【イベント】

会期：5/27～29日(入場には招待状が必要)
時間：午前10時～午後5時
会場：新高輪プリンスホテル「飛天」

　製品からパーツまで幅広くOEMを手がけるアルプス電気株式会社が、技術展「ALPSSHOW '98」を開催した。ここで展示された製品についてはアルプスブランドで消費者の手に渡ることはほとんどないが、将来の製品トレンドの一端を知ることができる。今回は、PC関連製品を中心にレポートする。

●ストレージ：DVD-ROMドライブ、DVD-RAMチェンジャなど

【スロットインDVD-ROM】	【DVD-RAMチェンジャ】

　ストレージで注目されるのはDVD関連製品だ。DVD-ROMドライブとDVD-RAMチェンジャが参考出品されていた。DVD-ROMドライブはスロットインタイプで、新しいディスクを入れた後に、中に入っていたディスクが出てくる構造のため、ディスクの入れ替えが片手でできるのが特徴。DVD-RAMチェンジャは5枚収納のカートリッジタイプで、SOHO向けの製品。いずれも製品化についての詳細は未定という。

　また、次世代FDD規格HiFD対応ドライブも参考出品されている。IDEとFDDインターフェイス両方に接続し、従来のFDと200MB容量のHiFDメディアが利用できる。量産開始は、計画より若干遅れるものの今年中には開始するという。そのほかにも、アルプスがOEM供給を予定しているニンテンドウ64用の容量64MBの磁気ドライブ「64DD」も参考出品されていた。

【PTML11】	【PTML11搭載デジカメ】

　3月に発表された70×34×59(幅×奥行き×高さ)mmの超小型昇華型プリンタユニット「PTML11シリーズ」が展示されていた。このユニットは、専用用紙とインクリボンが一体になったカートリッジを装着して使用し、用紙がプリクラサイズの標準カートリッジ、横長のパノラマカートリッジが用意されている。印刷枚数は標準カートリッジでは45枚、パノラマカートリッジでは30枚。画質は、16階調、288dpiと十分実用に耐えるレベルになっている。このユニットを搭載した製品は夏頃に登場予定という。使用例として、デジタルカメラに内蔵したものが展示されていたが、今のところ製品化される予定はない。

【カードサイズフォトプリンタ】

　これより少し大型の名刺サイズの昇華型プリンタユニットも参考出品されていた。外形は94.0×57.6×26.6(幅×奥行き×高さ)mmで、バッテリ駆動も可能。昇華型に加え溶解型熱転写にも対応している。このユニットを搭載した製品は、20,000円弱で今年末ぐらいに登場予定。

●液晶：DSTN反射型カラー液晶など

　最近、各社が発表している反射型カラー液晶だが、アルプスでも参考出品として展示していた。液晶パネルはDSTN方式。解像度は640×240ドット、256色表示で、WindowsCE 2.0搭載機をターゲットにしていると思われる。また、OEM供給先の要望によっては、フロントライトの搭載も可能となっている。

　その他には、「たまごっち」などの電子玩具への採用が考えられる、オレンジ、ブルー、グリーンと背景色の4色表示が可能なECB(電界制御複屈折)方式の反射型カラーSTN液晶なども展示されていた。

●入力デバイス：3ポートのUSB HUBを搭載するUSBキーボードなど

【USB HUB搭載キーボード】	【指紋認識搭載キーボード】
【ICカードユニット搭載キーボード】	【IrBUS対応機器】

　入力デバイスでは、3ポートのUSB HUBを搭載するUSBキーボードを展示。出荷はWindows 98待ちで夏頃とのこと。現在は、各メーカーが製品評価している段階という。参考出品として、IrBUS対応のキーボード、ジョイパッドなども展示。年内には市場に出回るとしている。受信ユニットのインターフェイスはUSBを採用。IrBUSは、赤外線を使った双方向の通信規格で、通信速度は75kbps、最大8台までのデバイスを同時使用可能となっている。

　変わった物としては、指紋認識装置付きキーボードや、ICカードリーダ付きのキーボードが参考出品されていた。また、ノートパソコンやPDA用のキーボードとして、全高6.6mmで、キーストローク2.7mm、全高3.8mmで、キーストローク1mmのキーボードが展示されていた。

□アルプス電気ホームページ
http://www.alps.co.jp/
□「ALPS SHOW '98」のページ
http://www.alps.co.jp/alpsshow/japanese/index.htm

('98/5/27)

[Reported by furukawa@impress.co.jp]