シナジー幾何学、自己破産申請



3/5発表会
'98年3月5日の発表会席上での粟田社長
 株式会社シナジー幾何学は12月21日、東京地裁に自己破産を申請した。負債総額は約9億円と見られる。同社は11月上旬から事務所を閉鎖しており、その動向が注目されていた。

 シナジー幾何学は、'85年10月に創業したコンピュータソフトの開発、出版業務を中心としたベンチャー企業。CD-ROMを使ったマルチメディアタイトルが注目を浴びる中、インタラクティブムービー「ガジェット」が“マルチメディアグランプリ通産大臣賞”を受賞するなどで一気に業界のトップメーカーとしての地位を確立した。また、同作品は海外でも高い評価を得ており、ロサンゼルスで開催された第1回Electronic Entertainment Expo(E3)に出展したほか、製作を担当した庄野晴彦氏は米Time誌に取り上げられるなどめざましい活躍を果たした。

 最近では、庄野氏が監督するCG映画「Underworld(アンダーワールド~ザ・サンズ・オブ・タイム)」の製作のほか、Twin Peaksなどで知られる映画監督デビッド・リンチ氏の次回作への投資を含め、ソフト制作費の高騰とヒット作の不在が問題となっていた。そんななか、金融機関からの資金調達の不調と、資金回収に応じられない状況に対して、事業継続が危ぶまれていた。

 シナジー幾何学は、おもちゃメーカーのツクダと共にPC向けゲームソフトを中心としたCD-ROM販売会社「ツクダシナジー株式会社」を設立していた。ツクダシナジーは「社名はどうなるかわからないが、事業は続けるつもりだ」という。

□シナジー幾何学のホームページ
(11月10日以降、更新されていない)
http://www.synergy-j.co.jp/
('98年12月25日)

[Reported by funatsu@impress.co.jp]


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