ATI新世代ビデオチップ「RAGE 128ファミリー」発表

RAGE 128Logo '98年8月27日 (現地時間)発表

 ATI Technologies Inc.は、8月27日(現地時間)、同社としては初の128bitグラフィックスアクセラレータチップ「RAGE 128ファミリー」を発表した。

 「RAGE 128GL」は、Windows NTワークステーションやハイエンドPC向けのビデオチップで、0.25ミクロンプロセス技術を採用し、312ピンのBGAパッケージに800万トランジスタを集積。チップ内には128bitの2Dグラフィックスエンジンと3Dグラフィックスエンジンに加え、Twin-Cache Architecutureによる8KBのテクスチャキャッシュと8KBのピクセルキャッシュメモリを搭載する。DACは標準で230MHz、オプションで250MHzを内蔵する。さらに、ハードウェアDVD/MPEG-2再生やHDTV出力(HD0)を実現したビデオ出力機能をサポートする。

 メモリインターフェイスは128bitで、ビデオメモリにはSDRAMまたはSGRAMを最大32MBまで搭載可能。最大解像度は1,920×1,200ドット/32bitカラーで、3Dも同解像度までアクセラレーションを行なう。また、ビデオ出力は720×480ドットに加え、1,280×720ドットのオーバーレイ出力もサポートする。

 RAGE 128GLは、SuperScalar Rendering(SSR)エンジンの採用により、1クロックサイクルあたり2ピクセルの処理を実現。さらに、Single-pass Multi Texturing技術により、1クロックで2つのテクスチャを処理することで、lighting、shadows、bumpなどの効果を高速化することを可能にしている。RAGE 128は、3D APIとしてDirectX 6、OpenGL(ICD)をサポートする。

 また、マザーボードへの搭載を主な用途とした、RAGE PRO TURBOとピン互換を持つ廉価版チップ「RAGE 128VR」も発売される。256ピンのBGAパッケージで、メモリインターフェイスが64bitとなる以外はRAGE 128GLと同等。ただし、ビデオメモリはSDRAMに加え、これまでの2倍のデータ転送能力を持つDDR SGRAMを搭載することが可能となり、DDR SGRAM搭載時にはRAGE 128GL同等のパフォーマンスが発揮できる。両チップともサンプル出荷はすでに開始されており、量産出荷は9月を予定している。10,000個ロット時の単価はRAGE 128GLが40ドル、RAGE 128VRは30ドル。

 なお、RAGE 128GLを搭載したビデオカード3製品も発表された。「RAGE MAGNUM」は、3D CGや3Dアニメーション、CAD/CAMなどのハイエンド用途を目的としたWindows NTワークステーション用にOEM出荷されるハイエンドビデオカード。ビデオメモリにはSDRAMを32MB搭載し、10月には出荷を開始する。

 一般市場向けの最上位モデルとしては、RAGE 128GLに32MB SDRAMを組み合わせた「RAGE FURY」が用意される。このモデルは、DirectX6やOpenGLに対応し、高性能の2D/3Dグラフィックス性能を発揮するほか、ハードウェアDVD再生をサポート。さらに、オプションのTVチューナーカードを搭載することで、HDTV出力にも対応する。発売は10月を予定しており、価格はAGP(2X)版、PCI版とも299ドル。

 中軸となる廉価モデルとして、RAGE 128GLと16MB SDRAMを搭載した「XPERT 128」が用意される。出荷開始は同じく10月で価格はAGP 2X版、PCI版とも199ドル。

□ATIのホームページ(英文)
http://www.atitech.com/
□ニュースリリース(英文)
http://www.atitech.ca/news_awards_events/press_releases/1998pr.html
□製品情報(英文)
http://www.atitech.com/showcase/showcase1/rage128/splash.html

('98年8月28日)

[Reported by DOS/V POWER REPORT]


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