インテル株式会社は、ノートPC用のCPU「モバイルPentium II(以下Pentium II)」4機種と、「モバイルCeleron(以下Celeron)」2機種を発表した。すでに量産出荷が開始されていている。パッケージは従来のミニカートリッジとモバイルモジュールに加え、小型軽量のBGAが追加された。BGAパッケージの大きさは31×35×2.5(幅×奥行き×高さ)mm、約4g。
Pentium IIは、コードネーム“Dixon”と呼ばれていた製品で、従来よりも高速な366MHzと333MHzを追加するとともに、従来の300MHzと266MHzの製品も300PE MHzと266PE MHzにモデルチェンジした。366MHzのパフォーマンスは従来の300MHzに対し最大で27%のアップとしている。
Celeronは、“モバイルMendocino”と呼ばれていた製品で300MHzと266MHzのみ。ローエンドノートPCから、ミニノートPCまでを対象としており、従来のモバイル版MMX Pentiumを置き換えるものと位置づけられている。発表会では、'99年第2四半期にはほぼMMX Pentiumと入れ替わるとの見通しを示した。パフォーマンス的には、Celeron 300MHzは、MMX Pentium 300MHzよりも約58%アップしたとしている。
なお、Celeronと組み合わせるための新しいチップセット「440DX」も同時に発表された。モバイルモジュール版には440DXのノースブリッジが搭載される。
いずれも0.25ミクロンプロセスで設計され、Pentium IIは256KB、Celeronは128KBの2次キャッシュをCPUコアに統合し1チップ化している。トランジスタ数はPentium IIが2,740万トランジスタ、Celeronが1,890万トランジスタと、従来のモバイルPentium IIの750万トランジスタを大きく上回る。また、コア電圧は1.6Vとなった。ベースクロックは66MHzのままとなっている。なお、発表会ではベースクロックの100MHz化については'99年後半との見通しを示した。
製品名 | クロック | 消費電力 | 1,000個ロット時単価 |
モバイルPentium II | 366MHz | 9.5W | 80,840円 |
333MHz | 8.6W | 54,010円 | |
300PE MHz | 7.7W | 37,280円 | |
266PE MHz | 7.0W | 21,720円 | |
モバイルCeleron | 300MHz | 7.7W | 21,720円 |
266MHz | 7.0W | 12,310円 |
また、'99年の今後の計画として、0.18ミクロンプロセスの導入、モバイルPentium III、BlueToothによる無線LANの開発を挙げた。0.18ミクロンプロセスは上半期にPentium IIから導入される。モバイルPentium IIIは後半から量産出荷を開始、BlueToothは2000年の実用化を目指すとしている。
なお、質疑応答の際に、Pentium IIIに搭載と伝えられているプロセッサIDの導入に対するプライバシー保護団体からの抗議行動について質問があったが、「Pentium III自身が発表前の製品であり、現在は調査中」とのみ回答された。
□インテルのホームページ
http://www.intel.co.jp/
□ニュースリリース(和文)
http://www.intel.co.jp/jp/intel/pr/press99/990126a.htm
□ニュースリリース(英文)
http://www.intel.com/pressroom/archive/releases/mp012599.htm
□製品情報(和文)
http://www.intel.co.jp/jp/mobile/index.htm
('99年1月26日)
[Reported by date@impress.co.jp]