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株式会社ジャストシステムは、Java 2プラットフォームに対応した日本語ワープロ「一太郎 Ark for Java」を、'99年2月~3月にリリースすると発表した。リリース形態、価格については未定。Java 2のランタイム環境があれば日本語以外の環境でも動作する。
一太郎 Ark for Javaは、インライン入力やアウトラインフォントに対応した“Java 2”の機能をサポートしたワープロソフト。「機能は必要最小限に絞った」としながらも、フォント・サイズ/文字色の変更、アンダーライン、画像の貼り付け、表組みの編集、連番機能(一太郎において、Enterキーを押すと自動的に番号が入力される機能)などがデモンストレーションでも披露され、通常の編集作業を行なうには十分な機能を備えているようだ。
また、プログラムサイズが1MBと小さく、軽いことも特徴に挙げられる。対応文書フォーマットは、従来の一太郎形式、Microsoft Word形式(読み込みのみ)などに加え“XML”や“HTML”などもサポートしている。この他、Java 2のアウトラインフォント機能にも対応し、従来のワープロ同様の品質で印刷が可能だという。
これまでのJavaアプリケーションはプログラム実行速度が遅い印象が強いが、今回のデモンストレーションでは約10秒程度で起動していた(Javaランタイムを起動した状態で、はじめて起動した場合)。文書ファイルのスクロールに関しては従来のワープロと変わらないスピードで表示されていた。
会場では併せて、サーバー上で個人辞書を管理し変換作業もサーバー側で行なうATOK Serverも公開された。ATOK Serverは機能的には従来のATOKと全く同じで、日本語FEPに関する変換、辞書機能、個別設定などをすべてサーバー上で行なうもの。一太郎 Ark for Javaのパッケージとは別に販売される。ATOKなどのFEPが、一太郎 Ark for Javaに同梱されるかは未定。
一太郎 Ark for JavaはOSのプラットフォームを選ばず、どのマシンでも動作するJava対応ソフトとしてワンパッケージで販売される。JRE(Java Runtime Environment)最新バージョンを同梱し、買ってすぐに使えるようになるという。販売方法に関しては「パッケージ販売することは確実だが、プログラムの性質上、ネットワークなどその他の販売方法も模索していきたい(浮川社長)」としている。
発表会に出席した浮川和宣社長は「FD1枚をもって世界中どこに行っても日本語ワープロが使えるようになるのが理想だった」と発言。記者から出された、従来製品との切り分けに関する質問に対して「これから徐々に『一太郎 Ark for Java』がメインとなっていくだろう」とJava環境への期待感を示した。同製品は16日から開催される「Oracle OpenWorld 1998」で参考出品される。
「一太郎 Ark for Java」スクリーンショット | 見づらいが、英語版Windows 95上で「一太郎 Ark for Java」が動作している | デモンストレーションでは、違ったOS上で「一太郎 Ark for Java」と「ATOK Server」が動作していた |
('98年12月15日)
[Reported by funatsu@impress.co.jp]