【業界動向】

マイクロソフト、ソフトウェアの短期レンタル開始

成毛 真社長 '98/3/30 発表会開催



 マイクロソフト株式会社は、企業ユーザーを対象にソフトウェアのレンタルを開始する。オリックスレンテック株式会社など企業向けのレンタル会社と個別に契約し、ハードウェアにインストールした状態で2年以下の短期レンタルを行なう。用意される期間は1ヶ月と6ヶ月で、この組み合わせでレンタル期間に合致させる。レンタル価格は、オープンプライスだが、1ヶ月よりも6ヶ月の方がやや低く、1年以上レンタルすると購入する方が割安になる程度という。ただし、レンタル料金は経費として計上できるため、企業にはメリットがあるとしている。

 今回のレンタルは、中小企業市場を主な対象とした販売政策の一環で、2000年問題などによるニーズの拡大と、景気の悪化に伴う投資総額の抑制を背景にしたものという。マイクロソフトでは、「今年のPCの出荷台数はプラス15%を見込んでおり、うち中小企業市場は25%、大企業市場は10%、個人は昨年並み」(成毛 真社長)とみており、「米国と比べて、中小企業市場のPC普及率は約半分で、国内ではこれから伸びる市場として重点を置いている」(同)という。また、2000年問題によって、「オフコンの7~8割がリプレースされ、そのうちのさらに7~8割がパソコンに置き換えられるとみている」(同)という。

 レンタルにおいて問題となる著作権保護については、対象製品を企業向けに限定する、レンタルするソフトウェアをプリインストールでのみ提供しプログラムCD-ROMを添付しないなどの方策で対処するとしている。

 トラブルによる再インストールやコンフィグレーションの変更のために、CD-ROMが必要な場合は、レンタル会社から貸与されるとされている。レンタル時には「できるだけフルインストール状態で提供するように要望している」(佐藤 一志取締役)としているが、対象製品にはWindows NT ServerやBack Officeなどのサーバー製品も含まれており、緊急時の運用において問題を残すところだ。

 また、個人市場におけるレンタルについては、「ゲームなどの個人市場向けソフトとビジネス向けのソフトを明確に分離し、(ゲームなどについては)レンタルを行なわない」(成毛 真社長)としている。また、リースについても「日本におけるリースはファイナンシャル的な方策という面が強く、期間が意識されていないため、検討中」(同)と消極的な姿勢を示した。

□マイクロソフトのホームページ
http://www.microsoft.com/japan/
□ニュースリリース
http://www.microsoft.com/japan/info/releases/0330rent.htm

('98/3/30)

[Reported by date@impress.co.jp]


【PC Watchホームページ】


ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp