【業界動向】

情報提供専用電話を4月1日より設置

コンピュータソフトウェア著作権協会、
「企業内不正使用対策本部」を設置

連絡先:「企業内不正使用対策本部」への情報提供専用電話
    ACCSパイラシーホットライン(4月1日より)
    Tel.0120-765-175

写真:コンピュータソフトウェア著作権協会
   (左)専務理事・事務局長 久保田裕氏
   (右)顧問弁護士 前田哲男氏

 社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会(以下ACCS)は25日、「企業内不正使用対策本部」を設置したことを発表した。同対策本部は事務所をACCS内に設置、対策本部長にはジャストシステム社長の浮川和宣氏が就任した。活動内容としては、ソフトウェアを使用する企業・団体などに対する著作権などの啓蒙活動や調査のほか、ACCS会員企業による侵害行為者に対する民事/刑事手続などに対する支援を行なう。

 また、4月1日より「企業内不正使用対策本部」への情報提供の専用電話「ACCSパイラシーホットライン(Tel.0120-765-175)」を設置し、組織内における不正使用に関する情報提供を呼びかけていく。

 発表会では同協会の専務理事・事務局長の久保田氏が最近の権利侵害の例を挙げ、大企業や学校などの団体における不正使用例や、最近増加傾向にあるという業界内の例について説明した。業界内の不正使用としては、ソフトウェア開発に携わった社員が退職し、コードの大部分を流用したソフトウェアを別商品として販売するなどの例が目立ってきているという。

 また、同協会の顧問弁護士を務める前田氏は、法律的な面での動きなどについて解説した。前田氏によると、権利侵害を受けた企業の申し立てによって行なわれる証拠保全手続において、証拠の消去が簡単なコンピュータソフトウェアの性質を鑑み、最近では事前通知の行なわれない、いわゆる同時着手が多くなっているという。

 協会としては、今後懲罰的損害賠償などの法改正も見据えて、働きかけを行なっていくとしている。久保田氏は「著作権などの知的財産権は無体財産であるため、保護が難しい面があるが、“やり得”のような形を残していくと、ソフトウェア業界自身が衰退する。今回ホットラインを設置するのをはじめとして、協会では、今後いろいろな形での対策を行なっていく」と述べた。

('98/3/25)

[Reported by hiroe@impress.co.jp]


【PC Watchホームページ】


ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp