昨日はキーノートスピーチの記事作成でてんてこ舞いって感じだったが、今日は少し落ちついて会場などのレポートをお届けしたいと思う。
入場者は、入り口で手続きを済ませると、自分でパソコンにデータを入力して、カードを作る。カードは磁気カードになっていて、これで各ブースで資料を貰うときなどに使う。磁気記録なので、あとで簡単にコンピュータ処理ができるというわけだ。入場者が展示会としては、さほど多くないからかもしれないが、とにかく入場者の情報を得て、商売に使おうという姿勢が感じられる。日本では、NetWorld+Interopなどのごく一部のイベントを除くと、未だに名刺を渡して資料などをもらうやり方が主流だが、あとから入力するのも大変だし、へたをすると、単に集めただけで終わってしまうかもしれない。
また、展示会場には、電子メールなどが読めるように、自由に操作できるLinuxマシンが用意してあった。
会場の案内図。展示会場としては規模はさほど大きくない | 自分でパソコンにデータ入力して、来場者カードを作る | 自由に使えるLinuxマシンが設置された“E-MAIL GARDEN” |
Free Software FoundationのRichard Stallman(写真左) |
司会は、Halloween文書の編集や「伽藍とバザール」などのオープンソフト活動で有名なEric Raymond氏(彼は、2月15日のWindows Refund Dayで先頭を歩いていたとか)。過激な主張のStallman氏(彼は多くのGNUソフトが使われていることからGNU/Linuxという呼び方をする)と、終始おだやかなLinus氏という組み合わせ。なにか会場は、異様な熱気に包まれたという感じだ。Stallman氏はあくまでもフリーソフトの主張を繰り返す。そのうちに、聴衆の一人(実は、昨晩、Linus/IDGアワードを受賞した人。学校の教育用システムにWindowsを嫌ってLinuxを使っている)が立ち上がって、Windowsに対する不満をぶちまけると、会場はさらに盛り上がった。
Stallman氏の「Freesoft don't Dominate」という言葉と、Linus氏の「Dominate with freesoft」という言葉が印象に残った。もちろんDominate(支配する)とは、Microsoftの市場支配を指していて、それにどう対するかという意味だ。Stallman氏がDominate with Freesoftというのならすんなり納得できるのだが……。
□LinuxWorld Expoホームページ(英文)
http://www.linuxworldexpo.com/
□OpenSource.OrgのHalloween文書のページ(英文)
http://www.opensource.org/halloween.html
('99年3月3日)
[Reported by 塩田紳二]