S3、Savage4と同等性能のノートPC用ビデオチップ

'99年第3四半期より量産出荷

1千個ロット時単価: Savage/MX 42ドル
          Savage/IX(4MB) 49ドル
          Savage/IX(8MB) 56ドル
          Savage/IX(16MB) 68ドル



 米S3は、Savage4と同等機能・性能を持ったノートPC用ビデオチップ「モバイルSavage」を発表した。メモリを外部に接続する「Savage/MX」と、メモリも集積した「Savage/IX」の2タイプが用意される。Savage/IXにはさらに、搭載メモリ容量により4/8/16MBの3モデルがある。Savage/MX、IXともに既にサンプル出荷は開始されており、量産出荷は第3四半期となっている。価格は1千個ロット時で、Savage/MXが42ドル、IXは4MB版が49ドル、8MB版が56ドル、16MB版は68ドルとなっている。なお、MXとIXにはハードウェア、ソフトウェアともに互換性がある。

 モバイルSavageは製造プロセスに0.18ミクロンを採用し、コア電圧は1.8V。消費電力はフル3Dオペレーション時で1.5W以下、静止画面時で0.75Wとなっている。32ビットレンダリングに対応しており、トライリニアフィルタリングで1億ピクセル/秒の3Dフィルレートを実現。デスクトップ用のビデオチップと比べても遜色無い性能となっている。また、500万トライアングル/秒のセットアップエンジンを搭載するほか、DirectX 6.0でも採用されている同社が開発したテクスチャ圧縮技術「S3TC」もサポート。インターフェイスはAGP2Xで、DVDビデオアクセラレーション機能も搭載されており、機能的にもデスクトップSavage4と同等となっている。

 また、Windowsのマルチモニタ機能をサポートするほか、同社独自の「DuoView+」技術により最大5台のディスプレイ(LCD×2+CRT+TV×2)の同時表示も可能だ。ビデオメモリはMX、IXともに最大16MBまで対応しており、最大解像度は1,600ドット×1,200ドット(32ビットカラー)、マルチモニタを使用時に1,600×1,200ドット(16ビットカラー)。液晶パネルの解像度は、LVDS(Low Voltage Differential Signaling)機能を内蔵しているので、最大1,400×1,050ドットまで可能となっている。

 モバイルSavageを採用する具体的なPCメーカーについては「まだ公開できる段階ではない」とのことで、聞くことはできなかった。しかし、インテルの次のモバイル用CPU「“Coppermine(コード名。モバイルPentium IIIに相当)”と組み合わせて搭載されそうだ」としている。

 今まで、ノートPC用のビデオチップの3D機能はあくまで、“おまけ的”な機能・性能のものがほとんどだった。同社では「モバイルSavageは、Savage4と同等の性能・機能を実現している」としており、やっと本格的な3D機能を持ったノートPC用ビデオチップが登場することになる。ノートPCでの3D機能について同社では「最近では、ノートPCでもCPUの性能が上がり、CPU側では3Dへの障害はなくなった。また、インターネット上のE-Commerceなどでも3D表示が求められるようになっている。そういった意味でもこれからは、ミドルレンジ以上のノートPCでは3D機能は必須となるだろう」としている。

 記者発表会では、モバイルSavageを搭載した評価マシンでDVDビデオの再生デモも行なった。評価用なのでAGPカードにモバイルSavage/MXを搭載している。

 ハードウェアアクセラレーションのおかげで、任意のウィンドウサイズに合わせて画質がそれほど劣化せずに再生されていた。

 試作機としてモバイルSavageを搭載したノートPCも見せてくれた。

 ただ、採用予定のPCメーカーについては、まだ公開できない段階とのことだ。

□米S3のホームページ(英文)
(6月7日現在、この製品の情報は掲載されていない)
http://www.s3.com/
□関連記事
【'99年2月2日】S3、新ビデオチップSavage4発表
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990202/s3.htm

('99年6月7日)

[Reported by furukawa@impress.co.jp]


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