「2003年にLinuxの市場シェアは11%に」IDC Japan発表

'99年4月16日 発表

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 インターナショナルデーターコーポレイションジャパン株式会社(IDC Japan)は16日、都内でプレスカンファレンスを開催した。会場には米IDCグローバルソフトウェア・リサーチ上級副社長 トニー・ピカルディ氏と、コミュニケーション・リサーチ上級副社長 ジジ・ワング氏が出席し、発表を行なった。



 

●Linuxの市場シェアは2003年までに11%へ

トニー・ピカルディ氏
トニー・ピカルディ氏
 トニー・ピカルディ氏は、「Linux,and Microsoft's Poison Pill」と題した発表を行ない、サーバー向けOS市場におけるLinuxと、Microsoftの今後に関する見解を述べた。

 発表によれば、Linuxは、2001年にNovell Netwareを抜いて第2位のシェアを獲得するほか、2003年までに11%(現在3%)までシェアを伸ばすという。市場調査については有償の製品のみを対象としており、Linuxの無償ダウンロードも含めたインストールベースについては、「実態の把握は難しいが、有償の製品はLinux全体の20~25%程度」との見解を示し、実際のユーザーはより多いとした。

 同市場で首位のWindows NTについては、2003年も現在と同じ75%のシェアを維持するとした。また、「Linuxの成長は著しいが、現時点ではWindows NTに取って代わるほどとは考えられない」と述べた。

 Microsoftについては、独占禁止法に関わる司法省との対立に関する見解についての発表が行なわれた。IDCでは、Microsoftの独占的な立場の利用を、OSなど独占的な支配力を持つ製品の利益により、その他の市場に参入する場合のコスト負担を肩代わりする「コストシフティング」にあると分析した。
 解決方法としては、Microsoftを3部門(OS部門、ツール/ミドルウェア/データベース部門、アプリケーション部門)に企業分割すること、MicrosoftがOSのカーネルをオープン化することが考えられるとした。しかし、現時点では、司法省にMicrosoftを企業分割するほどの決定力がなく、実現の可能性は低いという。最終的には、あまり効力のない妥協案に落ち着き、Microsoftに有利な結果に終わる可能性が高いという見通しを明らかにした。

 



 

●第3世代携帯電話は世界共通仕様へ

ジジ・ワング氏
ジジ・ワング氏
 ジジ・ワング氏は現在、ITUで標準規格が策定されている第3世代携帯電話に関する発表を行なった。第3世代携帯電話は、NTTが「W-CDMA」と呼ばれる規格をITUに標準規格として提案していたが、EricssonとQualcommが関連特許について法廷で争い、標準化の遅れが心配されていた。しかし、両社が相互にクロスライセンス契約を結ぶことで和解し、標準化が予定通り進む可能性が高まったという。

 発表会では標準規格について具体的な解説は行なわれなかったが、標準規格は'99年11月頃に決定される予定という。

 日本でサービスを提供するNTT DoCoMoについては、「EricssonとQualcommの合意により、予定通り2000年からサービスを開始できるだろう」とした。また、日本で携帯電話端末を製造している各メーカーについては、「いち早くサービスを開始するNTT DoCoMo向けに端末を製造することで、日本独自規格だったPDC端末でなく、世界規模で普及が見込まれる第3世代携帯電話端末のシェアを獲得できる機会に恵まれる」として、日本にとっても経済的利益が大きいとした。

 

□IDC Japanのホームページ
(4月16日現在、この情報は掲載されていない)
http://www.idg.co.jp/IDC/

('99年4月16日)

[Reported by shiina@impress.co.jp]


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