会場:幕張メッセ
主催:社団法人 日本電子機械工業会
'98国際放送機器展(Inter BEE '98)が、幕張メッセで開幕した。内容は、放送局向けAV機器の展示が中心となっている。放送機材が中心で、民生用機器の出展は少ないが、地上波デジタル放送とPC関連の展示をレポートする。
【試験放送のデモ】 |
ソニー製の 1セグメント受信機 |
本日から東京タワーで地上波デジタルのパイロット放送が開始されたことを受け、会場に用意された専用ブースでは、実際に受信した映像を見ることができるデモンストレーションが行なわれた。
パイロット放送は、MPEG-2をベースにした日本の暫定規格「ISDB-T」を利用したもの。HDTV(高精細度放送)とSDTV(多チャンネル標準テレビジョン放送)の両方に対応しており、「1つの放送局に割り当てられる13セグメントの帯域で、HDTVなら1チャンネル、SDTVなら最大3チャンネルを放送できる。各放送局ごとにセグメントを自由に利用できるため、高画質が必要な映画などの放送ではHDTV、通常の放送は多チャンネルのSDTV、といった時間帯ごとの切り替えも、技術的には可能」とした。
デモで公開された放送は、現在の地上波放送に見られるゴーストや滲みのないシャープな映像が印象的であった。また、HDTVは、現行地上波と同じ帯域を利用しながら、解像度の向上が肉眼で実感できるものとなっている。
現時点では、DiBEG(デジタル放送技術国際共同研究連絡会)で規格を策定している段階のため、正式な標準規格ではないが、「日本で採用される標準規格は、ISDB-Tとほぼ同じものになるだろう」という。
なお、HDTVは解像度1,920×1,080ピクセルでインターレース方式、SDTVは、解像度1,280×720ピクセルと720×480ピクセルでプログレッシブ方式が利用できる。
標準規格決定前のため、一般向けのデジタル放送対応チューナーの出展は、残念ながらなかったが、「ISDB-T」の1セグメント受信に対応したソニー製受信機が公開された。「ISDB-T」では、帯域中央1セグメントのみを部分受信することができ、データ放送や音楽/文字放送などに利用できる。製品については「1セグメントのみを受信するため、複数のセグメントを利用するHDTV、SDTVは受信できない」とした。
【Raptor Bay】 |
【DVRaptor】 |
カノープスは、DVノンリニア編集用キャプチャボード「DVRaptor」のオプション「Raptor Bay」を出展した。5インチベイに装着できる拡張コネクタボックスで、PCIボードにあるDV端子とビデオ端子、音声入力端子を、PCの前面から直接利用できるようになるのが特徴。発売は12月下旬で、価格は9,800円。
会場では、その他にハードウェアDVコーデック搭載のノンリニア編集システム「DVRex」のほか、「DVRaptor」などが展示され、実際に利用できるようになっていた。
□関連記事
【9月21日】「カノープス、DVノンリニア編集用キャプチャボード」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980921/canopus.htm
□'98国際放送機器展のホームページ
http://home.jesa.or.jp/guide/bee98/index.html
('98年11月11日)
[Reported by shiina@impress.co.jp]