今回のWORLD PC EXPO98では、美しい3D画像が特徴の最新海外ゲームが、CPUメーカーや3Dグラフィックアクセラレータを発売している各メーカーのデモコーナーで、展示されていた。この他にもマルチメディアコンテンツゾーンで、ゲームメーカーの展示があった。また、注目のゲーム関連デバイスがいくつか出展されていた。
●海外の最新ゲームが各ブースをにぎわす
国内では初めての登場となる「Tomb Raider III」。 | 高速なグラフィックエンジンが秀逸なレースゲーム「motorhead」 | 日本AMDにはズラッとイマジニアのゲームが並んだ | ATIのブースでは「Need For Speed III」を使ったゲーム大会 |
CPUメーカーや、3Dグラフィックスアクセラレータなどを発売している周辺機器メーカーのブースでは、海外の最新3Dゲームでにぎわっていた。
特に注目なのはクリエイティブメディアのブース。「Graphics Blaster RIVA TNT」をはじめ、Voodoo2やVoodoo Bansheeを搭載したマシンを多数展示。もちろんそれらのマシン上では最新の3Dゲームがバリバリ動き回っていた。この春発売され注目を集めたカーレースゲーム「motorhead」、9月には日本でも発売され、品薄状態となった3Dアクションシューティング「Unreal」、イマジニアのバイクレースゲーム「レッドラインレーサー」、そして日本初登場となるEidos Interactiveの「Tomb Raider III」だ。
海外では出すゲームいずれもが大ヒットし、大手デベロッパに急成長したEidos Interactiveだが、日本ではTomb Raiderシリーズ以外は、まだ無名に近い状態だった。しかし遂にTomb Raider IIIをひっさげて日本参入となる。第1弾は11月20日にアクションアドベンチャー「デストラップ ダンジョン」を完全日本語版で発売。間髪入れず、11月27日に海外発売とほぼ同時でTomb Raider IIIを日本語マニュアル付きで発売する。また、積極的に早い時期から日本語ローカライズも行なうようで、日本市場での意気込みがうかがえる。この後も続々と話題作が控えているので、Eidos Interactiveの今後は要注目だろう。
ちなみに今回出展されたTomb Raider IIIはだいぶ完成度の高いバージョンのようだ。出展されたバージョンで遊べるのは近未来風の基地内で、これまでとは少し違った雰囲気。赤外線探知機に引っかかると現われる敵や、起動するトラップなども設置されていた。RIVA TNT搭載ボードを積んでいるだけあってグラフィックのクオリティはピカイチだ。「~2」よりも数段クオリティアップしていると言っていいと思う。ゲーム好きであればチェックしておきたいブースだ。
この他、日本AMDのブースではイマジニアが発売している海外ゲームがズラッと並んだ。「Plane Crazy」や「レッドラインレーサー」のほか、10月23日発売となる「フォーミュラ・ワン」も出展されていた。同作品は、ホール1のゲームコーナー「DirectX Game Touch & Try」でも展示されていたが、こちらはかなりの人だかりができていたので、プレイしてみたい人はこちらで遊んでみた方が良いかも。
ATIテクノロジーズジャパンでは、この秋発売されるエレクトロニック・アーツ・スクウェアの新作カーレース「Need For Speed III」でゲーム大会を開催。
この他にもあちこちでイマジニアとエレクトロニック・アーツ・スクウェアのゲームのデモが行なわれていた。国産ゲームのデモが少なかったのは、こういった3Dグラフィックスを使った最新のPCゲームが国産モノでは少ないことが原因のようだ。開発するためには、コストがかかることとは思うが、ぜひ奮起して欲しいものだ。
□日本AMDの展示内容
http://www.amd.com/japan/event/pcexpo.html
●注目のゲーム用デバイスを各社が展示
なかなか面白そうなゲーム関連デバイスもあちこちで見かけた。
ます最初はホール1のマルチメディアコンテンツコーナーで見かけたケイビットコーポレーションの「Air-Racer」。原理的には不明だが(リリースによればモーションセンシングと言うことなので、マイクロソフトと同様の技術かもしれない)、マイクロソフトが10月に発売する予定の「SideWinder Freestyle Pro」と同じく、傾けるだけでキャラクターをコントロールできるアナログコントローラだ。会場ではコンシューマ機でデモが行なわれていたが、PC/AT互換機用も現在開発中で、近々発売できると言うことだ。
アイ・オー・データ機器のブースでは参考出品ながら、セガサターン用ジョイスティックを利用できるPCIバス対応のカード「IF-SEGA2/PCI(仮)」が展示されていた。これはすでに発売されている「IF-SEGA/ISA」「IF-SEGA/98」のPCI版なのだが、それだけではなく、なんと、SEGAのバーチャガンが使えるのだ。これまでPC版「バーチャコップ」などはマウスで操作していたため、いまいち雰囲気が良くなかった。アイ・オー・データ機器のオリジナルドライバを現在制作、チューンナップ中とのこと。どれほどのソフトに対応するのか? 発売時期などは不明だが、デモを見た限りでは十分遊べるものに仕上がっており、近いうちに登場するのではないだろうか。
また、その横ではプラズマディスプレイを2台設置して対戦ゲームが楽しめるようになっていた。これだけの環境でPCゲームが楽しめる人はなかなかいないと思うので、この機会に体験してみてはいかが?
この他では、マイクロソフトが10月に発売するモーションセンサー使用のコントローラ「SideWinder Freestyle Pro」と、Force Feedback機能搭載の「Force Feedback Wheel」を展示。
また、ナナオのブースでは実際に遊ぶことはできないが、3台の液晶ディスプレイを並べ、Windows 98のマルチディスプレイ機能を使ってフライトシミュレータを起動していた。実現可能なことはわかっていても、なかなかここまで試す人はいないはず。実際に3台で見た画面はド迫力だ。
□アイ・オー・データ機器の展示内容
http://www.iodata.co.jp/event/98/w/index.htm
□マイクロソフトの展示内容
http://www.microsoft.com/japan/events/wpe98/default.htm
□ナナオの展示内容
http://www.nanao.co.jp/home/news/wpcexpo98.html
●恒例の“DirectX Game Touch & Try”コーナーが盛況
恒例のゲーム体験コーナー「DirectX Game Touch & Try」が、今回も人気を集めていた。特に人気を集めていたのはイマジニアの「フォーミュラ・ワン」とエレクトロニック・アーツ・スクウェアの「Need For Speed III」。カーレースゲームの周りにはいつもプレイするための待ち行列ができるほどウケまくっていた。
また期待の新作として、システムソフトの「リアルタイム版大戦略+インターネット対戦」も出展されていた。ただし、出品されているバージョンは制作上の都合で完成度は低いという。この“制作上の都合”がなかなかシビアな問題で、実はこの作品、プログラムをロシアで作成しているのだという。ご存じのように現在ロシアは外貨問題などで連絡を取るのも一苦労といった状態ということだ。
ナムコはこれまで発売してきた「ナムコヒストリー」を一挙に公開。これまでに発売されてきたものなので、出品内容自体は新規要素はないが、そばに気になるポップが置いてあった。そのポップには「年内、ナムコヒストリーVol.4発売予定!」と書かれている。これまでにも開発中であることは公表されていたが、はっきり明示されたのは今回が初めてなのではなかろうか? 担当者に収録タイトルなど聞いてみたのだが、「詳細はお話しできない」の一点張り。ただし、近々発表できるとのことなので、わかり次第PC Watchでも報じていきたい。
このコーナーは、マイクロソフト主催の体験コーナーだが、(本誌読者は別として)一般の人にはなじみの薄い「DirectX」をコーナー名に冠しているため、ちょっと混乱しているユーザーもいるそうだ。ゲームメーカー担当者によれば、年輩の方などは「DirectXのすごいところを見せてよ」とおっしゃるそうだ。DirectXはあくまで“裏方”なので、DirectX単体がいかに優れているかを見せることはなかなか難しい。次回からはもうちょっと気の利いたコーナータイトルに変更したほうが、より一般層にアピールするのではないだろうか。
「DirectX Game Touch & Try」のそばはマルチメディアコンテンツゾーンとなっているため、この他にも数社がゲームを展示していた。
海外では最近注目を集めているフランスのゲームメーカーUbi Softが来年春にかけて発売するソフトを展示していた。すでにデモ版が公開中の「Monaco Grand Prix Racing Simulation2」とギミックやトラップに凝った賞金稼ぎレースを描いた「Speed Busters」、アクションゲーム「RAYMAN 2」などが実際に遊ぶことができる。いずれも最新3Dゲームということで、なかなかのクオリティだ。
セガ・エンタープライゼスは10月9日に発売する「セガメモリアルセレクション」、セガのコーポレイトキャラクター、ハリネズミのソニックが登場するレースゲーム「SONIC R」、せがた三四郎のキャラクターCD-ROM「せがた三四郎 超人伝説」などを出品。「SONIC R」は発売未定だが、かなり完成度の高いバージョンが展示されていた。また、テレビCMの威力か、認知度ナンバーワンのキャラクターせがた三四郎の「せがた三四郎 超人伝説」も常に人だかりができるほどの人気となっていた。
この他では、米Ripcord Gamesのゲームを日本語化して発売するというGFiネット、発売がのびている高校野球道を展示していた日本クリエイト、人気シミュレーションの続編「シムシティ3000」を展示していたエレクトロニック・アーツ・スクウェアなどが目に付いた。ちなみにシムシティ3000は配っていたチラシには「今冬発売予定」と記されているが、ブースには来春の文字が……。残念なことだ。
□WORLD PC EXPO98ホームページ
http://wpc98.nikkeibp.co.jp/
('98/9/30)
[Reported by funatsu@impress.co.jp]