【イベント】

プロカメラマン山田久美夫の

　今回のCOMDEX/Spring'98は、意外に周辺機器メーカーが少ないこともあって、思ったほどはUSB関係のデバイスは見られなかった。むしろ、昨年秋のCOMDEX/Fallや3月のCeBITのほうが、細かなデバイスは沢山あったほど。

　しかし、Windows 98の登場が間近に迫り、ようやく“安心して使える”ことが見えてきた今回の方が、数は少ないものの、内容的にはより充実しているように感じられた。どうも、今一つピンとこなかったUSBの可能性が明確に見えてきたような気がする。やはり、これらの周辺機器メーカーが頭をひねって、新しい使い方を提案してくれると、こんなに便利なんだ！というのが実感できるもの。

　今回はそのUSB関係デバイスのなかから、USB素人の私が個人的に面白そうだったものをいくつかピックアップしてお届けしよう。

●ハギワラシスコム：スマートメディア＆PC カードドライブを参考出品

　USB接続になるとデジタルカメラからのケーブル転送が容易になるといっても、やはり実際の使い勝手や汎用性を考えると、カードドライブのほうが便利。

　昨年のCOMDEX/Fallでも一部のメーカーがUSB対応のカードドライブを出品していたが、今回は日本のハギワラシスコムがUSBタイプのカードドライブを参考出品していた。

　タイプはスマートメディア専用のものと、PC カード Type 2対応の2種類。発売はスマートメディア専用機が先行するという。このドライブは、規格が変わる16MBのスマートメディアにも対応しており、今後登場する128MBまでのカードまで利用できるとしている。転送速度は、USBだけに最大で約1MB/secと実用十分なレベル。

　価格や発売時期は未定だが、価格は1万円前後、発売は今年の中頃から後半になるようだ。

【Digital Through】	【PC カードドライブ】	【スマートメディア ドライブ】

●TEAC：USB接続式の外付けFDD

　ドライブ関係を数多く出展していた「TEAC」。ワイ・イー・データと共同規格を提唱しているノートPC用のUSB接続式の3.5インチFDDも参考出品。薄型で携帯性もよく、電源はUSB側から供給される。もちろん、転送速度はFDDの読み書きを考えると十分すぎるレベル。

　外付けFDDがUSBされれば、FDD用のジャックが不要となり、よりコンパクトにできる。こういう既存の機器でもUSB接続のメリットがあるということが、実感できる製品だ。

□参考記事
【2/24】ワイ・イー・データとティアックが、USBを使ったFDD規格を発表
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980224/usbfdd.htm

●BELKIN：USB関連製品を一堂に展示

　“何でもかんでもUSB!”という感じで、USB関連製品のパーツ類を一堂に、分かりやすく展示していたのがカナダの商社「BELKIN」のブース。マウスやキーボードはもちろんのこと、「USB Parallel Adapter」や「USB Serial Adapter」なども展示。とにかく、このブースを見ていると、日常的に使うデバイスはすべてUSBでOKということが一目瞭然。

　もちろん、シリアルやパラレルは、USBアダプタを介したところで、転送速度的にはメリットがない。しかし、これらのインターフェイスを、USBに一本化できることを考えると便利。

　なお、「USB Parallel Adapter」のパッケージには、ちゃんとZipを始めとしたパラレルポートの周辺機器のサポートがうたわれており、「USB Serial Adapter」ではさらにIRQやI/Oアドレスの心配はいらないと書かれているのはうれしい。

【BELKINブース】	【USB Serial Adapter】	【USB Parallel Adapter】

●eTEK LABS：シリアルアダプタ「Kwik232」、赤外線リモコン「KwiKey IR」

　USBで230kbpsでのシリアル接続（RS-232C)ができる「Kwik232」を出品。Windows 95 OSR2.1を始めとしたUSBが使える環境なら使用できる。TAや、デジタルカメラなどと大容量なデータをやり取りするために高速シリアルボードを購入するなら、こちらのほうがより現実的な選択といえそうだ。

　そのほか、面白かったのが同社の「KwiKey IR」。これはUSBポート用の赤外線受光部とリモコン、専用ソフトをセットにしたもの。テレビのリモコン風のコントローラーを使って、やや離れた場所（最大20フィート）からPCを制御できる。操作できるものは、CDのコントロールやボリューム操作（つまり、PCをCDプレーヤーとして使った場合のリモコン操作）がメイン。しかし、コントローラーのファンクションキーにアプリケーションなどを割り当てたり、十字キーでPowerPointの操作もできるほか、普通のマウス操作も可能なので、プレゼンテーション用のツールとしても便利に使える。

●PERACOM：コンパクトな「USB Serial Converter」

　PERACOMは、コンパクトなアダプタ形式の「USB Serial Converter」を出品。転送速度は最大で115kビット/secまでと、先のKiwk232よりもやや低速。しかし、こちらはケーブルの変換アダプターのようなスタイルなので、コンパクトで場所を取らない点がうれしい。価格も79ドル前後とまずまずのレベルだ。

□COMDEX/Spring '98のホームページ
http://www.comdex.com/comdex/owa/event_home?v_event_id=234
□参考記事
【'98/4/23】COMDEX/Spring '98レポートインデックス
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980423/cmds98_i.htm

('98/4/27)

[Reported by 山田久美夫]