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「第1回 スピード・パソコン組立世界大会」はまず最初にパソコンの組立が行なわれ、終了後正確に組み立てられているか審査が行なわれる。もしミスがあった場合そのポイントに応じて完成タイムに1分づつ加算されていくシステムとなっている。
25日の朝10時10分。北は北海道、南は福岡から集まった10名の選手がステージにずらりと並んだ。いずれ劣らぬ組み立て強者たち。
ひとりひとり、壇上で意気込みを語っていく。札幌Windows館の予選で最高タイムを叩き出した斎藤 厚志選手は「10分ほどで組み立てたいですね」と強気な発言。これに触発されたのか大阪アップル館大会での優勝者、櫻井 啓一郎選手は「関西人の意地を存分に見せたい!」と対抗。ますます大会はヒートアップしていった。
だがここで、気のはやる選手達に冷水を浴びせるような審判員の厳しい言葉が発せられた。今回の審判を務めたT-ZONEミナミ店の斉藤一志さんが「今回は決勝戦と言うこともあり、予選では大目に見ていた部分もすべて減点対象とします」と宣言。嵐の戦いの予感がいやが上にも増していった。
用意されたパーツの数々。これらを十数分で組み立て挙げるのだ |
スタート直前。パーツをチェックし、組立課程をイメージする参加者達 |
開始から11分が過ぎ、12分にさしかかろうとした時、舞台の真ん中あたりから勢いよく手が挙がった。「ハイ!」最初に手を挙げたのは東京ミナミ店代表の阿部 貴幸選手、その人であった。「緊張しました」とコメントしながらもその顔は一仕事終えた充実感でいっぱいだった。そして次に手が挙がったのが同じくミナミ店代表の原田 勝彦選手。終わるや否や「ねじがテーブルの端っこから落ちた!」と絶叫。3番目に終わったのは優勝候補とされていたミナミ店の切田 晴久選手。優勝候補とあってか、試合中はかなりのプレッシャーを感じたという。
この時点で上位3位まで、すべてミナミ店からの選手が独占したかたちとなったが、まだまだ試合はわからない。パソコンが起動しない、または破損した場合その場で失格となるからだ。組立が終わったからと言って安心はできない。選手の額に冷たい汗が走る。
次に手が挙がったのが大阪店代表の櫻井選手。ところがマウスはおろかキーボードも接続されていない。審判の「本当に完成ですか?」の声に、櫻井選手、思わず「キャンセルです!」。このごたごたの間に札幌の斎藤選手が一瞬速くフィニッシュ。「CD-ROMドライブの付け方を間違えたようだけど、総合的にはバッチリ」と自信満々。その後も続々と完成し、30分以内にすべての選手が完成し終えていた。
そして、審判が手際よく組みあがったパソコンをチェックし始めた。チェックポイントとなった点を審判員に確認する選手達。大きくうなずく者、がっかりする者、選手同士で熱く語り合う者。同じ戦いの場を共有した独特の友情のようなものを感じた。
そして、ここで大きな番狂わせが起こった! 2番で完成させた東京ミナミ店の原田選手のパソコンが立ち上がらないのだ。がっくりとうなだれる原田選手。原因は明らかにされなかったがCD-ROMドライブが接続未完であったらしくマシンが立ち上がらなかったのだ。
結果は、一番に組立を完了した東京の阿部選手。完成タイムが11分58秒というのもすばらしいが、ミスも少なく2ポイントしかマイナスされず、最終タイムが13分58秒。終わってみれば圧倒的な差での優勝となった。
2位は、完成キャンセルも何のその! 関西人の意地を見せつけた大阪の櫻井選手。最終タイムは17分14秒。3位はプレッシャーをはねのけての入賞となったミナミ店代表の切田選手。4位は札幌の斎藤選手、5位は福岡の関岡 晶選手といった結果となった。こうして、各代表選手の暑い夏は終わりを告げた。
今回5位までに入賞した選手には9月に予定される世界選手権へエントリーされる。その日までさらに腕を磨いて、新たなる戦いに挑んでいただきたい。
ダントツのスピードと正確さで優勝をかっさらった東京ミナミ館代表の阿部 貴幸さん | マウスやキーボードをつけずに完成宣言してしまい一度はあわてたが結果は2位。大阪代表の櫻井 啓一郎さん | 予選通過タイムはトップだった東京ミナミ館代表の切田 晴久さん。「プレッシャーに負けた」と言うことで3位 |
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左から5位の関岡 晶さん(福岡キャナルシティ店)、2位の櫻井さん、優勝の阿部さん、3位の切田さん、4位の斎藤 厚志さん(札幌Windows館)。笑顔でガッツポーズ! | 優勝した阿部 貴幸さん。優勝コメントをビデオでどうぞ。世界大会もがんばれ! |
('98/7/27)
[Reported by funatsu@impress.co.jp]