基調講演でJobs氏が用意した4つのサプライズ。そのなかの3番目が対応アプリケーションの増加であった。Internet Explorer 4.5などの紹介もあったが、特に強調していたのは、ゲーム環境の充実であったと思う。「Tomb Raider3」、「AGE OF EMPIRE」、「Quake II」など人気タイトルの移植をはじめ、OpenGLのサポートも発表、さらにはConnectix社の「Virtual Game Station」によるPlayStationのエミュレートと、一気にタイトル数が拡大したMacintoshのゲーム事情を展示会場からも集めてみた。
■Show Special! $49.00で販売中の「VIRTUAL GAME STATION」
わりと小さめのブースが多い北側ホールで、何やら人があふれているところといえば、そこはConnectixのブースである。決して大きくはないPlayStationステージは、いつも満員だ。また、カウンターではSpecial Priceの49ドルで「Virtual Game Station」を販売しており、こちらにもかなりの行列が伸びている。
ステージでのデモによれば、操作は極めて簡単である。PlayStationのエミュレータであるVirtual Game Stationをインストールし、起動するだけ。設定らしい設定といえば、使用するジョイスティックやゲームパッドに、ボタンをアサインする程度である。そして、エミュレータをスタートさせれば、PlayStationのディスクを挿入するようメッセージが出て、いよいよゲームがスタートする。起動はゲームのタイトル画面から始まり、見慣れたPSのロゴは表示されない。
説明によれば、北米のオペレーティングシステム(つまりMac OSの英語版)でのみ動作し、対応するソフトも北米で販売されているタイトルだけという。ご存じのユーザーも多いと思うが、もともとのPlayStationには地域別のプロテクトがあって、北米で販売されるソフトは、北米向けの本体でしか動作しない。これは日本においても同じことだ。また、北米で販売されているものでも、なかには動作しないものがあるという。こうしたサポートタイトルの情報は、Connectixのホームページに掲載される。
やはり気になるのは、ライセンスの問題。同社によればソニー・コンピュータエンタテインメント(SCEI)とはライセンス契約を結んでいるわけではなく、独自の技術でエミュレータを開発したという。SCEIがどのような対応をみせるか、今後の状況の推移にも注目が集まりそうだ。
とはいえ、何はともあれ購入してみた。幸いE3の取材などで北米向けのPlayStationソフトも何本か所有しているので、帰国後に機会があれば試用して、詳しく紹介することにしよう。
□Connectixのホームページ(英文)
http://www.connectix.com/
□ニュースリリース(英文)
http://www.virtualgamestation.com/
■ボンダイブルーのiMacユーザーに特権!? Voodoo2カード登場
快適なゲームプレイのために必要なのは、高速なCPUももちろんだが、ビデオカードの選択もまた重要である。これは、PC/AT、Macintoshを問わず変わらない。新型のPowerMacintosh G3にはあらかじめATI RAGE 128を搭載したビデオカードが取り付けられているが、既存のMacユーザーや、Glideなど他のAPIに対応したゲームをプレイするときは、ビデオカードの増設も必要だ。ゲームタイトルの増加にあわせて、こうしたビデオカードがいくつか登場している。
なかでもユニークなのは、Micro Conversions社より近日発売予定のiMacに搭載するVoodoo2カード。iMacのどこに取り付けるかと言えば、正式には非公開とされているMezzanineスロット。今回発表された新色のiMacではこのスロットが廃止されているだけに、Bondai BlueのiMacだけに可能な増設方法といえる。
□ATI Technologyのホームページ(英文)
http://www.atitech.com/
□ixMicroのホームページ(英文)
http://www.ixmicro.com/
□Micro Conversionsのホームページ(英文)
http://www.microconversions.com/
■PCエミュレータで、Windows対応のゲームをプレイ
Macintoshに搭載するPC Compatibleカードベンダーでは老舗のOrange Micro社。同社の新製品が、ゲーム用途に最適なPC Compatible Card「PC fx!」である。どのあたりがゲーム向けなのかといえば、グラフィックチップにNVIDIAのRIVA 128を採用しているところ。これでDirectXをサポートしたWindows対応のゲームが、快適に動作するというわけだ。
写真のSocket7対応CPUソケットには、Winchip 200MHzが搭載される。カタログによれば、これはユーザーによるアップグレードができない。標準で搭載されている32MB SDRAMのメインメモリは128MBまでアップグレード可能 |
□Orange Microのホームページ(英文)
http://www.orangemicro.com/
□製品情報(英文)
http://www.orangemicro.com/PCfx.html
('99年1月7日)
[Reported by 矢作 晃]