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ジャストシステム、一太郎10、花子10を9月下旬発売
ATOKもバージョンアップ

パッケージ '99年9月下旬 発売予定

標準価格:一太郎10 20,000円
       花子10 12,000円

連絡先:インフォメーションセンター
     Tel.東京 03-5412-3939、大阪 06-6886-9300


会場
発表会には浮川和宣社長の他、手書き認識技術を開発した日立情報システムズの原園義勝氏などが出席した
 株式会社ジャストシステムは、ワードプロセッサ「一太郎」シリーズの最新版「一太郎10」及びグラフィックソフトの最新バージョン「花子10」を9月下旬から発売する。価格は一太郎10が20,000円で、花子10が12,000円。一太郎10に同梱される日本語変換ソフトの最新バージョン「ATOK13」は、11月から9,800円での単品販売が予定されている。

【一太郎10】

 一太郎10でのもっとも大きな変化は、これまで表計算ソフトなどで採用されていたシート形式が採用されたこと。シートとして管理できるのはワープロ文書だけでなくExcelなどの表計算シート、PowerPointなども含まれており、それらのファイル間でコピーなどの編集も可能。同社では、「別々のアプリケーションを立ち上げて作業するよりも作業効率が向上するほか、関連のあるファイルの管理がやりやすくなった」としている。

 ユーザーインターフェイスの変更点としては、マウスで範囲選択するとそのすぐそばに現われるボタンをクリックすると編集コマンド(インデントや行間の変更、コピーなど)が表示される「ポップアップ機能」が追加された。これまでは範囲選択後、上のメニューまでマウスを持っていきコマンドを探さなければならなかったが、マウスを移動させる手間を解消するためにこの機能が追加されたという。出てくるコマンドは、テキストやグラフィックなど選択するところによって違ってくる。

 このほか、見栄えの良い文書スタイルに自動的に変更してくれる「オートスタイル機能」や、よく使うファイルをブラウザのブックマークのようにメニューに登録しダイレクトに開く「ナビメニュー」など数多くの機能が追加されている。

【ATOK13】

 一太郎に同梱される日本語変換ソフトATOKも、最新のバージョン「ATOK13」にバージョンアップされている。
 今回の一番大きな追加機能としては、マイクロソフトのIME同様の手書きによる文字入力が採用された点。この機能は日立情報システムズの文字認識ソフトウェア「TEMOLIB-P」を使用したもので、文字認識エンジンと辞書を搭載したもの。認識対象文字は7,200文字でシフトJIS、第1水準、第2水準の文字をカバーしているという。
 また、入力のための描画エリアも、小さなウィンドウのほかフルスクリーンにも対応しており、認識率が高いことから筆順の違いやくせ字/略字/続け字なども正確に変換するとしている。

 これまでからATOKには表記の揺れなどをチェックする校正支援機能が付いていたが、今回「同音語選択支援機能」を搭載した。これは、変換時に同音語の解説や用例などが表示されるもの。マイクロソフトのIME 2000にも同様の機能が搭載されているが、ATOK13のデモンストレーションでは「大きく違う点は情報量や活用例が豊富なこと、複合語の変換時でも表示されること」などが挙げられた。

 このほか、文書やフォルダを指定するだけで辞書を自動的に学習させることができる「AI辞書トレーナー」や、学習の副作用の低減、文節区切り変換時の精度向上などが図られており、ATOK12から約10%以上変換効率がアップしているという。また、変換候補にWEBのアドレスやメールアドレスも表示されるようになり(“じゃすとしすてむ”を変換するとジャストシステムのホームページアドレスが変換候補として表示される)、選択すると自動的にブラウザやメーラーを起動しインターネットに接続表示させる「URLトリガー変換」なども追加されている。

【花子10】

 花子10の開発コンセプトは、わかりやすく簡単にということで、アプリケーションの起動時からナビゲーションが立ち上がるなど、より初心者を意識した内容となっている。これは花子9におけるユーザープロフィールからくるもので、実に75%が新規購入ユーザーだという。

 このデータをふまえ、花子10では数多くのテンプレートの収録と、グラフィックや文字を変更するときの自動化(違うグラフィックを貼り込んだときサイズを自動的にあわせる)などが主な変更点となっている。また、従来はドローグラフィックソフトとしてのイメージが強かったが、今回フォトレタッチ機能なども搭載し、統合グラフィックソフトへの方向性を強く打ち出している。

【一太郎10】 【花子10】
一太郎10 一太郎10 花子10
一太郎10の画面。一番の変更点は左下のタグ。表計算ソフトにみられるシートが導入されている 新機能のポップアップコマンド。範囲選択するとすぐそばに現われるメニューボタン。そこから各種コマンドを実行可能 花子10。今回のテーマはわかりやすさと簡単なこと。テンプレートなども多数収録予定
【ATOK13】
ATOK13 ATOK13 ATOK13
同音異義語の解説や使用例などが現われる「同音語選択支援機能」。IME2000と比べ情報量が豊富である点が強調された ATOKパレットのカスタマイズ機能が強化された。グラデーション以外にスケルトンも用意されている(写真の文字「プレーン」に重なって表示されているのがスケルトンのパレット) 今回遂に採用された手がき認識。IMEと違うのは入力時の描画エリアが画面全体なこと。もちろん小さいウィンドウ内で入力作業を行なうよう設定することも可能


※画像は現在開発中の画面を撮影したものであり、製品版では変更される場合があります

□ジャストシステムのホームページ
http://www.justsystem.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.justsystem.co.jp/news/99l/news/j9907081.html
□一太郎10の製品情報
http://www.justsystem.co.jp/product/applicat/taro10/index.html
□花子10の製品情報
http://www.justsystem.co.jp/product/applicat/hanako10/index.html
□一太郎総合ページ
http://www.justsystem.co.jp/ichitaro/
□一太郎10発売記念ホームページ(7月20日オープン)
http://www.justsystem.co.jp/anni/

('99年7月8日)

[Reported by funatsu@impress.co.jp]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp