基調講演レポートなどで既報のとおり、AppleStoreの日本における開始以外は特に目新しい発表はなかったのが、EXPO/Tokyoの主役のひとり「アップルコンピュータ」である。『P1』(コンシューマ向けポータブル機)や、『101/Lombard』(PowerBook G3後継機)の登場を期待したユーザーは見事に肩すかしを食った格好だ。開催以前から、東京開催史上最大の展示スペースと伝えられていたアップルブースだけに、これらの登場に、つい過大な期待をかけてしまった感もある。会場レポートの第一弾は、このアップルコンピュータのブースから。
実際の展示は、1月にSan Franciscoで開催されたMACWORLD Expoをほぼ踏襲する内容となった。メインステージでのプレゼンテーション、新色のiMacを並べた試用スペース、そしてPowerMac G3とPowerBook G3を使ったソリューションやカテゴリ別のデモンストレーションが中心である。回転する台に載って内部を公開しているPowerMac G3の展示も健在だ。こうして書いてしまうと、いかにも新鮮味に欠けるようだが、それはSan Franciscoで目にしたり、Webや雑誌などの各種メディアで耳年増になっているが故のこと。実際に初めて目にする来場者にとっては、すべてが驚きや興味をもって迎えられる内容であることは間違いないだろう。
過去最大の展示スペースとなったアップルブースだが、基調講演後はどっと来場者がおしよせ、本来はゆったりとレイアウトされたブースも混雑を極めた。「Yum.」の文字が入ったiMacのポスターもかなりの数が用意されていたが、初日は早々になくなった。同じデザインのバッジも配布されている。
新色のiMacをずらりと並べた展示はサンフランシスコ同様 | 下からライトアップされた円柱状の台ではPowerMac G3の内部を公開 | プレゼンテーションステージは、常に立ち見がでる混雑ぶり |
ゆったりとレイアウトされているが、混雑時はなかなか製品にたどりつけない | FireWireのインターフェイスを搭載したエプソンのカラーレーザープリンタ(プロトタイプ)をFireWireのコーナーに展示 | FireWire対応の各種ストレージ。やはり来場者の注目を集めたのはコンパクトサイズのVSTの製品 |
FireWireインターフェイスを搭載したコダックのハイエンドデジタルカメラ。大容量の画像も高速に転送できる | USB対応のストレージを集めて展示。USB機器のデモにはiMac、FireWireのデモにはPowerMac G3が利用されている | USB対応のMIDIソリューション。ローランド製の機器が中心 |
アップルコンピュータブースを視察するスティーブ・ジョブズ氏一行。向かって右の男性がジョナサン・アイブ氏。左には原田社長の姿もみえる |
5時55分をまわり、まさに閉場間際というその時、Steve Jobs氏が展示会場内に姿を表した。傍らにはiMacやPowerMac G3(Blue&White)のデザイナーであるジョナサン・アイブ氏と、アップルコンピュータの原田社長が同行している。まさに会場内の視察というおももちで、自社ブースをはじめいくつかのブースを訪れた。めざとい来場者や出展者はすぐに気がついたようで、いつの間にか彼のあとをぞろぞろとついて歩く、大名行列のような光景ができあがっていた。
□MACWORLD Expo/Tokyoホームページ
http://www.idgexpo.com/MACW/99/index.html
□アップルコンピュータのホームページ
http://www.apple.co.jp/
('99年2月18日)
[Reported by 矢作 晃]