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ブースの構成としては、「PowerMacintosh G3」、「PowerBook G3」、「QuickTime3」、「Mac OS」と製品ラインごとに小さなデモンストレーションステージを外に向けて構えて、ブースの内側ではそれぞれに対応したソリューションの展示を行なうといった形である。
「PowerMacintosh G3」のコーナーでは、開幕前に噂されたOver 300MHzのG3搭載デスクトップモデルの発表が見送られたこともあって、こちらの人影はまばら。ソリューションの展示では、FireWire(IEEE1394)拡張カードを使ったデジタルビデオの編集など、G3の能力を誇示するような内容が多い。デジタルビデオ編集の現場では、現在のG3マシンはPCIバスの数が少ないことがウィークポイントとして挙げられているが(高速なビデオカード、キャプチャカード、RAIDやUltraWide SCSIのカードをいれたら一杯になってしまう)、当面はサードパーティ製のPCIバス拡張ボックスを使って凌いでいこうという感じだ(PCIバスを6本持つG3マシンの開発の噂はある)。
Appleの黒字化を担ったラインナップではあるが、特に新製品はないので聴衆もやや少な目なPowerMacintosh G3のプレゼンテーション | PCIバススロットを6本増やすための拡張ボックス。外見はどうみても自作のAT互換機である。プロユースにはラックマウントの製品もある |
「PowerBook G3」のコーナーは、基調講演でJobs氏も触れたPowerBook G3用のDVD拡張キットには来場者の注目が集まった。同氏の言葉を借りれば「これで、航空機のなかでもDVDによる映像を楽しむことができる」というわけだ。価格はCard Busに対応したDVD-Video用PCカードとドライブベイに装着するDVD-ROMドライブのセットで499ドル。ドライブだけなら199ドルになる。米国ではBTOのシステムが浸透しており、来場者の購入相談でも、手元の価格表を示しながらニーズに合わせた機器の構成をアドバイスする姿が印象的である。
これが、DVD-Videoカード。外部接続が必要なコネクタなどはなく、スロットに挿入するだけでDVD-Videoを楽しむことができる | やや見にくいが、これがDVDプレイヤーのコントロールパネル。下部にあるトリックプレイ用のボタンはパネルの開け閉めができるデザイン | デモ機のかたわらにはBTOによる価格の一覧が常に用意されている |
基調講演ではPhil Schiller氏によってAllegro(Mac OS 8.5)のデモンストレーションが行なわれたが、展示会場では動作しているデモはなく、スライドによるプレゼンテーションのみ。続くMac OS Xも同様の扱いとなっている。またブースは異なるが、Developer CentralのコーナーにはRhapsody 1.0(Mac OS X Serverとなる)と、Carbon APIを紹介するコーナーが設けられて、テクニカルな質問への対応を行なっていた。
「Mac OS」のプレゼンテーション。画像では見えにくいが、ここで使われているデスクトップピクチャがとてもかっこいいのだ | Mac OS 8.5のデモ画面はなし。機能などを紹介するスライド形式のプレゼンテーションだけ行なわれた | Mac OS Xもスライドのみ。この画面からOS XはG3プロセッサに特化したOSであることがわかる |
Developer Centralに展示されている「Rhapsody1.0」。OS X Serverとして今年中にリリースされる。基調講演で示されたマイルストーンでは、来年早々にOS Xがβ、後半には出荷されるという | 増えすぎたMac OSのAPIを整理統合し、Mac OS Xでのアプリケーション互換のカギを握るCarbon API。ソフト開発者の質問が相次ぐ |
□米Apple Computerのホームページ
http://www.apple.com/
□MACWORLD Expo/New Yorkホームページ
http://www.macworldexpo.com/mwny98/index.html
('98/7/10)
[Reported by 矢作 晃(akira-y@st.rim.or.jp)]