HPブースで見つけたユニークなハンディドキュメントスキャナと、会場で見つけたメモリカード関連製品をレポートする。
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●ユニークなハンディ・ドキュメントスキャナ「HP CapShare 910」
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記録した画像データをPCに転送することもできる。これには方法が2種類あり、赤外線転送とシリアル転送の両方が利用できる。とくに、赤外線転送の場合、ノートPCはもちろん、同社の赤外線対応レーザープリンタに直接転送して印刷することもできる。また、ノキアのコミニュケーター(携帯電話ベースの携帯情報機器)に転送し、その液晶上で画像を見ることもできる。なお、PCに転送した場合には、PDF形式で保存することもできるという。
モノクロ専用機であり価格も699ドルと高価だが、出先での情報収集や大型原稿からのスキャンなどに威力を発揮しそうな、新しいタイプのドキュメントスキャナといえる。
□製品情報(英文)
http://www.capshare.hp.com
●メモリカードから直接印刷できる低価格インクジェットプリンタ
「LEXMARK Photo Jetprinter 5770」
米国では低価格プリンタとして有名な「LEXMARK」。最近は日本国内でも本格展開を始めているが、同社はこの秋、デジタルカメラからのダイレクトプリントを重視した、メモリカードスロット搭載のインクジェットプリンタ「Photo Jetprinter 5770」を発表した。
このプリンタは1,200×1,200dpiのA4版対応カラーインクジェットプリンタである「Photo Jetprinter 5700」をベースに、コンパクトフラッシュとスマートメディア用のスロットを追加し、単体での印刷を実現したモデル(PCからの印刷も可能)。また、オプションとして写真印刷用の6色インクもラインナップされている。その意味では、先だって発表された「エプソン プリントンPT-100」とコンセプトは同じだ。
基本操作としては、プリントン同様、カード内全画像のインデックスプリントを出力し、それを見ながらコマ番号を指定する方式を採用。また、プリントサイズの指定や1ページに複数の画像をレイアウトすることもできる。ただし、プリントンに搭載されているようなフィルタ機能は搭載されず、画質や操作性の点では明らかにワンランク劣る印象だ。もっとも、価格は349ドルとやや安価な設定となっている。
アメリカではデジタルカメラ市場が急速に拡大しており、それに対応した新しいコンセプトのプリンタとしてその動向が注目される。
□製品情報(英文)
http://www.lexmark.com/printers/5770/
●160MBのCF TypeIIカードや96MBのコンパクトフラッシュ、USBカードドライブなどを発表したSanDisk
メモリカードの大手メーカーであり、コンパクトフラッシュ(以下CF)の生みの親であるSanDiskは今回、Type2の160MB CFや96MBのCFといった大容量メモリカードと、既発売のCF専用ドライブであるイメージメイトのUSBバージョンを発表した。
まず、CF Type2規格としては初めての半導体メモリとなる160MBカードは、先だって正式発表されたIBMのCF Type2 HDD「MicroDrive」の対抗馬となる製品。容量当たりの価格ではHDDのほうに歩があるが、電力消費量や対衝撃性、信頼性といった点では半導体方式のほうが有利という。また、最近ではハンディターミナルなどにWindows環境を構築したいという需要があり、このクラスの大容量カードへの要望が高まっているという。発売は来年になってからであり、価格も未定。
一方、96MBのCFは同社のCFラインナップ中で最大の容量となるもの。すでに、日立から192MBのCFが開発発表されており、それに対抗するべく開発されたものといえる。もっとも、日立のカードはまだ開発発表段階であり、実際に市場に出回るのはこちらのほうが早そうだ。
また、同社のフラッシュメモリは、さ来年にかけて、書き込み速度の大幅な改善を施す計画もあり、最大で現在の3倍前後の高速化が図られるという。
USB版CFリーダーのイメージメイトは、外観上は既発売のパラレル経由のものと同様だが、iMacへの対応もあり、接続ケーブルだけがスケルトンタイプになっている。また、従来タイプに比べ、転送速度がかなり高速化されており、使用感も一段と軽快になっているという。こちらはまず米国で発売され、ソフト側の日本語化ができた時点で、日本国内での販売が開始される。価格は未定だが、比較的手頃な価格に設定される予定という。
●高速記録を強くアピールする「Lexar」
日本では自社ブランドでの製品を見かけることが少ないメモリカードメーカー「Lexar」。同社は現在、Digital Filmというブランドで、CFやスマートメディアをアメリカで発売しており、64MBのCFや16MBスマートメディア、各カードドライブなどもラインナップしている。
なかでも同社のCFは書き込みの速さが最大のウリとなっている。現在市販されているものは「High Speed 4×」というタイプで、通常のCFの4倍もの高速書き込みを実現しているという。
デジタルカメラの記録時間は、内部処理速度もさることながら、CFへの書き込み速度がネックになっている部分もかなりある。つまり、内部処理が早い高画素モデルの場合、この部分が高速化されれば、トータルとしての記録時間が大幅に短縮される可能性があるわけだ。
実際に同社のパンフレットを見ると、「富士フイルム DS-300」では通常のCFに対して、なんと300%もの高速化を図ることができ、「ニコン COOLPIX900」でも55%も記録時間が改善されるという。
もっとも、CFの場合、カメラ側のドライバとの相性があるわけだが、ほとんどのデジタルカメラがLexarのカードに対応したドライバを採用しているため、高速化が期待できるという。
CFなんてどれでも同じと思っている人が結構多いが、実際には相性もあり、書き込み速度もかなり異なる。互換性や信頼性といった点では、やはり本家であるSanDiskが一番安心であり、来年には同レベルまで高速化が図られるわけだが、このLexarも記録速度にこだわりを持つ人には十分検討に値する高速カードといえそうだ。
□COMDEX/Fall'98のホームページ(英文)
http://www.comdex.com/comdex/owa/event_home?v_event_id=248
('98年11月20日)
[Reported by 山田久美夫]