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(写真左:ソニーの薄型ノートの展示ブース)
今年の「PC EXPO」では、ハンドヘルドPC(H/PC)、パームトップPC(PPC)などの携帯情報端末(PDA)、次世代Pentium IIプロセッサの「Xeon」を搭載したサーバーやワークステーションのほかに、各社から液晶ディスプレイ、大容量FDD、また薄型ノートPCなどが多数出展され、話題を集めた。会場のデモでは、ほとんどすべての企業で液晶ディスプレイを使用しており、本格的なフラットパネル時代の到来をうかがわせた。
IBM、NEC、Compaq、ソニー、三星電子、LG電子などの各社から製品が展示された液晶ディスプレイは、CRTディスプレイに比べて消費電力が約3分の1、またスペースを取らないところから、急速に人気が高まっている。ほとんどの企業ではTFT液晶が主流であり、サイズは14インチが半数以上である。さらに、1,000ドルを切るという大幅な価格下落がこのトレンドに拍車をかけている。
液晶ディスプレイ分野で一番売れているIBMからは「Flat Panel Monitor」が展示された。広報担当によると、同社では16インチの販売が中心になっているという。またNECからは「MultiSync LCD 1510」と20インチの「2010」、ソニーからは日本で3月16日に発売された「CPD-L150」、Compaqからは「EP500」が展示された。EP500は15インチで999ドルとなる。
液晶ディスプレイ分野では従来、日系企業が市場を牛耳っていたが、三星電子やLG電子などの韓国系企業が攻勢をかけるべく、新製品を展示していた。三星電子からは「SyncMaster 400TFT」と「500TFT」、'94年に液晶ディスプレイ市場に参入したLG電子からは「500LC」が展示された。とくにLG電子では、PC EXPOのパンフレットに大きく広告を掲載したりパーティを開いたりと精力的なプロモーションを行なっていた。
また、大容量FDD分野では、市場シェアのトップを占めるIomegaやImationのほかにも、ソニーやCaleb Technologyなどの企業が新たに参入した。ソニーのブースでは、新大容量FDD「HiFD」のデモを行なっており、観客の注目を集めていた。HiFDは容量200MBでドライブ価格は200ドル前後、メディア価格は17ドルとなる。また、Caleb Technologyからは「UHD144」が発表されたが、容量144MBでドライブ価格は100ドル前後、メディア価格は7ドルと、手頃な価格設定になっている。
Iomegaからは人気の「Zip」、Imationからは「SuperDisk」が出展され、各ブースで派手な宣伝を行なっていた。Iomegaは大容量ストレージ分野ではトップのシェアを誇るが、6月末の四半期決算で2,500万~3,500万ドルの損失を出す見込みを18日に発表しており、600~700名の人員削減を計画している。同社は前四半期にも1,860万ドルの損失を報告しており、アナリストらは次四半期も赤字決算を計上すると悲観的観測をしている。
Zipの人気はまだまだ根強いものの、Iomegaはテクニカルサポート上の不備により消費者から訴訟を起こされたこともあり、今後は1.44MBのFDと互換性のあるSuperDiskやHiFD、またUHD144がどこまでZipを追撃できるかが注目される。
□PC EXPO 1998ホームページ(英文)
http://www.pcexpo.com/
□米IBM「Flat Panel Monitor」のホームページ(英文)
http://www.pc.ibm.com/us/accessories/family/fom9516.html
□NEC「MultiSync LCD 1510」製品情報
http://www.nehe.nec.co.jp/press_s/ds/lcd1510.htm
□米Compaqのホームページ(英文)
http://www.compaq.com/
□三星電子「SyncMaster 400TFT」製品情報(英文)
http://samsungelectronics.com/cgi/p.db.view.cgi?mno=267&pid=4
□LG電子「500LC」製品情報(英文)
http://www.lgeus.com/500lc.html
□ソニー「CPD-L150」製品情報
http://www.sony.co.jp/soj/CorporateInfo/News/199802/98-012/index.html
□ソニー「HiFD」製品情報
http://www.sony.co.jp/soj/CorporateInfo/News/199710/97-1014/index.html
□米Iomegaのホームページ(英文)
http://www.iomega.com/
('98/6/22)
[Reported by HIROKO NAGANO, iMMERS, Inc.]