元麻布春男の週刊PCホットライン

同時進行連載:リビングルームPCが欲しい・その5
リビングルームPCには、microATXは入出力サポートの点で×



■microATXマザーはTV出力がない

 Diamond Multimedia/MicronicsのC400にCeleron 300A MHz、グラフィックスカードにATI TechnologiesのXPERT@Play 98というのが、先週までに決まった、わが家のリビングルームPCの骨子である。XPERT@Play 98に使われているビデオチップRAGE PRO Turboは、最近増えてきたmicroATXマザーボードのオンボード搭載用にもポピュラーな石。わざわざカードを使わなくても、オンボードにグラフィックスやサウンドを搭載したmicroATXマザーにすれば、スロットだってそんなにたくさん要らないし、マシンも小型にできる、という風に考えるかもしれない。というより実は、筆者も最初、この路線を狙っていた。

 ところが、いざ購入する気になって物色すると、なかなか良いものがない。というより、microATXにせよ、NLXにせよ、こうしたマザーボードはビジネスには使えても、筆者が考えるリビングルームPCには使えそうにないことがわかった。たとえば、筆者にとってXPERT@Play 98を使う最大の理由は、TV出力にある。ところが、microATXやNLXのオンボードにあるRAGE PRO Turboには、まずTV出力など用意されていない。調べると、一部のマザーボードベンダーは、オプションでTV出力を用意することになっているのだが、そんなものを秋葉原で見かけたことがない。性能やメモリの拡張性ではなく、TV出力の有無で、カードを選ばざるをえない、というわけだ。



■サウンドもオンボードではS/PDIFの入出力がない

 サウンドにも同じようなことが当てはまる。最近は、オンボードにPCI接続のサウンドチップを持つものが珍しくなくなっているものの、やはり入出力インターフェイスがカード並とは行かない。具体的には、S/PDIFの入出力が可能なサウンド機能は、やはりカード製品に限定される。というより、S/PDIFの入出力が可能なPCIサウンドカードは、筆者がリビングルームPCを組もうと考えた時点で、事実上Sound Blaster Live!(あるいは同Valueにオプションの光デジタルインターフェイスカードの組み合わせ)くらいしかなかったのである(マイナーなものを除く)。もし、リビングルームPCをゲームに使うのであれば、A3DをサポートしたDiamond MultimediaのMonsterSound MX300に、オプションのデジタルI/Oカードという組み合わせも検討したいところだが、ゲームの予定がないこと、まだ入手できないことから、あっさり断念した。

 S/PDIFのサポートにこだわったのは、すでにリビングルームにはデジタルI/Oを持つ機器がかなりあるから。音楽CDプレーヤーはもちろんのこと、MDデッキ(もちろんPCでコントロール可能なMDS-PC1)、SkyPerfecTVチューナー(デジタルCSデータ放送を受ける前提)、民生用DVDプレイヤー、さらにはDATレコーダーまである(我ながら、改めて数えると結構あるものだと思う)。こうしたデバイスと相互にデジタルでデータを交換可能にしたい、というのが狙いだ。直接接続できないが、関連したデバイスにMP3プレイヤーのRioがあるが、PCにデータを持ってこないことには、MP3へのデータ変換はできない。最悪、アナログからWaveの変換をしても良いのだが、それではせっかくのリビングルームPCが泣くというもの。意地でもデジタルインターフェイスを使いたいと思ったのである。



■ PCIスロットはすでに予約終了

 サウンドカードの次はモデムである。これには以前紹介したDiamond MultimediaのSupraMax PCIを使うつもりだった(何だかDiamond製品が多いなぁ。別に特に選んでいるわけではないのだけれど)。上述したSkyPerfecTVチューナーまでアナログ回線がきているので、PCもそれを使う予定にしていたからだ。どうせ、モデムは上り回線にしか使わない(ダウンストリームには衛星を使う予定)から、これで十分である。

 これで残念なのは、サウンドとモデムでPCIスロットが2つも消費されてしまっていることだ。リビングルームPCでは、たくさんのPCIスロットが必要になると予想されているのに、こんな機能で2つもPCIスロットを使っている場合かぁ、というのが正直なところである。IntelはソフトウェアケーブルモデムやソフトウェアADSLモデムを念頭にAMR(Audio Modem Riser)の規格化を行なったようだが、そんなゴージャスなものでなくても、V.90とオーディオがPCIスロットもレガシーインターフェイスも使わなくなるだけでも、良いような気がしてくる。

 このあたり、AGPの登場によって、とりあえずPCIスロットが1つ空いたのと同じ理屈だ。この時点で、C400に5本あるPCIスロットのうち、サウンドとモデムで2本が埋まっている。だが、まだDVDデコーダカード(ハードウェアデコーダ)、デジタルCSデータボード、ADAMS/bitCast対応のTVチューナーカードを入れたいと思っている。もうPCIスロットは打ち止め終了だ。しかし、まだSCSIホストアダプタやネットワークカードなど、使いたいカードは他にもある(SCSIはGBクラスの大容量リムーバブルデバイスの接続用。最右翼はDVD-RAMドライブか? S/PDIF経由でどんどんサウンドを吸い上げると、おそらく何か必要になるだろう)。この分だと、モデムやネットワークはUSB経由ということになるかもしれない(またまた意地でもレガシーインターフェイスを使わないつもりである。しょせん仕事マシンではないのだから、これくらいの遊びが欲しい?)。次回は、DVDデコーダなど、残りのカードについて紹介する。

[Text by 元麻布春男]


【PC Watchホームページ】


ウォッチ編集部内PC Watch担当pc-watch-info@impress.co.jp