【イベント】

ぱそまる'98レポート デジカメ編


山田久美夫のぱそまる'98、デジタルカメラレポート

会場前
会場:東京ビッグサイト 西ホール
開催期間:7月24日~26日

連絡先:「ぱそまる'98」運営事務局
Tel.0120-15-8098



 “家族ではじめるマルチメディア”がテーマの、異色のイベント「ぱそまる98」が東京ビッグサイトで26日まで開催された。このイベントはマルチメディア全体を網羅する内容で、インターネットからデジタルカメラまで、実にさまざまなものが出展されている。もちろん、“家族ではじめる”とうたうだけあって、通常のパソコン系イベントと違って、わかりやすいデモンストレーションを中心とした展開になっている点が大きな特徴といえる。

 今回のイベントでは、デジタルカメラ関係のメーカーは意外に少なく、オリンパス、カシオ、サンヨー、ニコン(IBMブースで出展)という感じ。だが、松下やNEC、IBMなどがデジタルカメラ関連の機器やソフトを出展。さらに、それ以外のブースでも、マルチメディアシステムへの画像入力機器としてデジタルカメラを数多く利用していたのが印象的だった。また、会場内は夏休みということもあって、通常のPC系イベントと違い、子供連れでの来場者が目立っていた。


●オリンパス:パソコンを置かない展示

OLYMPUSブース  オリンパスは今回、先だって発表されたばかりの「Photoエディタ」を中心とした展開。しかも、ブース内にはパソコンが一台もなく、PCレスでデジタルカメラを楽しむという、思い切った展開をしていたのが最大のポイントだ。

 小柄なブースではあったが、「C-840L」や「C-1400L」はもちろん、話題の「アイトレック」なども展示されており、デジタル映像のリーディングカンパニーというイメージを強調していた。


CAMEDIA VS100MO PCレスデジカメシステム アイトレック
MOドライブがセットになったVS100MO
PCを使用せずに画像の保存や印刷を行なうデモ
フェイスマウントディスプレイ「アイトレック」


□オリンパスのホームページ
http://www.olympus.co.jp/


●カシオ:記念撮影に人気

 カシオは、今回も「QV-5000SX」や「QV-770」を中心に、動画も撮れる製品を強くアピール。しかし、ブースでの一番人気はやはり記念撮影コーナーで、QVを使って撮影し、その場でカレンダーを作ってくれるというもの。来場者も普通のPC系イベントでは見かけないような、乳母車を引いた家族づれが目立ち、記念撮影の行列に加わっていた。

 今回は、マルチメディアがメインテーマだけに、モバイル系の出展がなかったのはちょっと残念だった。

カシオブース 動画もとれる製品 記念撮影コーナー
カシオのブース
動画をとれる製品をアピール
QVの画像から作成したカレンダー


□カシオのホームページ
http://www.casio.co.jp/


●サンヨー:DSC-V100の軽快さに注目

 サンヨーは、話題の高速VGAモデル「マルチーズ DSC-V100」を中心に、デジタルカメラ一色のブース展開。

 「DSCーV100」は、その高速記録による軽快さと同時に、音声付きで動画が撮影できる点をアピール。来場者の反応もなかなかいいようだったが、動画記録よりも軽快さに注目が集まっていた。

 また、他社と同じくプリントアウトによるデモも行なっていたが、こちらは81万画素の「DSC-X1」がメイン。やはり同社もそろそろ、DSC-V100の高画素版か、メガピクセル機をラインナップして欲しいところだ。

サンヨーブース 記念撮影コーナー
サンヨーのブース
音声付きで動画を撮れるDSC-V100


□サンヨーのホームページ
http://www.sanyo.co.jp/


●ニコン:IBMブースでCOOLPIXを展示

 日本IBMの総合画像処理ソフト「デジカメの達人」の関係か、日本IBMブース内で出展していたニコン。今回は「COOLPIX900」や「COOLPIX600」と、306dpiの昇華型プリンターを組みあわせて、PC入力+ホームプリントといった展開を図っていた。

デジカメの達人 記念撮影コーナー
総合画像処理ソフト「デジカメの達人」
COOLPIX900


□ニコンのホームページ
http://www.nikon.co.jp/


●松下電器:306dpiの新プリンタ

 松下電器はDVDを中心とした展示だったが、デジタルカメラも出展されており、先だって発売されたばかりの306dpiのA6版昇華型プリンタと組み合わせてデモを行なっていた。

 このプリンタは昨年発売されたPCカード対応の144×288dpiモデルの後継機で、今回は解像度が306×306dpiと大幅に向上し、さらに印刷面を保護するオーバーコート層を設けることで、耐久性を飛躍的に向上させている。高画素時代に対応して、画質の向上はもちろん、画像の展開時間も高速化されており、安心して使える製品に仕上がっていた。

COOLSHOT II プリンタと組み合わせたデモを実演
COOLSHOT II
プリンタと組み合わせたデモを実演


□松下電器のホームページ
http://www.panasonic.co.jp/panasonic-j.html


●NEC:パソコンを使わない機器2機種

 NECは、デジタルカメラ本体の展示こそなかったものの、PC系のイベントでは滅多に見られないテレビ一体型デジタルカメラ編集ビューワ「デジぴっくる」や、デジタルカメラ一体型のテレビ用インターネット端末「MULCO」などを出品していた。

 「デジぴっくる」は、14型テレビに、640×480ピクセル(35万画素)データ用の編集機能を組み合わせたもの。具体的には、PCMCIA Type2カード(スマートメディアやコンパクトフラッシュカードでも変換アダプタを介せばOK)に収録されたデジタルカメラの画像をテレビ画面に表示でき、3.5インチフロッピーディスクに記録できるもの。

 もともと、35万画素全盛期に企画されたものであり、テレビ再生がメインなだけに、640×480ピクセルより高画素のデータが入力されてもVGAに縮小されてしまい、その意味がなくなってしまうというシロモノ。機能的には、プリクラ風フレームが合成できるほか、3.5インチフロッピーにデータをコピーする機能も備えているが、メディアの容量からいって、あまり実用性はない。また、プリンタを接続してのデモが行なわれていたが、こちらもビデオアウトを利用したもので、クォリティが期待できないなど、コンセプトは理解できるが、現時点では企画倒れという感じだ。

 これが高画素対応で、大容量の最終記録メディアに保存でき、デジタルアウトでのプリンタが接続できれば、それなりの需要があると思うのだが……。

14型テレビにデータ編集機能を内蔵 テレビにPCカードスロットが内蔵される
「デジびっくる」
テレビの正面にPCカードスロットを備える


 一方、デジタルカメラを使ったインターネット端末として、なかなかユニークな存在といえるのが「MULCO」。テレビ用インターネット端末としては、ソニーのWeb TV端末などがあるが、本機は320×240ピクセル(1/4VGA)のデジタルカメラを一体化することで、簡単な操作で電子メールに画像を貼り付けられるのが大きな特徴。

 しかも、カメラ部だけを取り外して、カメラ単体で持ち歩いて撮影することもできる。レンズは単焦点式で、ピントも固定式。メモリは内蔵専用だが、320×240ピクセルと画像サイズが小さいこともあって、40枚の記録ができる。なお、最近になって25,000円で、このカメラ部だけ単体で発売している。

 また、電子メールに添付する画像には、富士フイルムのClip-itシリーズ(スマートメディア+PCカードアダプター経由で入力)や、カシオのQVシリーズ(別売のシリアル転送ケーブル併用)も利用できるという。

 説明員の話では、インターネット端末用にはこの画素数でもよいが、やはり取り外して持ち歩けることもあって、汎用性を考え、より高画素のデジタルカメラ部も検討しているという。

「MULCO」 MULCOの操作画面 内蔵専用デジタルカメラ 高画素版も検討中という
「MULCO」
MULCOの操作画面
デジタルカメラが内蔵される
取り外すとこんなかんじ


□NECのホームページ
http://www.nec.co.jp/

□「ぱそまる '98」のホームページ
http://www.nikkei.co.jp/events/pasomaru/


('98/7/27)


[Reported by 山田久美夫]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp