新Power Macintosh G3に標準搭載のインターフェイスになったことで、期待が高まるのが『FireWire』である。PCユーザーにはIEEE-1394の方が通りがいいかもしれないし、デジタルビデオカメラの利用者なら、DV端子やi.LINKといった名称のほうがピンとくるはずだ。しかし、基本的にはAppleとTexas Instrumentsが開発して基礎を作った技術。基調講演でスクリーンにFireWireのアイコンが表示された時の聴衆のどよめきにも「ようやくMacintoshに搭載された」という思いが背景にある。
これまでは、デジタルビデオ映像の転送などを主な用途として利用していたが、今回の採用は高速なシリアルインターフェイス(400Mbit/秒)として、SCSIのリプレースがその目的のひとつにおかれている。このあたりは、基調講演でJobsが言った「No Terminaters」というフレーズに会場が大ウケしたことからも、ユーザーの期待がうかがえる。
展示会場レポートの第二弾は、こうしたFireWire対応機器のなかからストレージ関連にしぼって、出展されている製品をいくつか紹介しよう。
■米国からは、VST Technologies inc.,
日本では馴染みが薄いものの、こちらでは大手のディスクドライブ製品の発売元である。今回のMACWORLD Expoのネームホルダーにもカードが入っていて、カードに名前を書いて応募すれば(運がよければ)PowerBook G3のデバイスベイ用ドライブがあたるというイベントを実施していた。
□VST Technologies Inc.,のホームページ(英文)
(1月7日現在、これらの製品に関する情報は掲載されていない)
http://www.vsttech.com/
■日本のブランドではヤノ電器が
いっぽう、日本の雄といえばヤノ電器だ。Macintosh用のドライブ機器メーカーとしては老舗のひとつ。最近ではiMac用のFDDや、USBカードリーダーなどを発売して元気なところを見せている。
Appleブース内の、FireWireのデモコーナーに出展されているMOドライブ。640MB対応である。メタリックなケースが印象的 | こちらは、ヤノ電器のブースにあるハードディスク。前述のMOと揃いのデザインである。これらは第一世代のモデルとして、2月以降に出荷される見込み。また、ブースには第二世代となるモックアップも出展されていた。そちらは、追って紹介する |
□ヤノ電器のホームページ
(1月7日現在、これらの製品に関する情報は掲載されていない)
http://www.yano-el.co.jp/
■新顔のCASTLEWOODはORBをプッシュ
'97年秋のCOMDEXで製品を発表、'98年秋のCOMDEXの時期にようやく製品の出荷をスタートさせたORBドライブ。2.2GB容量のリムーバブルハードディスクだが、米国ではSyQuest以来、こうしたメディアのニーズは高い。今回は、FireWire、SCSI、EIDE、USBと、あらゆるインターフェイス向けのドライブを出展している。
FireWireのインターフェイスを持つORBドライブ。展示されている製品は本体に内蔵されているものの、ケーブルは外部ポートから内部へ引き込んで接続を行なっている |
□CASTLEWOODのホームページ(英文)
http://www.castlewood.com/castlewood/web/
□ニュースリリース(英文)
http://www.castlewood.com/castlewood/web/press_firewire.htm
■YAMAHAのCD-R/RWはカッコイイ
CD-RやCD-RWのドライブで大きなシェアを占めるヤマハのブースには、既存のSCSI向け製品の他に、FireWire対応モデルのプロトタイプが出展されている。ちょっと見ただけではポータブルCDプレーヤーのようだが、背面にはFireWireの端子が搭載されている。
プロトタイプの出展で、現時点ではモックアップにすぎないが、なんといってもカッコイイのである。FireWire(IEEE-1394)は、家庭内ネットワークのインフラとしてAV機器などにも応用が期待されている。いかにもオーディオ機器らしいデザインは、このあたりが考慮されたものだろう。 |
□ヤマハのホームページ
(1月7日現在、この製品に関する情報は掲載されていない)
http://www.yamaha.co.jp/
('99年1月7日)
[Reported by 矢作 晃]