Linuxパビリオン |
会場:Chicago、 McCormick Place
コンピュータとコンシューマーエレクトロニクスの展示会「COMDEX/Spring '99 and Windows World」が、現地時間の4月19日から22日まで開催されている。
会場では、Linuxパビリオンが盛況ぶりを見せ、昨年秋の「COMDEX/Fall '98」より大幅に出展企業数が増加している。また、インターネットとTVの融合製品、声紋や指紋、網膜スキャンなどのバイオメトリクス技術を使用した認証システムなどが目についた。
●LinuxパワーがCOMDEXを席巻
Linuxブースはブームを反映して大盛況で、多数の人がつめかけている。主なところでは、Linuxのシステム販売を手がけるVA Research、Linuxに特化したテクニカルサポートをHPやDellなどの大手企業に提供するLinux Care、Linux用アプリケーション「Applixware」で知られるApplix、開発ツールのCygnus Solutionsなどが人気を集めていた。ディストリビュータでは、Caldera SystemsがWindowsと共存可能な「OpenLinux」の新バージョン2.2を発表している。価格は50ドル。
また、Yahoo!、MicrosoftのHotmailなどでネットワークサービス実績のある「Free BSD」のブースも多くの来場者を集めていた。
●TV、ネット、電話の3役をこなす「WebSurfer」
WebSurfer Pro |
仕様は、Cyrix 180MHzプロセッサ、8MB フラッシュメモリ、16MB DRAM、56kbpsモデム、ワイヤレスキーボードに、PS2ポート2基、USBポートが2基、シリアルポートとパラレルポートが1基ずつ備えられている。WebSurferはハードウエアの製造は行なっておらず、TVとインターネットの融合分野でのクライアント/サーバーソフトウエアを開発している。会期中、同社とCyrixは融合製品の開発で提携することを発表した。この提携により、両社はTV分野以外でもインターネットデバイスに関する開発で幅広く協力することになる。
□WebSurferのホームページ
http://www.websurfer.com/
●バイオメトリクス製品が実用段階に
Iriscanでは、網膜スキャン技術を使用したPCユーザーの認証システム「PC Iris」を展示していた。これは、認証されたユーザーでないと企業のデータベースへアクセスしたり内容を変更することができないアクセスコントロール機能を提供するPC周辺機器で、販売価格は500ドル。
SensarではIriscanの同技術を使用して、銀行のATMマシンの認証システムに網膜スキャンを組み込んでいる。同ATMマシンは現在フィールドトライアルの段階だが、トライアル参加者の多くは従来のシステムよりも網膜スキャンによる認証システムを好んだという。
Iriscanの網膜スキャン認証システム「PC Iris」 | SensarのIriscan技術を使用した銀行のATMマシン |
また、SAFlinkでは、音声認識によるファイル保護を提供するソフト「SAFty Latch」(60ドル)を出展した。さらに、同社のWebデベロッパーやサイト管理者にターゲットを絞ったセキュリティソフト「SAFsite」では、SAFtyPINパスワードでの認証に加えて、指紋、声紋、および人相を使用した認証を行なう。同システムは指紋リーダー、マイク、デジカメなどのデバイスもバンドルされて995ドル。SAFsiteの企業向けアップデートバージョン「SAF2000」は、10ユーザーで200ドルから。
□Iriscanのホームページ
http://www.iriscan.com/
□COMDEX/Spring '99ホームページ(英文)
http://www.comdex.com/comdex/owa/event_home?v_event_id=309
('99年4月23日)
[Reported by HIROKO NAGANO, Chicago]