アップルコンピュータ株式会社は14日の記者発表会で、Mac OS X Server日本語版を第2四半期(4~6月)に発売すると発表。キヤノン販売、大塚商会、Tooと提携し、3社を通じて販売する。価格はクライアント数には関係なく、標準価格128,000円となる予定。
Mac OS X ServerはMachカーネルとBSD 4.4を採用した、UNIXベースのサーバーOS。WebサーバーソフトのApacheやJavaなど、業界標準の技術を採用したほか、これまでUNIXとWindows NTのみの対応だった、インターネットアプリケーション開発環境「WebObjects」を搭載する。また、クライアント機をサーバー機の端末として起動できるNetBoot機能を備える。
ファイルサーバーとしては、1,000以上のユーザーを同時に扱え、同時に数千のファイルを開くことができる。ユーザーはTCP/IPまたはAppleTalkを介してファイルへのアクセスが可能で、サーバーの管理はWebベースのツールを使って、リモートでも行なえる。
ちなみに、Mac OS X ServerはサーバーOSであり、Mac OS Xの最初の製品でもあるため、従来のMac OSとの互換BOXは搭載されておらず、Mac OS用アプリケーションは利用できない。
記者発表会では、学校のクラスを想定してNetBoot機能をデモ。クライアント機を「N」キーを押しながら起動するとNetBootされる(サーバー機に設定されたクライアント用システムが起動する)様子を見せた。起動すると、UNIXではお馴染みのloginパネルが表示され、そこにユーザーIDを入力する。ユーザーごとのアクセス権情報は、サーバー側で制御できる。
サーバー上のひとつのクライアント用システムで複数のクライアント機を起動できるため、クライアント環境を統一的に管理するのが非常に楽であるとアピールした。ちなみにNキーを押しながらNetBootする機能に対応しているのは初代iMacと新iMac、6日に発表されたPower Macintosh G3および、今後発売されるすべてのMacintoshとのことだ。
また、デスクトップパターンやデスクトップに置いてあるファイルなどの個人的な環境も終了時にサーバー側にセーブできるため、クライアント環境の一括管理と同時に、個人別の環境も保持できるとデモした。
既存のデータベースなどを利用したWebページ自動作成などを可能にするWebObjectsのデモでは、運用例として日産自動車のショールームページ( http://showroom.nissan.co.jp/ )を紹介。製品情報の提供から見積もりの試算までできる同ページにはWebObjectsが使われているとデモした。また、ディズニーストア( http://store.disney.go.com/ )など数多くの有名企業のサイトでWebObjectsが利用されているとアピールした。
□Mac OS X Serverニュースリリース
http://news.apple.co.jp/1999/jan/14macosx.html
('99年1月14日)
[Reported by hiroe@impress.co.jp]