが、最もわかりやすいのは、D9000と組み合わせて使った時の効果だろう。
位置情報付き画像をフラッシュメモリカードに入れてD9000へ挿すと、まずD9000ではその画像を単に画像として開くことができる。それから、D9000上はその画像に付いた位置情報を取得し、画像を元に地点を特定することができる。なので、例えば旅行に行った時、その旅行先の位置データを内包した位置情報画像を撮影しておけば、その画像をD9000に入れるだけで、簡単に地図と画像をリンクさせられ、意味のある写真付き電子地図として利用できる。あるいは、位置情報付き画像をD9000ユーザーなどに手渡せば意外な便利さが生まれる。例えば落ち合い場所の建物なり風景なりの写真を、その落ち合い場所の位置情報付き画像として作り、相手にメールする。相手はその画像をD9000に入れるだけで、目的地の設定やその場所の具体的な映像が見られる。
まあそんなふうに、D9000とFinePix(1500と2900Z)と「MapFanⅣ 2nd Edition」は、これまでなかったちょっと新しいデータの使い方を提示してくれる。使ってみるとけっこうおもしろく、またかなり便利であったりするゆえ、なんか俺はD9000専用デジカメとしてFinePix1500とかあたりが欲しくなっていたりする。
という感じで、挙げればキリがないほど、D9000にはいろんなモンがギッシリ詰まっている。他のメーカーのDVDナビについては、ほんの数機種にしか触れたことがないのでめったなコトは言えないが、でも老婆心で言えば、これからDVDカーナビ買うなら絶対にこのサイバーナビシリーズだけは見といた方がいいと思う。中には「ゲッ!!」というほどナニでアレなDVDナビもあるのだ。この「ゲッ!! 」という件に関しては俺の知人の(中略)って最初の印象は悪くないと思った矢先に画(中略)然ダメで(中略)スクロー(中略)は最低最(中略)糞ナビだと(中略)そのメー(中略)ていう(中略)(大略)(全略)!!
ともかく、3世代にわたってブラッシュアップされてきたDVDナビだけあって、このD9000、手にして良かったぁという逸品感はひときわである。
□カロッツェリア AVIC-D7000/D7500製品情報(パイオニア)
http://www.pioneer.co.jp/car/cybernavi/product.html
□「MapFanⅣ 2nd Edition」製品情報(インクリメントP)
http://www.incrementp.co.jp/mapfan/mf4_2ndj.htm
□週刊スタパトロニクス バックナンバー
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/backno/wstapa.htm
[Text by スタパ齋藤]