【本体】 |
価格:すべてオープンプライス
連絡先:FAXAID 03-3391-1200(FAXによる情報提供サービス)
アップルコンピュータ株式会社は8日、新製品発表会を開催、Macintosh PowerBook G3の新シリーズ4モデルと液晶ディスプレイを発表した。米国で6日発表されたiMacについても触れ、正式発表は後日行なうが日本国内でも10万円台後半の価格で、8月中には発売することを明らかにした。
原田社長は予定時間1時間の半分強の時間を割いて、最近のAppleの財務・流通体質の改善をはじめとする経営戦略について説明。Appleの経営戦略としては、'98年前半に収益体質の再確立を行ない、'98年後半から成長戦略を取ると述べた。
流通システムについては、流通在庫の削減、製造拠点や倉庫を統合し世界的規模の流通システムを構築するなどの方針を改めて紹介。流通在庫については、すでに流通在庫量が世界で5週間と、シェア上位を占める競合他社がおよそ12週間であるのに比べて大きな改善がなされたと述べた。
財務体質については、'97年第2四半期には4億8,900万ドルだった営業管理費を、'98年第2四半期には2億9,800万ドルにまで削減することに成功したことを紹介。損益分岐点が大幅に変わったため、前年同期比で売上は大幅に減ったが、粗利益は600万ドル増えたことを説明した。「この1年は、売上を減らしてでもコストを下げ、収益体質改善に努めた」。
こうした財務改善策が一段落つく今年後半には、新たなコンシューマー製品としてiMacを投入するほか、需要喚起のための投資も拡大するなど、一転して成長戦略に切り替える。OS戦略については、来週11日に米国サンノゼで開催される、WWDC(Worldwide Developer Conference 1998)において明確なソフトウェア戦略を発表することを明らかにした。
米Appleでは6日に発表され、PC Watchでも報じたMacintosh PowerBook G3新機種が日本でも正式発表された。日本では4モデルがラインナップされる。価格はすべてオープンプライス。
デザインも一新され、筐体はグラスファイバーを配合したポリカーボネイト製。ボディ中央のピュアブラックの部分は、ラバーコーディングしたアルミニウム合金が使われている。また中央に配したアップルのロゴは虹色のリンゴから、“Think Different”キャンペーンでお馴染みとなった白いリンゴに変更された。
このほか新設計のPowerBook G3では、使い勝手の面でも新しい配慮がなされている。キーボードはその静粛性から最近採用機が増えてきたパンタグラフ式を搭載。パームレスト下部に設けられたホットスワップ対応のデュアル拡張ベイ(左が3.5インチベイ、右が5.25インチベイ)は、パームレスト前面のイジェクトレバーを引くと、自動的に持ち上がって外れる構造になっている。また、メモリの装着などの際は、デュアル拡張ベイをイジェクトしてキーボード下部にあるラッチを引くことでキーボードを簡単に外すことができる。
性能面では、もっとも安価なG3/233MHzモデルでもPower Macintosh 9600より高速というベンチマーク結果を紹介、デスクトップ機を凌ぐ性能を持つことが強調された。主な仕様は下表に掲げるが、共通仕様としては、メモリにSDRAM 144ピンSO-DIMMを採用、最大192MBまで拡張可能。グラフィックスコントローラはATI 3D RAGE LTを搭載した。CD-ROMドライブは着脱可能で20倍速、バッテリの連続駆動時間はシングルバッテリ時で約2~3.5時間。重量は、CD-ROMドライブとバッテリ内蔵時で3.27~3.54kg(モデルによって多少違う)。インターフェイスでは、10Base-Tイーサネットポートを標準で装備している点が特徴。OSは、Mac OS 8.1がプリインストールされる。
【4モデルの設定と出荷時期・価格】
モデル名 | 233/12" | 233/13" | 250/13" | 292/14" |
---|---|---|---|---|
液晶(インチ) | DSTN 12.1 | TFT 13.3 | TFT 13.3 | TFT 14.1 |
解像度(ピクセル) | 800×600 | 1,024×768 | 1,024×768 | 1,024×768 |
2次キャッシュ | なし | なし | 1MB | 1MB |
標準メモリ | 32MB | 32MB | 32MB | 64MB |
HDD | 2GB | 2GB | 4GB | 8GB |
FDD(着脱可) | オプション | 標準 | 標準 | 標準 |
発売時期 | 5月下旬 | 5月下旬 | 6月上旬 | 6月上旬 |
予想市場価格 | 20万円台後半 | 30万円台後半 | 50万円台後半 | 70万円台前半 |
アップル初の液晶ディスプレイも合わせて発表された。XGA対応の15.1インチTFT液晶を採用、5月下旬より販売開始される。価格はオープンプライスだが、市場価格は20万円台後半になる見込み。
Studioディスプレイもデザインに特徴があり、ボディは半透明のブルーを基調としている。人間工学に基づいてデザインされたというスタンド部は上下左右に自在にアングルを決めることができ、高さも110mmの範囲で無段階に調整可能。このスタンドは取り外して「フリップアウトスタンド」と呼ばれる専用の小型スタンドを取り付けてディスプレイ部だけで使うこともできる。
最大表示画素数は1,024×768ピクセル、ドットピッチ0.30mm。水平走査周波数は31.5~60.2kHz。コネクタは15ピンD-subコネクタで、15ピンD-subVGA変換アダプタが付属する。インターフェイスはADB、オーディオ出力/入力、コンポジットビデオ入力、S-ビデオ入力のポートを備えるほか、デスクトップスタンド部にADBポートを2つ装備している。
□アップルコンピュータのホームページ
http://www.apple.co.jp/
□Macintosh PowerBook G3 シリーズニュースリリース
http://news.apple.co.jp/product/980508pbg3.html
□Apple Studioディスプレイのニュースリリース
http://news.apple.co.jp/product/980508studio.html
('98/5/6)
[Reported by hiroe@impress.co.jp]