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日本でもAppleStoreを実施

MACWORLD Expo/Tokyo '98会場レポート
アップル、MS、G3カード展示など注目ブースをレポート

会場:幕張メッセ
開催期間:2月18日~21日

連絡先:MACWORLD Expo/Tokyo '98展示会事務局
Tel.043-296-4455



 10時30分の開場となった展示ホール。例年よりも規模がやや縮小し、4、5、6のホール3つ分が展示会場となっている。
 開場と同時に行列の先頭からお買得品を求めて販売コーナーへと来場者がダッシュする光景はいつもどおり変わらないが、幕張メッセで初のお目見えとなる製品の出展も少なく、1月開催のサンフランシスコにおけるExpoの日本向け焼き直しの印象も濃い。昨年より続く業界全体の低調さもあるが、各社この時期にあわせて新製品の投入を図った以前と異なり、MACWORLD Expo/Tokyoも様変わりしつつある。

■注目の「Rhapsody」の出展を見送ったアップルコンピュータ

 メインステージにおけるプレゼンテーションには、さすがと言えるほどの集客力を示すアップルブースだが、新たなハードウェアのリリースがなかったこともあり、展示コーナーはややおとなしめの印象だ。例年、行列となるカタログの配布場所もそれほど混雑することがない。ソフトウェアは「Mac OS 8.1」と「QuickTime3.0」、ハードウェアはG3チップを搭載したデスクトップモデルとパワーブックのラインナップが整然と展示されている。1月に行なわれたサンフランシスコのExpoではデモされていた開発中のOS「Rhapsody」の姿もなく、アップルの示す新たなテクノロジーを期待した来場者にはやや肩すかしの内容といえる。いっぽう、先日発表されたクラリス社の再編に伴って、これまでクラリスブースで展示されていた「AppleshareIP」や「Apple Remote Access」などのアップル製ソフトウェアの展示も見送られている。

アップルブースはCMでもお馴染みの「Think Different」をテーマに構成されている。 「QuickTime3.0」は米国での配布開始から7日以内に日本語版がリリースされる見込みだ。 4月1日よりファイルメーカー社となるクラリスブースの頭上には新たなロゴマークが設置された。 「ファイルメーカーPro」と「クラリスホームページ」をのぞくクラリスの製品はアップルへと移管される。

■リリース初日から一気にシェア拡大を図るIE4.0

 ブース自体は会場の端のほうに設置されているものの、注目度も高くステージでのプレゼンテーションには常に人垣ができるマイクロソフトのブース。Expo初日に合わせ、アップルとの共同発表という形をとった「Microsoft Office98 Macintosh Edition」の国内初のお披露目は成功したといえるだろう。パッケージは今夏に出荷される予定だが、「Office98」に含まれるコンポーネントのうち「Internet Explorer 4.0」と「Outlook Express」は先行してダウンロードによる無償配布が18日より開始されている。さらにプレゼンテーションの終了時や、隣接する主催者テーマゾーンでは、次々とインストールCD-ROMが配布されていて一気にインストールベースが増えそうな気配がみえる。Mac OS 8.1における標準ブラウザにもIE(こちらは3.0)が採用されていることで、Macintoshにおけるブラウザのシェア争いがここから大きく動き始めた。

通路に大きくはみ出して「Office98」のプレゼンテーションに見入る来場者。 プレゼンテーションは「Word98」と「Excel98」の新機能が中心。 ステージ横に設置された3台のMacintoshではIE4.0を体験できる。 ステージに隣接する配布場所に山積みのCD-ROMが矢継ぎ早に手渡されてゆく。

■各機種向けのG3アクセラレータが続々と登場

 いずれも小規模な展示スペースながらヘビーユーザーが注目するのが、メディアビジョンとインタウェアのブース。どちらもG3チップ搭載のCPUアップグレードカードを出展している。メディアビジョンでは同社が国内代理店となっているNewer Technology社のコーナーで第1世代のPower Macintoshである8100/7100/6100を対象としたカードのデモンストレーションを行なっている。サンフランシスコのExpoでも話題となったPowerBook2400用のG3カードも技術参考出展として展示されている。いっぽうのインタウェアでは先日発表のPowerBook1400用のG3アップグレードカードと、現状では最速のクロック速度275MHzのデスクトップモデル用製品を参考出展した。

 それぞれのアップグレードカードのスペックは以下のとおり。参考出展の製品は出荷時に変更される可能性もある。

NewerTechnology CPUクロックバックサイドキャッシュキャッシュクロッククロック比
MAXpower G3 6100
(2モデルを用意)
210MHz512KB105MHz2:1
240MHz1MB160MHz3:2
MAXpower G3 7100/8100
(2モデルを用意)
210MHz512KB105MHz2:1
240MHz1MB160MHz3:2
NuPower 2400c240MHz512KB未定未定
インタウェア CPUクロックバックサイドキャッシュキャッシュクロッククロック比
BOOSTER PB1400 G3 233233MHz512KB117MHz2:1
BOOSTER G3 275275MHz1MB137MHz2:1

第一世代PowerMac用のカードはPDSスロットに装着。6100用とそれ以外とで製品が異なる。デモ機はPowerMac7100。 PDSスロットに加えてNuBUS用のスロットもひとつ占有するアクロバティックな装着方法。 「BOOSTER PB1400 G3 233」を実際0に装着したところ。ユーザー自身による取り付け作業はかなり難しい。 開発中ということでカード自体の撮影は出来なかった。2400cの販売実績からみれば米国より日本での需要が大きいと思われる。

■EIZO初のプラズマディスプレイと2つの小型液晶モニタを参考出展

 EIZOブースでは、いずれも参考出展ながら同社初の42インチプラズマディスプレイと、2種類の小型液晶モニタ。そして18インチサイズの液晶モニタを展示している。どれもパーソナルユースのモニタとしてはメインストリームといえない製品だが、Macintoshはもちろんのこと、今夏の出荷が予定されているWindows 98でもマルチモニタ環境がサポートされることが決定している。つまり同社の展示は、今後のデスクトップ環境のコンセプト提示ともなっているのだ。

42インチサイズのプラズマディスプレイ。解像度は823×480ドットで\\ 、VGA画面やTV画像を映し出すことができる。 Cap.5.5インチサイズのTFT液晶モニタ。デスクサイドに取り付けて自由にモニタ部分を移動できるアームが付属している。 こちらは7インチサイズのワイド液晶モデル。

□MACWORLD Expo/Tokyoのホームページ
http://www.idgexpo.com/MACW/macindex.html

('98/2/18)


[Reported by 矢作 晃]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp