プロカメラマン山田久美夫の

富士フイルム FinePix2700β機実写レポート


FinePix2700

MPEGムービー
(5秒、119KB)
 2月4日に発表された富士フイルム「FinePix2700」の山田久美夫氏による実写画像を公開する。スペックなどについては参考記事を参照されたい。なお、撮影した本体はβ機であり、製品版とは異なる場合がある。本体とバッテリ以外の画像はFinePix2700を使用し、1,800×1,200ピクセルで撮影している。

(編集部)


●FinePix2700とFinexPix700の外観比較

 
 先代モデルである「FinePix700」は忠実な色再現性を重視したセッティングだったが、今回のFinePix2700では印象や記憶に近い色再現性を重視したものへと、絵づくりの方向性が変わっている。
 そのため、FinePix700に比べると、全体に鮮やかで見栄えのする色調になっていることが一目でわかる。このあたりは好みが分かれるところだが、本機が一般コンシューマを強く意識したものとして企画されたことを考えると、この方向性は正解であり、多くの人に好まれる方向といえる。

 また、FinePix700ではデーライト(日中光)固定式になっていたホワイトバランスは大きく進化し、シーン別に最適なホワイトバランスを自動設定するインテリジェントなオートホワイトバランス機能を搭載している。このあたりの実力も本機の大きな見どころといえる。

 ただ、230万画素という画素数からイメージするほどシャープではなく、もう少し切れ味のいい写りを期待していた人から見れば、やや物足りなさを感じるレベルといえる。また、同社の歴代モデル同様、輪郭部分が不自然な感じになるという欠点もまだ残っている。
 なお、実写画像の右側でピントが甘くなっているカットがあるが、これはテスト機固有の調整不良によるものと思われる。

 なお、今回、起動時間が約2秒に短縮化されたため、ポケットからサッと出して撮影するといった使い方をしても、さほどストレスを感じるケースはなくなっている。だが、画像の記録時間は約6秒(ノーマルモード)とFinePix700より約3秒短縮されたが、それでも「SONY Cyber-shot DSC-F55K」に比べると2倍以上も長く、相当に焦れったい。また、撮影後、一度液晶に撮影画像が表示されたあと、数秒間ブラックアウトしてしまう点も不安感がある。

本体はFinePix700よりやや小型化された
バッテリも従来より小型
のものが採用された


●実写画像

屋外人物 屋内人物
【自然光撮影】
286KB
【ストロボ撮影】
367KB
430KB
 
 人物の肌色の再現性は、なかなかよくチューニングされている。とくに、屋外の日陰や屋内(窓から差し込む外光で撮影)などで撮影した場合には、その場の雰囲気をわずかに残した色調になるという絶妙な仕上がり。このあたりは、銀塩フィルムからの同時プリントに近い仕上がりといえる。

 また、日中シンクロ(日中屋外でストロボを併用した撮影)でも、背景との光量バランスが適度に維持される点にも好感が持てる。

 ただ、モニター上で原寸大表示してみると、髪の毛などの描写が甘い感じがあり、230万画素モデルであれば、もっとシャープな切れ味の鋭い写りを期待したいところ。


蛍光灯下
439KB
422KB
 
 今回新搭載された「シーン自動判別AWB」(AWBはオート・ホワイト・バランスの略)では、蛍光灯下での補正も行なわれるため、あえて蛍光灯下でも撮影してみた。だが、結果は意外に芳しくなく、全体にややグリーンがかった色調になってしまった。とくに、牛丼のカットはもう少し美味しそうに写って欲しいもの。


夜景
426KB
428KB
 
 夜景の写りは、意外に良好。シャッター速度は最長でも1/4秒までだが、この程度の明るさであれば、十分に撮影することができる。露出レベル、ホワイトバランスともに適度で、見た目に近い仕上がりといえる。
 また、暗いシーンではレンズの絞りが開くため、レンズ性能やピント精度も画質を大きく左右するところ。これらのカットを見る限り、ピント(AF)の精度は必要十分なレベルで暗いシーンでも精度が低下することはあまりなさそう。レンズ性能はまだ本来の性能がでていない感じもあるので判断は難しいが、Cyber-shot DSC-F55Kのような切れ味のよさや素直なボケ味は期待できない感じだ。


日中屋外(日向)
445KB
448KB
 
 日中屋外でのカット。写りはまずまずという感じ。青空の感じも見た目に近い雰囲気だ。もっとも本機は印象や記憶に近い色調の再現を重視したモデルであることを考えると、もう少し鮮やかで抜けのいい色調に仕上がることを予想していたのだが……。

 太陽がビルに反射したカットでも、露出アンダーになることなく、ごく普通に写っている点は立派。また、太陽の部分に、若干のゴーストは見られるが、スミアはでていないようだ。

 ビルの感じを見ると、230万画素モデルらしいシャープ感を期待したい。もう少し切れ味のいい写りにならなかったものだろうか?


日中屋外(日陰)
【自然光撮影】
【ストロボ撮影】
425KB
421KB
422KB
 
 屋外の日陰で撮影したカット。「シーン自動判別AWB」の搭載で以前ほど青みがかった色調にはならず、比較的自然な色調といえる。また、FinePix700が苦手だったグリーンの再現性も、本機では適度に鮮やかな色調になっている点には好感が持てる。

 なお、石像のシーンでは、Aモードで撮影すると、十分に明るいシーンにもかかわらず、ストロボが自動発光した。だが、光量バランスが自然なこともあって、意外なほど自然な写りになっている。これだけ自然な写りなら、普通に記念写真などを撮影する人は、このAモードのストロボ自動発光に任せておけば、安定した結果が得られそうだ。


□富士フイルムのホームページ
http://www.fujifilm.co.jp/
□「FinePix2700」のニュースリリース
http://www.fujifilm.co.jp/news_r/nrj424.html
□関連記事
【'99年2月4日】「富士フイルム、230万画素のデジタルカメラ『FinePix2700』」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990204/fuji.htm
デジタルカメラ関連記事インデックス
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/digicame/dindex.htm

■注意■

('99年2月5日)

[Reported by 山田久美夫]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp