Windows 98のオンライン登録で
意図しない情報を送信する“バグ”

'99年3月8日(現地時間)公開


 問題の登録ウィザードの画面。赤で囲んだ部分に「登録時にシステム一覧を添付しますか?」というチェックが設けられている。ここで、「いいえ」を選択してもハードウェア IDがMicrosoftに送信される可能性がある。

 現在、この問題を避けるためには“オンライン登録をしない”という選択肢しかない。

 米Microsoftは、一部で報道されているWindows 98の「Registration Wizard」で、ユーザーが意図しない情報を同社に送信してしまう問題に関して、正式なコメントを発表した。

 「Registration Wizard」は、Windows 98のユーザー登録をオンラインで行なうプログラム。この登録を行なうときに、ユーザーのシステムのハードウェア情報(システム一覧)を送るかどうか選択することができる。今回の問題は、ここで「送らない」を選択しても、ハードウェア ID(ハードウェア情報を送ったときに、それとともに送られるマシン固有の番号)を送信する可能性があること。同社はこれを事実と認め、送信されるのはハードウェア IDのみで、ハードウェア情報が送られることはないとしている。なお、詳細については現在調査中であるという。

 この問題ヘの現在の対応状況は以下の3つ。

 ただし、サービスリリースや、修正プログラムの提供時期は明らかにされていない。

 一部では「Office 97」のファイルの情報も送信されると報道されているが、これについて同社では「根拠のない噂であり、Microsoft側ではOffice 97のファイルの情報を保持していないし、またそれを実現することも出来ない」と否定している。


 なお、同社の日本法人であるマイクロソフト株式会社では、日本語版のWindows 98が同様の問題を抱えている可能性を認めている。詳細については社内で調査、検討を進めており、これからの対応については、米国本社と同様に対処し、近日中に日本法人としての情報をWebなどで公開するとしている。

 今回のこの問題をMicrosoftではプログラム上の“バグ”とコメントし、集まったデータはマーケティングなどといった、目的外には使用していないとしている。しかし、ユーザーが“送りたくない”とした情報を、勝手に送ってしまうのは大きな問題だ。報道されてから慌てて情報を公開しているように見える対応も、決して褒めらたものではない。ソフトベンダーの責任として、早急に修正プログラムを提供する必要がある。

 なお、現在この問題を回避するには、「オンライン登録」をしないという選択しかない。

□米マイクロソフトのホームページ(英文)
http://www.microsoft.com/
□カスタマーレター(英文)
http://www.microsoft.com/presspass/features/1999/03-08custletter.htm

('99年3月9日)

[Reported by furukawa@impress.co.jp / Watchers]


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