【イベント】

新たなx86互換プロセッサ「mP6」やCompactFlash Type2製品が展示される

COMPUTEX TAIPEI '98レポート Vol.5

開催地:台湾・台北市
主催:台北市コンピュータ同業協会
会期:6月2日~6日(現地時間)

●新たなx86互換プロセッサ「mP6」が展示される
 会場では、新たなx86互換プロセッサ「mP6」が展示されていた。米国のRISE TechnologyによるSocket 7対応プロセッサで、これまで開発表明だけはされていたが、製品が公開されたのは初めて。

 仕様に関しては「低価格・低消費電力」で「同クロックではPentium IIと同等性能」としているが、動作クロックや対応電圧などの詳細は非公開。ただし、展示をしていたAcer LaboratoriesやUtron Technologyでは、100MHzのベースクロックに対応したマザーボードとセットで展示されていたことから、ベースクロック100MHzに対応していることも考えられる。なお、Socket 7に対応した通常のパッケージのほか、ノート用というBGAパッケージのmP6も展示されていた。

 RISE Technologyでは「今後、さまざまな価格/性能/機能を持ったCPUを作っていく方針」としており、CPUコア部分のみを他社にライセンスすることもできるという。詳細に関しては数カ月後に発表される予定。

□RISE Technologyのホームページ
http://www.rise.com/

●UtronがSocket 7用の100MHz対応チップセットを出展
 Utron Technologyでは、ベースクロック100MHzに対応したSocket 7用チップセット「UT85C511/UT85C512」を展示した。主にローエンド向けの製品で、USBやUltra ATAなどには対応しているものの、AGPはサポートしていない。会場では評価サンプル用マザーボードが複数展示されており、その中にはRISEのSocket 7対応CPU「mP6」を搭載したものも見られた。CT85C511/CT85C512を搭載したマザーボードに関しては「年内には発売される予定」だという。

 なお、会場で配布されていたUtronの製品ラインナップ資料には、K6-2/333MHzで使用されるベースクロック95MHzに対応したクロックジェネレータチップ「UT82C591」も掲載されていた。

□Utron Technologyのホームページ
http://www.utron.com.tw/

●Palm-size PC向けのCompactFlash Type2カードが多数登場
 「現在、唯一のCompactFlash Type2メーカー」だというC-ONE Technologyのブースでは、CompactFlash Type2に対応したI/Oカード類を多数展示していた。
 製品は、シリアル、パラレル、イーサネット、モデム、SCSI、IDEの6種類で、いずれもOSにWindows CEを搭載したPalm-size PC向け。SCSIカードとIDEカード以外は既にWindows CEでサポートされているという。また、SCSIカードとIDEカードについても「Microsoftと協力して対応作業を行なっているので、そのうちサポートされるようになる」としている。量産出荷は7月の予定で、その際には小型化や省電力化などの改良が加えられるとのこと。
 なお、同社が会場で配布していた資料には「CompactFlash Type2のGPSカード」も含まれていた。売り文句は「世界最小のGPS」。

□C-ONE Technologyのホームページ
http://www.c1tech.com/
□製品リスト
http://www.c1tech.com/link3.htm

●RIVA128ZX搭載ビデオボードは7月出荷、Savage3Dも展示される
 Yuan Yuan Enterprise(YUAN)では、ビデオメモリ8MBに対応したnVIDIAの新ビデオチップ「RIVA128ZX」を搭載したビデオボード「AGP-300Z」を展示していた。7月からの量産出荷を予定しているとのこと。また、STMicroelectronicsのブースでは、RIVA128ZXの動作デモも行なわれていた。
 このほかのPC向けビデオチップの動きとしては、S3の新ビデオチップ「Savage3D」を搭載したビデオボードの展示も見られた。展示していたのはAPAC Multimediaだが、サンプル品とのことで動作デモなどはなく、出荷時期に関しても明らかにしていない。

□Yuan Yuan Enterpriseのホームページ
http://www.yuan.com.tw/
□APAC Multimediaのホームページ
http://www.apacmm.com/

●Windows CE対応のビデオチップ
 INTEGRATED TECHNOLOGY EXPRESSでは、Windows CE向けのビデオチップ「IT8181E/IT8181F」を出品。
 Windows CEで使われるCPU、日立 SH-4やNEC VR4111などのCPUインターフェイスに直結できる特徴を持ち、最大4MBのビデオメモリに対応する。最大解像度は1,024×768ドットとのことだが、「実際の製品では800×600ドットか640×480ドットで使われるだろう」とのこと。
 なお、PCIバスにも対応し、VGAコアも内蔵しているので、PC/AT互換機用としても使えるという。

●DVD-RAMメディアが読み取りできるDVD-ROMドライブ
 Aopenでは、DVD-RAMメディアが読み込み可能なDVD-ROMドライブ「DVD-9432」を出品。接続方式はATAPIで、ローディング方式はトレイタイプ。DVD-RAMメディアが読み取り可能なDVD-ROMドライブとしては初の製品で、片面タイプのメディア(容量2.6GB)が読み取り可能。出荷は10月からとのこと。

□Aopenのホームページ
http://www.aopen.com.tw/

●PC Chips製のS/PDIF入力付きサウンドボード
 PC Chips Groupでは、デジタル入力が可能な「S/PDIF入力端子」がついたPCIサウンドボードを展示。一般向けのPCIサウンドボードとしては、S/PDIF入力端子付きの製品ははじめて。なお、搭載しているサウンドチップはメーカー名や型番などが入っていない「無地」のもの。チップ名や発売時期など詳しいことは明らかにしていない。

□PC Chipsのホームページ
http://www.pcchips.com/


□COMPUTEX TAIPEI '98のホームページ
http://www.computextaipei.org/
□関連記事
【6/4】COMPUTEX TAIPEI '98レポートインデックス
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980604/cmptx_i.htm

('98/6/9)

[Reported by suzuki-k@impress.co.jp]


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