インテル、2次キャッシュを統合したモバイルPentium II/モバイルCeleronを発表

'99年1月26日 発表



 インテル株式会社は、ノートPC用のCPU「モバイルPentium II(以下Pentium II)」4機種と、「モバイルCeleron(以下Celeron)」2機種を発表した。すでに量産出荷が開始されていている。パッケージは従来のミニカートリッジとモバイルモジュールに加え、小型軽量のBGAが追加された。BGAパッケージの大きさは31×35×2.5(幅×奥行き×高さ)mm、約4g。

 Pentium IIは、コードネーム“Dixon”と呼ばれていた製品で、従来よりも高速な366MHzと333MHzを追加するとともに、従来の300MHzと266MHzの製品も300PE MHzと266PE MHzにモデルチェンジした。366MHzのパフォーマンスは従来の300MHzに対し最大で27%のアップとしている。

 Celeronは、“モバイルMendocino”と呼ばれていた製品で300MHzと266MHzのみ。ローエンドノートPCから、ミニノートPCまでを対象としており、従来のモバイル版MMX Pentiumを置き換えるものと位置づけられている。発表会では、'99年第2四半期にはほぼMMX Pentiumと入れ替わるとの見通しを示した。パフォーマンス的には、Celeron 300MHzは、MMX Pentium 300MHzよりも約58%アップしたとしている。
 なお、Celeronと組み合わせるための新しいチップセット「440DX」も同時に発表された。モバイルモジュール版には440DXのノースブリッジが搭載される。

 いずれも0.25ミクロンプロセスで設計され、Pentium IIは256KB、Celeronは128KBの2次キャッシュをCPUコアに統合し1チップ化している。トランジスタ数はPentium IIが2,740万トランジスタ、Celeronが1,890万トランジスタと、従来のモバイルPentium IIの750万トランジスタを大きく上回る。また、コア電圧は1.6Vとなった。ベースクロックは66MHzのままとなっている。なお、発表会ではベースクロックの100MHz化については'99年後半との見通しを示した。

製品名 クロック 消費電力 1,000個ロット時単価
モバイルPentium II 366MHz 9.5W 80,840円
  333MHz 8.6W 54,010円
  300PE MHz 7.7W 37,280円
  266PE MHz 7.0W 21,720円
モバイルCeleron 300MHz 7.7W 21,720円
  266MHz 7.0W 12,310円

インテル株式会社 傳田代表取締役社長  また、'99年の今後の計画として、0.18ミクロンプロセスの導入、モバイルPentium III、BlueToothによる無線LANの開発を挙げた。0.18ミクロンプロセスは上半期にPentium IIから導入される。モバイルPentium IIIは後半から量産出荷を開始、BlueToothは2000年の実用化を目指すとしている。

 なお、質疑応答の際に、Pentium IIIに搭載と伝えられているプロセッサIDの導入に対するプライバシー保護団体からの抗議行動について質問があったが、「Pentium III自身が発表前の製品であり、現在は調査中」とのみ回答された。

□インテルのホームページ
http://www.intel.co.jp/
□ニュースリリース(和文)
http://www.intel.co.jp/jp/intel/pr/press99/990126a.htm
□ニュースリリース(英文)
http://www.intel.com/pressroom/archive/releases/mp012599.htm
□製品情報(和文)
http://www.intel.co.jp/jp/mobile/index.htm

('99年1月26日)

[Reported by date@impress.co.jp]


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