'99東京おもちゃショー開幕
必見! デジタルおもちゃ満載

看板 開催地:東京ビッグサイト
会期:3月18日~3月21日(18、19日は商談日)

 国内外のおもちゃメーカーが一堂に会し、最新のおもちゃの展示を行なう展示会「'99東京おもちゃショー」が18日に開幕した。ここ数年デジタルおもちゃが目立って増えているが、今年はデジタルカメラなど現実的な商品も登場してきた。また、センサーを使った声や音を利用した商品が数多く登場している。

 


●デジタルおもちゃに一番熱心だった“トミー”

◇おもちゃの未来? “Toys of Tomorrow”コーナー

 もっともデジタルに傾倒していたのは、入り口から入って一番奥にブースを構えていたトミー。ブースの一角にはMIT(マサチューセッツ工科大学)が制作した未来のおもちゃなどを展示した“Toys of Tomorrow”コーナーがあり、'98年11月の“ContentCreation+NICOGRAPH98”でも展示されていた音楽を奏でる服や靴をデモンストレーションしていた。

 同コーナーの入り口にはインテル、トミー、フジテレビ、インフォシティが共同開発中の動くぬいぐるみ「PCインタラクティブくも」を展示。インタラクティブくもはPCと接続することで色々な動きを楽しめる。また、ビットキャスト放送やインターネットを操作することも可能になるという……が、今回出展されているものはプロトタイプで時折動く程度。たとえば、音声に反応するなどのセンサーも埋め込まれておらず、埋め込まれた3つのモーターで体を揺すったり、横に揺れたり、首を振るだけだった。ということで、商品化をにらんで開発はしているものの、発売時期や価格は未定となっている。ただ、技術的にはMicrosoftのPC連動おもちゃ「ActiMates Barney」程度は実現可能なようだ。トミーとしてはおもちゃづくりのノウハウを生かした動きやギミックでこれからも協力していくという。

 このほかで注目すべき展示品は、ステップを踏むと32のセンサーで32の音を奏でる「センサースニーカー」や、服の一部に仕掛けられたキーを押すことで音楽を奏でることができるウェアラブル・コンピュータの一種。これらの音や光を使った情緒教育系はMITの出展物。ちなみに日本では富士通研究所が他業種と協力して人間型ロボットの開発を行なっているようで、そちらも面白そうだ。

くも MIT MIT
これが「インタラクティブくも」。TVと連動するのでキャラクタ展開もあるかもしれないとのこと 手をかざすと色が変わる丸いブロック。1つ色が変わると連鎖反応ですべて色が変わっていく センサースニーカー。子供用にはいいかもしれない。そのためにはもう少し小型化が必要か?


◇デジタルカメラ、文字電話、積極的にデジタルに挑戦

 ブースに入ってすぐはピカチュウだらけのポケモングッズコーナーだが、その誘惑に負けずに少し歩を進めると、そこには1カ月前に発売された文字電話端末「手描き Pipi」が並んでいる。販売動向に関して質問をしてみると「堅調に動いている」とはいうものの担当者の歯切れは悪い。どうも「チュウヤンとビビアンが宣伝(TEGACKY(テガッキー)のCMはTV番組電波少年で人気のチュウヤンとビビアン・スーでCM展開していた)していたものと同じものという認識が浸透しなかったようだ」とのこと。あれだけそっくりなデザインで違うものという発想がスゴイと思うのだがどうか? ちなみに色違いバージョンの発売やキャラクター展開については「そういった展開も考えてはいる」と消極的。商品認知がまずは先決のようだ。

 その隣にはなんとデジタルカメラが展示されている。商品名は「DIGITAL CAMERA Mexia(ミーシャ)」。25万画素のCMOSセンサーで撮影後、6万画素相当のBMPファイルに保存。デジタルカメラ自体には15枚まで保存でき、付属の接続キットを使いプリンタポート経由でWindows 95/98に転送できる。転送ソフトも兼ねている付属の画像ソフトで、明るさを変えるなどの簡単なフォトレタッチも可能となっている。単4電池4本で動作する。
 保存フォーマットがJPEGなどではなくBMPな訳は「すぐにラクガキできること。それもペイントブラシのようなWindowsに同梱されるツールで可能なことが重要」とのこと。ターゲットがOLを中心とした女性のため“簡単”に“遊べる”ことが大切なようだ。気になる価格や発売時期については「全くの未定」という。新規参入製品のため、価格などを探っている様子だった。

 このほかではPHS予備軍の小学生女子をターゲットとした、専用カードを利用した伝言玩具や、アメリカを始め全世界で話題騒然のおしゃべりするぬいぐるみ「ファービー」も人気を集めていた。

手描き Pipi ミーシャ ファービー
「手描き Pipi」認知度が足らなかったのが敗因か? でも来場者の興味はかなり高かった。もう少しキャラクタ展開した方がよいのでは? 安ければおもしろい商品かも。小さくて手軽なのが魅力の1つ。もう少し画質がよくてもいいかも…… 英語版ではプレミア付きで1万円以上するという噂の「ファービー」日本語をしゃべり話しかけていると言葉を憶えるぞ。ちなみに名前は日本っぽく「太郎」とかになるんでしょうか?





●プリクラ製造機? その場でプリントできるデジタルカメラ「プリジェニック」

 相変わらず大きなブースを構え、キャラクターグッズ好きにはたまらないバンダイブースでは、カラープリンタ内蔵のデジタルカメラ「プリジェニック(Prigenic)」を展示。6万画素相当のCMOSセンサーを搭載し、4枚分まで本体メモリに内蔵可能。4枚までなら連写もできる。単3乾電池6本で動作する。フラッシュは搭載していないが、セルフタイマーはついている。

 プリントの印刷寸法は28mm×20mmのプリクラ1枚サイズ。印刷までの所要時間は約60秒から75秒。シールはカートリッジ式になっており1カートリッジ40枚。現在予定されているのは真っ白なシールのみ。プリクラの様なフレームが印刷されているシールなどの可能性については「現在は考えていない」とのこと。

 会場でさわってみた感触では若干大きな印象を受けた。ただ、重さはそれほどでもなく手軽なイメージ。プリントアウトした画像は、各色64階調、144dpiということでそれほどよくはないが、プリクラと考えれば割り切れる程度だろうか。担当者によれば、「被写体までの距離や光の具合で画像は変わる」と言うことだった。プリジェニックはデジタル出力が不可能で、基本的にはその場でプリントアウトする事になる。
 価格は29,800円で、専用のシールカートリッジは1本1,980円となっている。「接続キット込みだと10万円以上してしまうので、切れるところは思い切り削りコスト削減した」とのことだが、できれば本体価格を1万円台にまで下げて欲しかったような気もする。

プリジェニック プリジェニック
プリクラ製造機としては大変楽しみ。第2のチェキになるのか? プリンタ内蔵なのでしようがないが、ちょっとデカめ。 印刷した後はこんな風に出てくる。左手に持っているのはプリントカートリッジ



●音が主役のゲーム「オトゲー」

 画面なんかいっさいなし! 音だけで見えない敵を撃ち抜くシューティングミニゲーム機バンダイの「オトゲー」。今回のショーではこのオトゲーの次期バージョン「オトゲーダンジョン」を楽しむことができる。ダンジョンの中を一歩一歩進みながら、うじゃうじゃと登場する敵を倒し、時間内に女の子を助けだす。
 オトゲーについてきたヘッドフォンはかなり評判が悪かったらしく今回はより高感度なものが付属する。発売日、価格共に未定。さらにカーレースバージョンも参考出品されており、こちらのデザインがなかなかカッコよかった。


●その場でボーリング、その場でテニス

 昨年からヒットしているのが、ただのミニゲーム機ではなくセンサーを内蔵し、実際に体を動かすことでゲームをする体感ミニゲーム機。タカラのゴルフクラブの形をしたバーチャルゴルフや、バットの形をしたバーチャルベースボールががかなり売れたらしく、シリーズを拡張。今回はテニス。
 追随するかたちで、バンダイからはレースゲームとボーリングゲームが登場。みんなでワイワイ体を動かして遊べるためか来場者の関心も高かった。


●手軽に音声紋解析。

 声紋の基本周波数特性を応用した感情解析ツール「音声紋判定機ドキッとボイス(仮)」がセガトイズで出品されていた。まず最初に、基礎声紋として相手の声を4秒間記録し、その声と比較して感情がどのように変化しているかを判定してくれる。感情の変化は4つのコメントと18段階の円グラフ、2段階のキャラクタで表現。声紋分析の専門家鈴木松見博士が開発に関わっており、80%程度の確率で的中するという。価格は2,980円で7月発売予定。


●植物の感情を音と光で代弁

 エポック社のブースにおもしろいものが展示されていた。植物の葉っぱにセンサーを取り付け、植物の感情を読みとるというおもしろグッズだ。人間が植物に触れたり色々な外的要因で植物内に何か変化が起こった場合、影響が大きな場合は高い音のメロディが鳴り響き、赤いランプが点滅する。逆に影響が小さければ、低い音でメロディを奏でながら緑色のランプがつく。植物に触れると発生する電気的な変化をとらえることによって判定するそうだ。すでのアンテナショップで800台完売しており、注目の商品といえる。正式な発売は6月で、価格は6,980円。
 このほか、声でチャンネルを変えることができるリモコン「DORAECON」(ドラえもんなだけにDORAECON)がおもしろそうだった。


□'99東京おもちゃショーホームページ
http://www.toynes.or.jp/TOYSHOW/top.htm

('99/03/18)

[Reported by funatsu@impress.co.jp]


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