プロカメラマン山田久美夫の「Cyber-shot DSC-F55K」β版実写レポート

プロカメラマン山田久美夫の

「Cyber-shot DSC-F55K」β版実写レポート

　世界初のコンシューマ向け200万画素モデル「SONY Cyber-shot DSC-F55K」。今回はβ版の初期モデルながらも、実際に屋外で撮影することができたので、その実写データを公開する。

　事実上、初めて公開される200万画素モデルでの実写データになるわけだが、いくら200万画素CCD+ツァイスレンズの組み合わせでも、正直なところ、これほど卓越した画質を実現しているとは思わなかった。ここまでくると、従来の130～160万画素クラスのモデルとは、明らかに一線を画すレベルといえる。

　また、最新のツァイスレンズらしい、鋭い切れ味と立体感、穏やかなボケ味などがうまくバランスしたレンズ描写も注目に値する。

　まだβ版初期のため、本来の実力が発揮されているわけではない。とくに、全体にやや赤みが強いが、「カラーバランスについては調整中」というコメント付きなので、その点は差し引いて評価していただきたい。もちろん、製品版までにさらなるリファインがなされることを念頭に置いてご覧いただきたい。

　なお、撮影はファインモード、1,600×1,200ピクセルで行なわれている。


菜の花 406KB		枯れ葉 638KB
マクロモードで撮影したカットだが、菜の花のシャープな写り。さらに、画面周辺部まで崩れることのない穏やかなボケ味は大きな魅力。さすがに200万画素クラスになると、CCDだけでなくレンズの実力が画質を大きく左右する世界といえる。		マクロモードで撮影した枯葉。逆光気味のシーンながらもコントラストがしっかりしており、シャープネスの点でもパーソナル機としては申し分のないレベル。なかでも、葉と木目とネジの質感の違いもきちんと描写されており、影の中の微妙なグラデーションもきちんと残っており、実に気持ちいい写りになっている。なかには若干コントラストが低めに見えるかもしれないが、これは従来機に比べてシャドー部(暗い部分)まできちんと描写されているためで、階調はきちんと整っている。なお、β版初期のため、カラーバランスなどは完全に調整されているわけではない。

みなと未来21の風景
596KB 浮き輪
441KB

　デジタルカメラがもっとも苦手とする遠景風景も、本機では実用十分な解像力が得られる。やはり200万画素モデルはひと味違う。とくに、画像を拡大してゆくと、対岸のホテルの名前まで読みとれるし、水面の微妙なさざ波の感じもよく描写されているのには感心するばかり。これは200万画素CCDの実力もさることながら、ツァイスレンズの描写力も大きく貢献している。　浮き輪やロープの質感(素材感)が、ここまできちんと再現されているのは実に立派。写りは実にシャープで切れ味がよく、それでいて、わずかにボケた背景のビルの写りも自然で、神経質なところがない点がいい。このあたりはやはりツァイスレンズの実力といえそうだ。

山下公園
551KB 石畳
829KB
　観光地などでごく普通に撮影するようなカット。デジタルカメラでもここまで写れば、旅先のスナップでも安心だ。とにかく、氷川丸の上を飛ぶカモメや、後方にいる観光客まできちんと写っているのはオドロキだ。これだけ写れば、コンパクトカメラの代わりに使っても、ほとんど不満はないだろう。　逆光に輝く石畳。デジタルカメラが苦手とするシーンだが、こんなカットでも描写力にさほど不満を感じることはない。とくに、画面の中心から周辺部までシャープに描写されており、切れ味の良さを感じさせる。また、ハイライトからシャドー部までの階調(グラデーション)もきれいだ。明暗比が高く、露出条件が難しいシーンだが、露出も的確で好ましい。

□ソニーのホームページ
http://www.sony.co.jp/index-j.html
□ニュースリリース
http://www.sony.co.jp/soj/CorporateInfo/News/199901/99-014/index.html
□製品情報
http://www.sony.co.jp/ProductsPark/Consumer/DSC/DSC-F55K/index.html
□関連記事
【1月28日】ソニー、ツァイスレンズ搭載の211万画素サイバーショット
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990128/sony.htm
【1月29日】プロカメラマン山田久美夫の
200万画素一番乗り「Cyber-shot DSC-F55K」超ファーストインプレッション
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990129/sony.htm

■注意■

各記事の実写画像の著作権は、山田久美夫に帰属します。無断転用・転載は著作権法違反となります。必要な場合はこのページ自身にリンクをお張りください。業務関係でご利用の場合は別途お問い合わせください。
実写画像は、オリジナルのままですが、縦位置のものはPhoto Shop 5.0Jを使用して画像を回転し、低圧縮（高画質）のJPEG形式で保存しています。
データの保存は、一般に画像にカーソルをあわせ、Windowsの場合は右クリック、Macintoshの場合はボタンを押し続けることでメニューが表示されます。この機能はブラウザ側の機能ですので詳細はマニュアルなどをご覧ください。

('99年2月4日)

[Photo by 山田久美夫]

【PC Watchホームページ】

ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp


みなと未来21の風景 596KB		浮き輪 441KB
デジタルカメラがもっとも苦手とする遠景風景も、本機では実用十分な解像力が得られる。やはり200万画素モデルはひと味違う。とくに、画像を拡大してゆくと、対岸のホテルの名前まで読みとれるし、水面の微妙なさざ波の感じもよく描写されているのには感心するばかり。これは200万画素CCDの実力もさることながら、ツァイスレンズの描写力も大きく貢献している。		浮き輪やロープの質感(素材感)が、ここまできちんと再現されているのは実に立派。写りは実にシャープで切れ味がよく、それでいて、わずかにボケた背景のビルの写りも自然で、神経質なところがない点がいい。このあたりはやはりツァイスレンズの実力といえそうだ。


山下公園 551KB		石畳 829KB
観光地などでごく普通に撮影するようなカット。デジタルカメラでもここまで写れば、旅先のスナップでも安心だ。とにかく、氷川丸の上を飛ぶカモメや、後方にいる観光客まできちんと写っているのはオドロキだ。これだけ写れば、コンパクトカメラの代わりに使っても、ほとんど不満はないだろう。		逆光に輝く石畳。デジタルカメラが苦手とするシーンだが、こんなカットでも描写力にさほど不満を感じることはない。とくに、画面の中心から周辺部までシャープに描写されており、切れ味の良さを感じさせる。また、ハイライトからシャドー部までの階調(グラデーション)もきれいだ。明暗比が高く、露出条件が難しいシーンだが、露出も的確で好ましい。