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マイクロソフト株式会社は、25日、26日に開発者向けイベント「DirectX Days 1998 SPRING」を開催した。25日の報道機関向け説明会では、マイクロソフトのDirectXグループプロダクトマネージャーKevin Bachus(ケビン バッカス)氏が壇上に立ち、DirectX6の概要や、これからのDirectXに関するビジョンを説明した。
●DirectX6の概要
DirectX6では新たにDirectMusicが加わったほか、Direct3Dや、ネットワーク機能を提供するDirectPlayなどが強化された。DirectMusicは、MIDIコントロールや、業界標準であるDLS(DownLoadable Sounds)をサポートしたソフトウェアシンセサイザなどを備える。その他にも、状況に応じて曲調を変化させられるインタラクティブ機能も搭載しており、クリエーターの気持ちが伝わる完全な音楽ソリューションを提供できるとしている。
Direct3Dでは、複数のテクスチャを貼り付けたオブジェクトを一度でレンダリングするシングルパスマルチテクスチャリングなどの新機能が追加された。また、ジオメトリパイプラインの見直しや、それぞれのCPUに合わせた最適化が行なわれ、DirectX5に比べ2~3倍のパフォーマンスアップが実現したと述べた。
DirectPlayでは、対応プロトコルの強化や、FireWallへの対応などが行なわれている。
●DirectXの将来
DirectXのWindowsへの搭載についてKevin Bachusは、DircectX5をWindows 98に、DircectX6をWindows NT 5.0にビルトインするとした。また、これからのNTについて、「Windows NT 5.0にDircectX6をビルトインし、NTがコンシューマ向けのOSになるよう取り組んでいく。しかし、すぐにNTがWindows 95/98に取って代わるというわけではない」と述べた。なお、DircectX6の提供時期については、ベータ版がまもなく配布され、正式版はクリスマス商戦に対応ソフトが間に合う時期にしたいとしている。
米Silicon Graphics社と共同開発している、次世代のグラフィックスプラットフォーム“Fahrenheit”については、Low-Level API、Scene Graph API、Large Model Visualization Extensionsといったアーキテクチャや、ローエンドからハイエンドまで全ての市場向けのものが1つで提供できるという利点を語った。
●ハードウェアメーカーの展示
また、会場内では多くのメーカーがデモを行なっていた。その中でも一番の注目は、Voodoo2搭載の3Dビデオカードを組み入れたマシンでデモを行なっていた、クリエイティブとダイアモンド。ダイアモンド側の話によると、Voodoo2の初期出荷分は、両社向けの出荷分で100%を占めているとのこと。
また、クリエイティブ側では、「最初の出荷分は“あっ”という間に売り切れるだろう。発売時に行列ができるといううわさもある」とその人気ぶりを語った。このように3Dビデオカードの中では最も注目が集まっているVoodoo2であるが、両社の係員からは「3Dビデオカードのアメリカの市場規模は日本の10倍以上で、まだまだ日本の市場規模は小さい」という声も聞かれた。
なお、NECでは、23日に発表した第2世代のPowerVRについての展示は行なわれていなかった。
□マイクロソフト株式会社のホームページ
http://www.microsoft.com/japan/
□「DirectX Days 1998 SPRING」の情報
http://www.microsoft.com/Japan/DirectX/dxd98/dxdinfo.htm
□「DirectX」のホームページ
http://www.microsoft.com/Japan/DirectX/
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('98/2/26)
[Reported by furukawa@impress.co.jp]