【その他】

Microsoftが放つ、紫色の恐竜!
朝の人気者Barney君人形でおもちゃ市場を席捲

カワイイBarneyといっしょに遊ぼう!

Barney君1
アメリカでは発売中

価格:
ActiMates Interactive Barney(人形本体) 99ドル92セント

ActiMates PC Pack FOR Interactive Barney(PC連動キット) 64ドル99セント

Barney Under The Sea(CD-ROM) 34ドル99セント
Barney goes to the Circus(CD-ROM) 34ドル99セント
FUN ON THE FARM with Barney(CD-ROM) 34ドル99セント


 
外装
とにかく大きな箱に入っている
 この2月、アメリカはシアトルに出張したとき、街中にあるショッピングセンター内にあるおもちゃ屋さんで奇妙な恐竜が幅を利かせているのに気が付いた。どのお店も、入り口に程近い場所に大きな箱の山を築き上げている。その箱の上には紫色の恐竜が鎮座しているのだ。
 おもちゃ屋の店主は不思議そうに眺めている東洋人に向かって
「こいつがMicrosoftのBarney君だよ。握手してみな!」
てなことをいうので、恐る恐る触ってみると……ウィィ~イン、ウィィイ~カラカラ……てなお人形とは不釣り合いな機械音を響かせながら動き、しゃべりはじめたのだ!

 これが、アメリカの朝のテレビを席捲しているという人気キャラクター“Barney”君だったのだ。日本で言えば“ひらけ!ポンキッキ”のガチャピン、ムックといったところだろうか。とにかくアメリカでは大人気だそうで、各ご家庭の子供さんは、かかさず見ているという。ホテルのフロントにいるお姉さんも即答できるくらいだから、相当な人気なのだ。
 ホーム市場を重視しながらも、Windows 95など、ビジネスソフトほどの大きな成果を上げる事ができなかったMicrosoftが、新たな市場として目をつけた……のかどうかは知らないが、おもちゃ市場というこれまでにない分野にむけて発表された意欲的な商品、それが“ActiMates Interactive Barney”なのだ。

Barney君2
Barney君3
しゃべりだすと、腕や頭を動かしながら身振り手振りで騒ぎまくる Barney君を上から見たところ。足の黄色いつめを掴むと動き出す


●よく動き、よくしゃべる、Interactiveなぬいぐるみ

 Microsoftが昨年末に投入した“ActiMates”シリーズの第一弾がBarney君だ。この“ActiMates”とは、どのようなものなのか? 簡単に言ってしまえば、“Action”+“Mate”=“動くお友達”というわけだ。この“ActiMates”はいくつかの商品から構成されており、Interactive Barneyだけでも十分かわいく、楽しいのだが、周辺機器を充実させることによって更に楽しめるという、まさに我田引水な商品なのだ。

デカイよBarney! Barney君3
デカイよBarney! 会議室用の椅子に座らせるとこの程度。小さい子供と同じくらいか? Barney君、電池交換の図。一日中遊んでいると、すぐに切れてしまうだろう。
 まずはすべての核となるお人形「ActiMates Interactive Barney」。ふかふかしたさわり心地のよい布地にくるまれたこのお人形は、手や足の指など、お人形の一部を触ると動きしゃべるという、これだけですでにインタラクティブな要素を持っている。両手を大きく広げてアメリカンな動作を繰り返すBarney君は、なかなか愛敬がある。一度相手をすると一定時間ごとに勝手に喋り歌っているが、しばらく放っておくとスリープモードに突入する。スリープモードに入ると、再度どこかを触らないと動き出さない。ちなみに、アクティブな状態の時に左目を覆うと「Peek-a-Boo(いないいないばぁ)」なぁんてこともする。こりゃ、お子様大ウケ。

 彼が単体で喋る言葉は1,000語程度と少ないが、対象年齢を考えると別段不都合はない。おしゃべりは、当然英語なのだが、発音が不明瞭で、ちょっと聞き取りづらい。英語圏の人間にとってはどうかしれないが、日本人にとってはちょっとつらいレベルだ(とはいえ、北米市場向けなので別に問題でも何でもないのだが)。じゃ、小さい声でボソボソ喋るのかといえば、そうではない。それどころか、隣三軒両隣、一町(ちなみに一町は109.09m)先でも聞こえてしまうほどの大音量だ。ところが、Barney君には音量調節ボタンがない。アメリカは広いので、隣の騒音はあまり気にならないのだろうか? 話がそれたが、聞き取りにくいのはBarney君の話し方に原因がある。ちょっと鼻にかかった声で、それだけでも聞き取りにくいのに、さらに声がぬいぐるみ内にこもってしまい、イマイチ明瞭に聞こえない構造なのだ。

 Barney君のお食事は、単3形乾電池6本。もちろん動かしっぱなしにすれば早くなくなる。電池がなくなれば、お尻にあるふたをパカッとはずして電池交換だ。でも長時間動かすものだから、AC電源など別の電源供給方法も考えておいて欲しかった。このほかにも前述したように、大人にとっては動作音がちょっと気にはなるが、ま、熱中しているお子様は気にならない程度だろう。

●画面上のキャラクターと漫才を繰り広げる、お茶目なBarney

PC Pack
パソコンとの連動キットとエデュテインメントCD-ROM。CD-ROMは、現在3種類発売されている。
 このBarney君の特長は、なにも喋り、歌うだけじゃないのだ。パソコンやビデオと連動させればさらに多くの言葉を喋り、あたかも生きているかのように、子供の相手をしてくれる。たとえばビデオだと、ビデオの決まった所でお人形も動き出したりする。これは特殊な機能を持ったビデオデッキでなくては動作しない。より一般的というか、Microsoft的なのはやはりパソコンとの連動だろう。

 パソコンとの連動は、別売の「ActiMates PC Pack FOR Interactive Barney」をパソコンと接続することで実現する。PC Packに入っている円盤状のPC TransmitterとパソコンのMIDIゲームポートとを接続。ゲームが起動し、特定の場面になると連動してPC Transmitterから電波が発信され、それを受信したBarney君がそれに応じて動くという仕組みだ。付属のエデュテインメントソフトは、起動時にBarneyの存在をチェックし、判別できなければ、エラーメッセージを表示する。ただこの時、スリープモードになっていると判別できないときもあるようで、ちょっとどこかを触ってアクティブモードにすれば判別可能となるようだ。

 連動のタイミングだが、思ったよりしっかりしている。たとえばキャラクターが画面上に登場し「ハーイ! Barney!」と呼びかければ、ぬいぐるみのBarney君は「やぁ!」と腕を上げて答える。さらに、クイズに正解すれば「やったね!」と誉めてくれる。ディスプレイ上のキャラクターとぬいぐるみが、まるで会話しているように反応するのには感心した。画面内で完結せずに、形あるもの(Barney君)が直接反応してくれるのだから、お子様は大喜びだろう。

●魅力的なぬいぐるみだが、価格がネック

 日本ではBarney君自体の認知度が低いため、このまま売っても仕方ないと思うが、日本で有名なキャラクターを使って商品化することができないだろうか? ただしいくつかの問題点があり、ギミック的に首を振るという動作が多いため、首がないと商品化できないようなのだ。日本で人気のあるキャラクターは首のない丸いキャラクターが多いため少々難しいかも。
 もうひとつの問題点は、パソコンとの連動だ。現在使われている電波を飛ばしてデータ通信する方法はは残念ながら日本では使うことができない。電波法違反となるのだ。実際Barney君のパッケージにも北米以外での販売と使用を禁じている。パソコンとの連動をオンラインで実現して日本でも販売するという計画はないのだろうか。

 そして最後に、やはり問題になるのは価格だ。ぬいぐるみが単体で約100ドルなのはまだいいとしても、ActiMates PC Packが65ドル。CD-ROMの一枚も買えば軽く200ドルも出費することになってしまうのだ。プレイステーションよりも高いぞ! “教育”に関しては親は湯水のごとくお金を投資するとはいえ、もう少しリーズナブルな値段設定をお願いしたい。でも、これが商売だよね。やっぱ、Microsoftは商売上手だわ。
 

(C)1997 Microsoft Corporation. All rights reserved
(C)1997 Lyons Partnership,L.P.All rights reserved.
 

□米Microsoftのホームページ(英文)
http://www.microsoft.com/
□ActiMates Interactive Barney のページ(英文)
http://www.microsoft.com/products/prodref/276_ov.htm
□ActiMates PC Pack のページ(英文)
http://www.microsoft.com/products/prodref/277_ov.htm
□ActiMates TV Pack のページ(英文)
http://www.microsoft.com/products/prodref/278_ov.htm

('98/3/17)

[Reported by funatsu@impress.co.jp]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp