プロカメラマン山田久美夫の

フォトキナ '98前日レポート
「早くも勢揃いした注目モデル!」



 世界最大のカメラ系イベントである「フォトキナ '98」。2年に一度、ドイツのケルンで開催される「フォトキナ」は、幕張メッセの数倍規模というケルン・メッセ(見本市)を舞台に、世界各国から1,000社以上のメーカーが一同に集う。

 開催期間は現地時間の16日から21日までで、現時点ではまだ開幕前だが、プレス関係者は会場内を取材することができる。開催前日はプレスカンファレンスやパーティーなどが開催された。

 今回は、開幕前日に、設営中の会場を巡って見つけた新製品や参考出品製品の主だったものを紹介する。もっとも、発表は開幕以降になるので、詳細なレポートは別途お届けする。



●富士フイルムからプリンタ一体型デジタルカメラ!?

 まだまだ準備中の富士フイルムブースで、見慣れぬデジタルカメラを発見。アクリルケースのなかには、かなり大柄だが、FinePix700風(?)のモデルが……。しかも、ボディには「DIGITAL IN-PRINTER CAMERA」とある。現場で設営していた担当者に訪ねたが、開幕前日ということで内容についてはノーコメント。開催後にその内容が明かされるという。
 だが、その周囲においてあった箱をみると、富士フイルムのインスタント写真システム フォトラマのパッケージがあったことから、デジタルカメラとフォトラマ式のデジタルプリンタを一体化した、デジタルインスタントプリントカメラであることは間違いなさそうだ。まったく新しいカテゴリのモデルだけに、興味がわくところでもあり、詳細がわかり次第、追ってレポートしたい。

□富士フイルムのフォトキナ関連ページ
http://www.fujifilm.co.jp/news_r/nrj385s.html

●ライカ初のパーソナルデジタルカメラ登場

 以前から同社のホームページなどでその存在が告知されていた、ライカ初のパーソナル向けデジタルカメラ「LEICA digilux」がついにその姿を現わした。これはもう、外観から見てもわかるように、オリジナルは「富士フイルム FinePix700」。機能的にもほとんど同一のようだが、現物を間近で見ると、これが妙に品があって、カッコイイ。ボディのカラーリングもFinePix700のようなシルバーではなく、わずかにゴールドの入った、ライカの高級コンパクトカメラ調。しかも、グリップ部には本革が張られており、前面にはライカのトレードマークである赤バッジが燦然と輝く。もちろん、同社ブースも設営中であり、ウィンドウ越しにしか、その姿を見られなかったが、予想以上にライカっぽい雰囲気に仕上がっているようだ。

□ライカのフォトキナ関連ページ(英文)
http://www.leica-camera.com/photokina/phkina_e.htm

●ミノルタはAPS一眼レフベースのプロ用機を出品

 まだ、ショーウィンドウに空きスペースが目立つ開幕前日のミノルタブース。ここでも見慣れぬデジタルカメラを発見! このモデルは同社のAPS版一眼レフ「ベクティスS-1」をベースに開発されたと思われる、プロ用のデジタル一眼レフだ。同社はもともと、「RD-175」という3CCD式デジタル一眼レフをラインナップしていたわけだが、本機はその後継機といえそうだ。
 こちらも、実機が展示されているだけで、詳細なスペックは開幕待ち状態。だが、モデル名に“3000”という数字があることから、300万画素(?)クラスのモデルであることは想像できるが、ボディ側面にある「DUAL CCD」という文字も気になる。

□ミノルタのホームページ
http://www.minolta.co.jp/japan/index.html

●アグフアは開幕前からデジタルカメラに人だかり!?

 ヨーロッパ最大のフィルムメーカーであるアグフア。事前情報では新製品である130万画素3倍ズームの「ePhoto1680」も出展予定になっており、設営中のブースの様子を見ておこう……と思い、ブースを遠目でみると、開幕前日だというのにデジタルカメラの展示スペースは人だかりが! と思ったら、これが等身大の人だかりの写真を並べて、雰囲気を盛り上げようという、ドイツ流の演出ジョーク。こんなところが、堅物のドイツのイベントといっても、どこかウイットに富んだ部分を持っているフォトキナのいいところ。

□AGFAのフォトキナ関連ページ(英文)
http://www.agfaphoto.com/events/photokina98/index.html


●【番外】銀塩カメラは超本格派中型カメラが勢揃い!

 本誌のレポートではデジタルカメラというしばりを入れているが、大きな話なのであえて銀塩カメラの話をお伝えする。

 コンパクトカメラをはじめとしたパーソナル向けカメラのデジタルへの移行を反映してか、今回のフォトキナではフィルム式の中判カメラで意欲的な新製品が続々登場。
 京セラは同社初のAF中型カメラである「コンタックス645」を発表。レンズはすべてドイツのカールツァイス設計による。価格は未定だが、本体と標準レンズのセットでは、日本では60~80万円程度になりそう。また、ペンタックスは同社の6×7cm判一眼レフであり、発売以来20年前後の超ロングセラーモデルをフルモデルチェンジし「ペンタックス67II」というネーミングで発表。今回はAFではないものの、AE(自動露出)機能が搭載された。

 あと数時間でフォトキナが開幕するわけだが、まだまだ魅力的な新製品や参考出品ものが目白押し! 今後の続報にも、大いに期待していただきたい!

□フォトキナのホームページ(英文)
http://www.icia.org/photokina/photokina.html
□関連記事
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http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/digicame/dindex.htm

('98年9月16日)

[Reported by 山田久美夫]


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