東京ゲームショウ'99春、主役欠場で盛り上がりに欠ける?

開催地:幕張メッセ
会期:3月18日~3月21日(18、19日は商談日)

 大手ゲームメーカーを中心として構成されている社団法人コンピュータエンターテイメントソフトウェア協会(CESA)が春と秋の年2回主催する、日本最大のゲームイベント「東京ゲームショウ'99春」が開幕した。19日は業界関係者やマスコミを対象とした招待日で、一般公開日は20日~21日の2日間となる。

 


●やはり展示されなかった次世代プレイステーション

東京ゲームショウ
現行のプレイステーションの新作だけ。それはそれで期待の新作が並んだのだが、残念な感じは拭えない

 3月2日についにその姿を現わしたソニー・コンピュータエンタテインメント(SCEI)の次世代プレイステーション。今回のゲームショウで一般公開されるかが注目されていたが、ブース(4-南-2)には「今回のゲームショーでは次世代プレイステーションに関する出展はしておりません」の立て看板が5mおきに設置してあるのみ。さすがに展示するものが何もないというのが正直なところだろうが、先日の発表会の様子を収録したムービーを、中央ステージで上映するなどの展開があればおもしろかったのではないだろうか。

 だが、意外なところで「プレステ2」の言葉を見かけることになる。3ホールのパソコンゲームばかりを集めた“PCコーナー”に出展しているインフォ リパブリック(3-PC-2)はゲームに関する簡単なアンケートを実施しているのだが、この景品が「プレステ2」なのだ。“プレステ2を抽選で5名様にプレゼントする”と言うことで、この一角には数多くの人が群がっていた。“商品は結果発表後1週間以内にお届けします”とかかれているが、いくら何でも気が早すぎると思うのだが、この人の集まり具合を見ていると来場者がいかに「次世代プレイステーション」に関する情報をほしがっているかがわかるというもの。


●主役不在でトップに躍り出たDreamcast

セガがいかにネットワークゲームを前面に押し出しているかがわかる今回のブース展開

 次世代プレイステーションが発表されなかったことで今回のゲームショウでは主役が不在の状態となってしまった(ドラゴンクエストVIIもビデオでの出展)。そこで主役に躍り出たのがセガ・エンタープライゼス(4-北-1)のDreamcast。
 セガのブースには「Network World」が設置され、お台場のジョイポリスと回線で繋がっており、通信対戦が楽しめるようになっている。通信対戦で遊べるのは、麻雀や将棋などを集めたバラエティソフト「あつまれ! ぐるぐる温泉」など。ただし、イベントステージ上では時折、開発中のゲームソフト(撮影時はフロム・ソフトウェアの「FRAMEGRIDE」)で通信対戦を実施しているときがあるので、気になる人はチェックが必要だ。
 このほかにも通信に対応したソフトがいくつか展示されており、パソコンで大ヒットしたハドソンの「電波少年的懸賞生活ソフト~なすびの部屋」がビデオで展示されていた。本家テレビ番組の企画が終了直前と言うこともあって完成時期が気になるが、通信対戦中心の現在のラインナップとは少し違ったタイトルだけに発売が待ち遠しいところだ。

 このほかにも先日正式に開始日が決定したWebTVのコーナーも設置されている。カウンターのすぐそばに設定されており、かなり力を入れているのがわかる。ゲームショウのあちこちにある、ブース位置を表示する垂れ幕にもWebTVのマークが入っている。

セガのブース内にDreamcast版WebTVが展示されている 「シェンムー~莎木~」は期待大のゲーム。それだけに今回の発売延期は残念でならない

 このほか、会場のあちこちでDreamcast対応の有力タイトルを見かけることができる。その中でも注目なのはナムコ(5-中央-2)の「ソウルキャリバー」、アトラス(6-中央-3)の「魔剣X」。ちなみにキラータイトルとして注目されていたセガの「シェンムー~莎木~」だが、今回発表された発売日は、春ではなく夏で8月5日。さらに第1章だけですべてを遊ぶことはできない。かなり残念な結果だが、次世代プレイステーションが発表されなかったため、このゲームが主役となった感がある。セガとしてはうれしい結果だったのではないだろうか。


●PCコーナーもそれなりに盛況

 PCコーナー(3-中央)もそれなりに盛況だ。ゲームセンターのカーレースゲームコーナーの様に、PCとハンドル型コントローラ「SideWinder Force Feedback Wheel」を並べ、対戦レースゲームを楽しめるよう設置されている。ここで遊べるのはイマジニアの「TOCA2」と「コーリン・マクレー ラリー」、そしてマイクロソフトが夏に発売を予定している「Midtown Madness」。気軽に最新PCが楽しめるとあって、人がかなり集まっている。

 このほかでは、セガPC(3-PC-6)の「BALDUR'S GATE」、マイクロソフト(3-PC-6)の「フライトシミュレータ98」「コンバットフライトシミュレータ」、エレクトロニック・アーツ・スクウェア(3-PC-5)の「SimCity3000」などが人気を集めていた。そして、Eidos Interactive(3-PC-6)のブースでは本邦初公開となるDAIKATANA(Quakeを作ったJohn Romero氏の最新3Dアクションシューティング)とロールプレイングゲーム「Revenant」が展示されている。出来立てホヤホヤなので興味のある人はこの機会にぜひプレイしてほしい。

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PC RACINGコーナー。こういったすぐに楽しめて、わかりやすいゲームは来場者の人気も高い かなり力を入れているマイクロソフトブース。上記タイトル以外にも「Age of Empire GOLD」を展示 Eidosは3Dアクションシューティング「DAIKATANA」、RPG「Revenant」を展示。必見! というかぜひ遊んでおきたい



●そのほかのPC関連展示物

 PCコーナー以外で注目したいPCゲームは前回同様通信対戦が楽しめるMTCIブース(2-北-3)とNTTデータの“ゲーマーズドリーム”ブース(2-北-2)。MTCIではアクションシューティング「netWAR」を展示。同ゲームは3月19日からサービスがスタートしており、同日から1カ月間程度無料で楽しめるクライアントソフトを収録した「プレディスク」を配布している。ゲーマーズドリームではサービスを開始したばかりのRPG「DarkEyes」をはじめ、第2弾となるバンプレストの「BlueSphere」、第3弾の原始時代を舞台にしたちょっとコミカルなゲーム「STONEAGE」を大々的に展開している。

 コーエー(5-北-1)が今年6月頃までに発売する予定の各種シミュレーションを自社ブースの一角で展開。この中で一番場所をとっているのが「三國志 Internet」。人気シリーズなだけに来場者の反応も上々で、なかなか人がとぎれることがないようだった。
 このほかではたった2日間で2万本を完売、3月下旬までで5万本の予約が入っているというアスキー(6-中央-1)の「ベストプレープロ野球」もアスキーブース内で楽しむことができる。

 今回初の試みとして英国大使館(2-海外-1)と韓国(2-海外-2)が出展している。英国のブースではジャイロセンサーを使った変わったハードウェアなど見ることができる。韓国のブースではつりゲームやRPGが展示されているが、日本のゲームと比べても違和感がない。なかなか見ることのないゲームやハードが並んでいるのでぜひ立ち寄ってほしい。

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ゲーマーズドリームの「Dark Eyes」。かなりの台数のPCを並べており、自由に遊べる。第2弾、第3弾の作品も楽しみ! コーエーの三國志 Internet。来場者の関心度高し! このほかでは、ロイヤルブラッドなどの新作が並ぶ 韓国ブースの釣りゲーム。一見、日本のゲームと何も変わらないし、プレイしても変わらない。日本展開はあるのか? ジャイロの技術で自分がどの方向を向いているのかわかる装置を展示。これらのハードの他に、もちろんゲームソフトも展示している。



□東京ゲームショウ'99春ホームページ
http://www.cesa.or.jp/cesa/tgs/index.html

('99/03/19)

[Reported by funatsu@impress.co.jp]


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