【業界動向】 |
●セミナー:分野別にロードマップを公開
グローブ氏のいつものスタイルどおり、デモンストレーションもセクションごとに行なわれ、結論として「インターネットに接続されたPCは、今後10年間にわたり企業競争力の大きな武器となる」と述べた。
内容で注目されるのは、各分野のCPUについて、'99年前半までのロードマップが明らかにされたことだ。内容的には、2週間ほど前に米国で行なわれた投資家向けセミナーの席上で公開されたものと同一だが、国内で公にされた意義は大きい。各分野別に主な内容を整理する。なお、CPUの分野の区分は発表会の資料に従った。また、チップセットの後ろの数字はベースクロック(MHz)を表わす。
'98年第2四半期のCeleronの登場につづく製品は意外に早く、'98年後半には128KBキャッシュを内蔵した300MHzの製品が登場する。'99年前半はクロックが333MHzになる。チップセットはこの時点まで440EX/66のまま。 |
'98年後半にPentium IIのクロックが450MHzにアップする。“Katmai”のコードネームで呼ばれる次世代製品は'99年前半の登場。クロックは500MHz以上とされている。チップセットはこの時点まで440BX/100のままで、噂されていた新世代チップセットは記載されていない。 |
'99年前半期までモバイルPentium IIのまま。クロックはこの時点で最高333MHz。チップセットは440BX/66のまま。 |
他の分野に比べると変化が大きく、'98年後半期にPentium II Xeonが登場する。キャッシュは512KB~1MB、クロックは400~450MHz。チップセットも新しくなり、440GX/100が投入される。'99年前半にはクロックが500MHzになる。会場でもSlot 2に対応した新パッケージがちらりと公開されたが、噂どおり巨大なものだった。 |
この分野も'98年後半にPentium Proから、Pentium II Xeonへ世代交代が行なわれる。チップセットはサーバー用の450NX/100となる。 |
なお、セミナー終了後、マスコミ向けの記者会見が行なわれた。一問一答形式で主な内容を紹介する。
Q:「先週、台湾をはじめとするチップセットメーカーからSlot 1対応のチップセットが相次いで登場したが、これに対して特許訴訟を含めた対抗処置を取る予定はあるか」
A:「各チップセットの詳細については把握していないが、基本的にチップセットの開発には特許やノウハウが深く関わっている。調査のうえ、必要があれば、それにかなった処置をとるだろう」
Q:「Merced(IA-64アーキテクチャーの新CPU)の登場に触れられていたが、IA-32のアーキテクチャーの寿命はいつまであるのか」
A:「IA-32は成功したアーキテクチャーであり、広く行き渡っている。顧客の要望がある限り生産を続けるだろう。また、IA-32は固定して死んだアーキテクチャーではなく、常に革新を続けている。Katmaiに搭載される強化されたMMX機能などもその一例だ」
Q:「セミナーの席上でIT産業への投資額のGDPとの比が、日本は低いと指摘していたが、それは何が原因と考えるか」
A:「日本では企業で電子メールをはじめとする情報化手段への興味が低く、贅沢品として捉えられている。電話回線についても同様だ。これらの改善が必要と思う」
Q:「CeleronとPentium IIとの生産比率はどのようになるのか」
A:「基本的には市場の要求に従う。ただ、セミナーでも述べたが、米国ではベーシックPCが1/4以上の比率となっており、今後さらに伸びるだろうと予想している」
□インテルのホームページ
(5月13日現在、この件に関する情報は掲載されていない)
http://www.intel.co.jp/
□参考記事
【4/30】後藤弘茂のWeekly海外ニュース「'99年には500MHzに突入するIntel MPU」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980430/kaigai01.htm
('98/5/13)
[Reported by date@impress.co.jp]