インテル株式会社 取締役副社長ジョン・アントン氏 |
インテル株式会社は27日、都内で音声認識技術に関するフォーラム「インテル インターナショナル・スピーチ・フォーラム」を開催した。発表会には、インテル株式会社の取締役副社長ジョン・アントン氏と米Intelの副社長兼デスクトップ・プロダクト事業本部 事業本部長パット・ゲルシンガー氏が出席し、今後、日本を含むアジア市場で音声認識技術がPC普及に重要な役割を担うとの認識を示した。また、Pentium IIIを音声認識ソフトでも優れたパフォーマンスを提供するCPUであることを強調した。
会場では、音声のみでPCを操作するデモも行なわれ、NEC、日本IBMなどが提供したソフトが展示された。
パット・ゲルシンガー氏 |
具体的には、「CDプレーヤーやFAXなど、ほぼすべての民生機器で米国を超える普及率を示す日本で、PCの普及だけが遅れているのは、キーボードに抵抗感があるためだ」と分析し、このようなユーザーに対する解決策として、音声認識技術の重要性が高まっているとした。
会場で配布された資料によれば、日本の「キーボードが使えるユーザー」のうち、「ゆっくり」と入力する人の割合は約62%となっている。これは、韓国の45%、シンガポールの39%よりも遅れをとっており、「日本のユーザーはアジア地域の中でも、キーボードに対する抵抗感が強いほうだ」という。
デモでは、キーボードに抵抗感があるユーザーを意識したものとして、Dragon Systems社の技術による航空券の音声予約システムの実用例が紹介された。ユーザーが声で質問をすると、Web上のロボットがチケット購入までの流れを音声で答える様子が実演され、マウスと音声入力のみでチケットを購入できることが示された。
また、日本IBMは日本語の音声を英訳するデモを、NECはSmart Voiceなどの製品の紹介を行なった。しかし、どのデモにも、1回の発声で言葉が認識されない場合や、日本語入力時の誤変換などが見られ、今後に課題を残していると感じられた。
インテルでは、音声認識にはPentium IIIに搭載されたストリーミングSIMD拡張命令が有効であるとし、Pentium IIと比較したベンチマークの結果を示した。性能については、「Pentium IIに比べて35%高速に処理が行なえる。The Wall Street Jurnalによれば、もっと高速だという結果も出ている」と述べ、Pentium IIIを音声認識に最適なソリューションとして位置付けた。今後のPC市場については、Flex ATXのマザーボードを採用したピラミッド型のPCなどを示し、「ユーザーのニーズに合う、いろいろな形態を提供することで市場の拡大を目指す」とした。
Dragon Systemsのデモ | Pentium IIIのベンチマークの結果 | IntelのFlex ATX採用PC |
('99年4月27日)
[Reported by shiina@impress.co.jp]