今回のCOMDEXで新たな展開を見せているのが、記録媒体系。ここに来て各社から続々と新製品が登場しており、いずれも発売直前か発売直後というだけあって、関連した各ブースには興味深い製品がずらりと並んでいた。
●発売間近の「HiFD」
200MBの容量を持つ「HiFD」も、ようやく正式に製品発表が行なわれ、ごく近いタイミングで市場に登場する見込みだ。今回のCOMDEXでは、開発元であるソニーと富士写真フイルムのほか、ティアックからもドライブが出品された。
ソニーは、CeBITやCOMDEX/Springなどのイベントでもデモを行なっていたが、今回はドライブ自体もプロトタイプではなく、きちんとした外装を備えた外部電源による外付け式ドライブを中心にアピール。
さらに、フロッピー互換であることもあって、VAIOノートを強く意識したデザインのノート用USBドライブも出品していた。こちらはまだプロトタイプだが、来年の発売を予定しているという。電源はUSB側で供給する。サイズ的にもVAIO PCG-C1に付属しているUSBフロッピードライブとほとんど同じサイズに収まっており、このまま製品化されるのであれば、HiFDであることを全く意識せずに使えそう。ぜひとも、早期の発売を期待したい。
ZipやSuperDriveから遅れて登場するHiFDだけに、どこまで普及するのかは、採用メーカーの数にも左右される。このあたりは、製品が発売されてみないとわからない部分だけに、来年の発売を待ちたい。
ティアックは今回、HiFD用の超薄型ドライブを出展。これはノートPCへの組み込み用途を強く意識したもので、流行の薄型ノートPCにも採用できる厚さだ。さらに、同ドライブを採用したと思われるノート用のUSB外付けドライブも出品されていた。こちらはWindows 95/98/NTはもちろん、iMacへの対応もきちんと謳われていた。通常の厚みのある外付けドライブも展示しており、こちらは正式発売と同時に出荷されそうだ。
富士フイルムは、もともとディスクメディアの開発を担当していたこともあって、メインはメディア。すでにブースでは、パッケージングされたHiFDディスクも展示されており、発売間近であることを明確に感じさせるものとなった。
●NECも参入「Clik!」
Iomegaの「Clik!」は、米国内では今月中に発売される。
日本では、メモリカードからのコピー用アダプタまでをフルセットで販売するスタイルだが、米国ではドライブ単体での販売も予定されており、価格的にも199ドル程度と比較的リーズナブルなもの。もっとも、40MBという容量はデスクトップ機用の媒体としてはすでに容量不足であることもあって、今回のデモでは、HDDを備えていないH/PCやデジタルカメラのメモリカードのバックアップ用にターゲットを絞ってアピールしていたのが印象的だった。
□COMDEX/Fall '98のホームページ(英文)
http://www.comdex.com/comdex/owa/event_home?v_event_id=248
('98年11月19日)
[Reported by 山田久美夫]